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103 魔法少女の誕生秘話

 巫女は魔法少女だったと話すひかりに対し、瀬良ちゃんが疑問を言う。


「えーと、巫女は魔法少女だったんすか? じゃあうちらも巫女属性?」


 属性って何だ属性って。


「うん、そこらへんも説明しておこうかな。そもそも『魔法少女』って概念は歴史が非常に浅い。神獣や巫女はずっと昔からいたけど、それにとって代わるように魔法少女が生まれたのは、つい最近のことだよ。具体的にいうと、高度経済成長期あたり」

「すると……1960年代くらい?」

「そーそー」


 つい最近っていうけど、私の親すらまだ生まれてないわ。


「第二次世界大戦後で日本が敗戦国になったのは知ってるでしょ? そこから神獣たちの受難が始まった。詳しい説明は省くけど、当時のGHQが神道をぐちゃぐちゃに改変してね。うちらの勢力が規模的にすごく縮小してしまったわけよ」

「じ、じーえいちきゅー……なんだったっすかね?」

「アメリカの占領軍みたいなもん。戦後の日本国憲法を制定したり、武力放棄させたりしたとこだよ」


 おおう、なんか近代史の勉強になったぞ。


「で、そのまま高度経済成長期に入って人口が爆発的に増えて……人口増加に伴い、悪魔の発生数もどんどん増えていったの。そしたら今まで巫女がやってた悪魔退治が間に合わなくなって。そのままだと社会崩壊もありえるような事態が水面下で進んでたんだ」

「大変じゃない」

「うん、大変だった。だからこっちもなりふり構ってられなかった。んで、職業巫女だけ任せるんじゃなくて民間人を起用しようとしたわけ。だけど、別に神職でもなんでもないし、巫女っていうのはウケがよくないと思ったわけよ」

「だから……『魔法少女』?」

「うん。せっかくだからもっと衣装も華々しく英雄的なものがいいと思ってね。『魔法少女』という概念を作ったんだよ」

「作ったって誰が?」

「わたしー♪」


 お前かい。というかウケの良さで巫女から魔法少女に変えるのってって……なんかノリ軽いな。巫女じゃなくてもいいんかい。


「え、てことは魔法少女の生みの親ってひかりんっすか?」

「そだよー」

「てゆーかひかりん今何歳っすか!?」

「1300歳とちょっと」

「めっちゃ年上じゃないっすか!?」


 いや、年上とかいう次元を越えてるんだけど。平安時代? いや飛鳥時代か?


「改めて確認するけど、あなたやっぱり人間じゃないのね」

「元々はキミらと同じ寿命の短い人間の巫女だよ。今はこんな風になっちゃったけど」


 そう言ってひかりは自分の頭にぴょこんと生えた獣耳を撫でた。


「これが神獣合身の最大のリスクなんだよ。永くやりすぎると神獣と人間の精神が融合しちゃって人外に成り果てる。ツクヨミの場合は、あんまり融合しないで表と裏の二重人格みたいになっちゃったけど、私の場合は相性が良すぎたのか、もう完全に一つになっちゃったね」

「ふーん、そうなの」

「反応軽いねー」

「ロリババアっすね、ひかりん!」

「ロリババアゆーな」


 キッカと瀬良ちゃんはなんだかんだすんなり受け入れた。この人ら、耐性ありすぎじゃない?


「魔法少女にとって必須の変身アイテム、マジカルチャーム。これは巫女が使ってた神器や祭具の代替品なんだよ。初期は勾玉型から始まって、今はオシャレ重視でアクセみたいな感じにしてね」

「神道系なのに魔法少女とかオシャレ重視とか……なんかこう、伝統を自ら破壊してない?」

「10代の少女にウケようと思ったら大変でねぇ……」

「いきなり老人くさいこと言わないでよ」


 こほんと一息ついてひかりが言う。


「そんな感じで今は巫女がしてた仕事を魔法少女がやってるわけだよ。ちなみに日本で活動してる神獣たちは殆どわたしの配下みたいなもん」

「めちゃくちゃ偉いじゃないっすか! ボスじゃないっすか!」

「最高神の天照大神様だからね。えらいえらい」

「ゆるいボスねぇ……」


 うん。目の前にいるのはとんでもない大物のはずなのに、ただのゆるいケモミミ幼女にしか見えない。まぁ、さっきの戦いで十分強いのは分かったし、実力は本物なんだろうけど……


「というわけでこちらは素性を全部明かしたよ。で、今度はそっちの話を聞こうと思うんだけど……そこの素敵な帽子の御嬢さん。キミのことを色々話してくれないかな?」


 そう言ってひかりはむつきのことをじっと見据える。むつきは一瞬びくっと怯えたように反応したが、すぐにひかりをいつものジト目で見つめ返した。


「あの……信じてもらえないかもしれないけど、わたしは未来から来てて……」

「わかった、信じる」


 食い気味に言うひかり。物分りよすぎじゃないっすかね?


「ええっ、未来から来てましたの!?」

「知らなかったっす!」


 代わりに銀華と瀬良ちゃんが驚く。そういやこの二人、むつきと殆ど関わりないな……一方キッカ姉は全く驚いておらず、うんうんとうなづく。この反応だと、既に素性を明かされてたのか。ちょっと嫉妬するけど、逆によく秘密主義のむつきがキッカ姉に素性を話したなぁと思う。


「それで……もうすぐ魔王が……」

「魔王が復活して世界が大変なことになると」

「あ、え、そうです」


 またしても食い気味に言うひかり。逆にむつきの方が戸惑うことになった。


「そ、それで、15年前に魔王を倒したというあなたに相談を……」

「そかそかーいいよー」

「話が早すぎる」


 驚くほどすんなり話が進む一方、銀華と瀬良ちゃんは未来から来た少女と魔王復活というキーワードを聞いて、子供のように瞳をキラキラさせていた。

アマテラス様は神話の時点で天然系萌えキャラなので、あんまり偉そうじゃないこういう性格になりました。

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