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42 ひかりんについて

 大きな魔女帽子をかぶった黒髪の魔法少女むつきちゃんは、身を乗り出して聞いてきた。どうやらひかりんに興味を持ったようだ。


「その……『ひかりん』っていうのは何者なの?」


 ふむ、彼女のことをどうやって話したものか……とりあえず分かっていることから説明していこう。


「ひかりんってのは、ある日突然転校してきた先輩っす。当時中学二年生。うちは中学一年生で、そのときすでに魔法少女として活躍してたっす」

「そうだな。5人の中では、キッカと瀬良の二人の方が先に魔法少女やってたな」

「そそ。うちの場合、1人で戦うのは危険だって神獣のスイちゃんに言われてたから、魔法の練習をしながら他の魔法少女を探してたんすけどね。で、初めて会ったのがキッカ先輩で、しばらく2人で戦ってたっす」


 まぁ、あのときはほぼキッカ先輩一人で悪魔倒してて、私は金魚のフンのごとくついてまわってただけだったけど。あの頃のキッカ先輩は冷たい態度で、何度邪険にされたか分からない。でも私の使える魔法って補助特化だから、一人じゃろくに悪魔倒せないんだよね。


「でもしばらくして、悪魔がうちらじゃ対応できないくらい増えてきて、強い悪魔もどんどん出てきたっす。そんなとき転校してきたのがひかりんっす」

天乃(あめの)ひかりさんね。彼女が転校してきた時期に2年生の赤井(あかい)桃子(ももこ)さん、風早(かぜはや)ちふるさんが魔法少女になっているわ」


 赤井桃子。通称『ももっち』は活発で熱血的な性格だ。いつのまにか皆の中心になってたムードメーカー的な人だ。今はリア充してる。

 風早ちふる。通称『風早会長』は生徒会の会長をしていた。きっちりとした性格で、暴走しがちのももっちをうまくサポートしてた副リーダー的な人だ。今はリア充してる。


「今や結婚して子持ちの2人の先輩っすね。で、その2年生グループ3人が中心になって、うちらを勧誘して出来たチームがUMGアルティメット・マジカル・ガールズっす。ま、うちらの方が魔法少女として先輩なんすけどね!」

「お前は1~2ヶ月早かっただけだろうが。そのときキッカは既に1年くらい魔法少女していたぞ」

「最年長の貫録っすね!」

「あの、最年長とかそういうのやめて……」


 キッカ先輩ががっくりとうなだれる。最近、キッカ先輩が年齢ネタに弱くなってきた気がする。あの二人結婚早かったもんなぁ……いや、私もそろそろヤバイっていうか、もうヤバイ年齢なんだけど。30歳とはいえ美人で社交性の高いキッカ先輩はともかく、彼氏いない歴=年齢の引きこもりニートはどうやって相手を見つけたらいいのだろう……


「あの、話の続きを聞きたいのだけど……」

「ああ、ひかりんのことっすね。彼女はホントに不思議な人だったっす。どれくらい不思議かというと……良子ちゃんの弟くんくらい?」

「なるほど、それは相当な天然ね」


 良子ちゃんが自分の弟を天然と評価する。まぁ、大体あってると思う。人の弟を比較対象に出すのもアレだけど、身近の似てる例が弟くんくらいしかいなかったから仕方ない。


「天然、マイペース、不思議ちゃん……それでいて天才。ひかりんは世間には無知なくせに、常人の知りえないことを多く知っていたっす。そもそもうちら5人がチームを組む契機となったのは、ひかりんの発言が発端だったっす」

「どんな発言?」

「今のむつきちゃんと同じように、『もうすぐ魔王が現れる』って言ったんすよ。転校してきたのも魔王を倒すためだって」

「私と……同じように?」


 むつきちゃんが驚いて目を開く。その驚きは何を意味しているのだろうか。自分と同じことをしている人がいると思わなかったのかもしれない。


「でも元々恐怖の大王が現れる予言って一般的に有名なことじゃなかったっけ?当時の人はみんなそれを信じてたんでしょ?私にはよくわかんないけど」


 良子ちゃんが疑問点をツッコんできた。うん、今思うとあの時代は異常にオカルトネタがテレビで流行ってたね。平成生まれの彼女にはわかんないかもしれないけど、カオスな時代だった。


「まぁ、時期に関してはそうっすけど、彼女の場合、場所も特定した上で転校してきたんすよ。うちらの街で魔王が現れるとか、普通わかるっすか?」

「そう言われると確かにそうね」

「ひかりんは予知に近い能力を持ってたっぽいっすね。おそらく当時最強の魔法少女で、彼女無しには魔王に勝てなかったっす。だから、彼女に聞けば色々分かると思うんすけど……」

「現在は行方不明……か」


 私は二年生グループの中ではひかりんと一番ウマが合った。でも彼女は、私にも連絡先一つ残さず消えてしまった。出来ることなら会いたいが……手掛かり一つ残ってない。でも会ったら会ったで結婚して子持ちとかだったらすごく落ち込みそうな気がする。


「うん。あんまり力になれなくて申し訳ないっす」

「いえ、色々と有用な話が聞けたわ。ありがとう」


 むつきちゃんは頭を下げて、礼を言った。彼女がこれからどう行動するかは分からないが、その目には強い決意が宿ったように感じた。

 メタ的に言うと2年生グループがチームの中心で、学生の違うキッカと瀬良は追加戦士的な扱いだったっぽい。

 瀬良は交友関係の多いリア充な桃子やちふるより、変人で独特な雰囲気のあるひかりやソロで淡々としてるキッカの方に懐いていた。

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