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104 15年前何があった?

 物わかりが良すぎる天乃ひかりという幼女のおかげでトントン拍子に話が進んでいる。そもそもむつきはゾンビというだけで調整者に嫌われてたし、デンでも最初は『穢れた存在』とか言って嫌っていたので、神獣たちのボスがここまで受け入れてるのが不思議だ。ただ、それでひかりが良い人であると思うのは早計な気もする。正直、底が知れない。目の前の幼女はあまりに飄々としすぎていて、何を考えてるのか全然読めない。


「そもそも、わたしが目覚めた理由。キミたちをここに呼んだ理由。そしてわたしが自分の正体を明かした理由。その全ては、魔王に繋がってる」


 私たちそれぞれの顔を見渡し、ひかりは言う。


「えっと……結局みんな連れてきてて良かったってこと?」

「うん、全然いいよー。そもそもツクヨミが勘違いしてたんだ。覚醒したキッカだけが重要と思ってた節があるね。そのキッカが魔法少女の力を失った今となっては、どっちかというとこの若い子3人が重要になってくるんだけど」


 そう言って、私とむつきと銀華を指すと、銀華は珍しく困惑した顔で尋ねた。


「わ……わたくしもですか?」

「そうだよ。むつきと良子は言うまでもなくイレギュラーな魔法少女だけど、キミもかなりイレギュラーなん存在なんだよ」

「わたくしが……やったぁ!」


 いや、喜ぶところかそこ。というかさらっと私をイレギュラーとか言うんじゃない。わりと普通だ私は。というか、銀華ってそんなイレギュラー……なのかなぁ? 気になったのでちょっと聞いてみる。


「銀華のどういうところがイレギュラーなの? ちょっと感性がおかしいだけで、ゾンビでもない普通の人間よね?」

「ちょっと失礼すぎますわよ、良子さん!」

「いや、普通の人間じゃないんだよ。感性とかそういう性格上の問題じゃなくて、彼女から感じる魂の在り様が明らかに異質なんだ。でもまぁ……わたしの口から言うことでもないか。多分本人が一番わかってると思うし」

「ふっ、それはそうですわね」

「何故偉そうに言う」


 まぁ、とりあえず銀華のことは置いとこう。今はどうでもいい。


「それで、魔王を倒す方法だけど……」


 ひかりははぁと溜め息をついて


「現状、打つ手無し」


 端的に絶望的な言葉を告げた。

 それ聞いたむつきは、言葉にはしなかったがショックを受けたように目が見開かれた。


「キッカ、セラ、15年前何があったか、どうやって魔王を倒したか覚えてるかい?」


 その質問に、キッカ姉と瀬良ちゃんが首をかしげながら答える。


「……記憶が曖昧ね」

「うちもっす」

「覚えてないよね。だってその記憶、消したんだもの」


 さらっと重要なことを言うひかり。当時のことをキッカ姉と瀬良ちゃんに聞いても、答えがでなかった理由がこれで分かった。お前が犯人だったのか。


「15年前……どうやって魔王を倒したか、あまり語るつもりは無い」

「どういうこと?」

「何があったんすか……?」

「いや、せっかくセラちゃん達は忘れてくれてるんだから、無理に思い出させようとは思わない。ただ、当時用いた方法は今となっては不可能ということだよ」


 そう言われるとめっちゃ気になるんだが。ほら、瀬良ちゃんとかめっちゃモヤモヤした顔してる。


「あなたが理由もなく記憶を消すなんてことしないと思うから、これ以上追及はするつもりは無いけど……でも、どうして当時は出来て今は無理なのか、その理由くらい答えてくれない?」

「簡単に言うと、戦力不足。わたしたちは多くを失ってしまったし、わたしの魔力も回復してない。万全な状態からは程遠いということだよ。反面、悪魔側の勢力はどんどん増大してる。現状がカツカツなのに魔王が復活したら、わたしとしては打つ手が無いってことだよ」


 戦力不足……実にわかりやすい理由だけど、どうしてそんな風になってるのだろう?


「きみたちの街に魔法少女は何人いるか知ってる?」

「いや、知らないわよ」


 というか私の住んでるところに他に魔法少女いるの?


「人口比でいえば、5000人に1人は魔法少女がいる。日本全体でいえば、2万人くらい」

「そんなにいるの!?」


 意外とめっちゃ多かった。多すぎじゃない?


「だから本来ならキミたちの街……吹津町なら大体20人くらいいるはずなんだけど、今はキミらの他は2~3人ってとこ」

「めっちゃ減ってるじゃないっすか!」

「キミらの街だけじゃない。日本全体で1/4ほどに減少してる」


 減りすぎじゃない? いや、それでも日本全国で5000人ほどの魔法少女がいるってことになるか。やっぱり多いような気もする。正直、もっと特別な存在だと思ってたから、ちょっと残念。


「何が原因でそんなに減ったの?」

「それも15年前の魔王との戦いの犠牲だよ。滅びの予言を覆すには、多くの代償が必要だったってこと。だから……あんまり思い出してほしくないんだ」


 そう語るひかりの目は少し悲しげであるように見えた。


「……けれど、どうにかしないと世界が終わってしまう」

「わかってるよ。キミの言う通り、魔王が近いうちに復活するというのなら、どうしようもなくても何とかするしかない」

「何とかするって、どうやって」

「それはこれから考えよう!」


 そう言って、ひかりは思い切りダンと力強く足音を立てて立ち上がった。


「よし、今日は……解散!!」


 ええっ!? ここで解散!?

とりあえず投げっぱなしジャーマンで説明回おしまいです。

次回、アラサ―元魔法少女と1300歳幼女が飲み会でぐだります。

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