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お互いの気持ち

「・・・と言う訳であの親子はもうお前とダイアナ様に迷惑をかける事も精神的苦痛を与える事も無くなった。それでだな、あ、こっちの計算からやってくれ。」

「そうなんですね、ありがとうございました。お母様はご存知なのかしら。」


ヴィヴィアンは書類を受け取りながらラインハルトに聞いた。


「俺が直接話しに行きたかったのだが夜会までにこれらを終わらせねばならん。だから別の者に行かせた。」

「私がひとりで働いている間にそんな事があったとは。はい、これにサインして陛下の返事を貰ってください。2枚目にもサイン必要ですからね。」

「ちょっと手を止めて話をしないか?」

「だめです。まずは仕事からです。去年もギリギリまで仕事してせっかくの素敵なドレスなのに隈だらけの顔で夜会に出る羽目になりましたもの。で、陛下は何て仰ってました?」

「おい、こっちのは俺の管轄ではないぞ、兄上に持って行ってくれ。ん?陛下か?まだ話していない。そもそも父上が浮かれてドレスを贈るなんて先走るからいけないんだ。」

「ふぅん。ならばこの山は陛下に回しましょう。私達が見るより陛下が直接決めたらいいわ。ドレスを贈る暇があるならね!」


ヴィヴィアンが振り分けた書類の山の2つ分が陛下の元へ運ばれて行った為2人は少しだけ休憩を挟んだ。



「ラインハルト、あ、すみません。殿下、私から話させてください。」


名前で呼ばれたラインハルトは嬉しくて隣に座ったヴィヴィアンの腰を思わず引き寄せ抱きしめた。


「誰も居ない時には敬語はいらないと言っているだろう。名前で呼んでくれ。」

「はいはい、ラインハルト。お母様が離縁したと言う事は陛下からの求婚の可能性があるの解ってる?お母様が頂いたのはドレスだけじゃ無いわ。指輪もよ。流石にティアラは無かったけれど。これで私達は兄妹になるわね。貴方も私も誰かと結婚しても一生一緒にいられるわ、ある意味ね。」


ヴィヴィアンはなんだか目を見て話せない。言いたい事の半分も言えずに俯いてしまう。

胸にがっしり抱きしめられているせいだ。


「一生一緒にいられる事になって嬉しいと思ったか?」

「・・・わからない。」

「俺が他の誰かと結婚しても側で働けるか?」

「じゃあラインハルトは?私が誰かと結婚したらどう思う?」


ラインハルトは力一杯ヴィヴィアンを抱きしめた。

小柄なヴィヴィアンはゔぇっと変な声が出てしまうくらい苦しいのだがこれが彼の気持ちなんだなと思った。

背中をばんばん叩くと漸く腕を緩めてくれたのだが見上げた彼の眼には涙が浮かんでいる。


「まって、まって、まって、泣かないでよ。私が悪かったわ。貴方の気持ちを知っているくせに酷いこと言ってごめんね。私は何処にも行かないし他の人と結婚なんてしないから。貴方と結婚出来なくてもずっとそばにいるわ。だからラインハルトも結婚なんかしないって約束して。」


ヴィヴィアンは手を伸ばし袖口でそっと涙を拭う。そうだ、幼い頃からヴィヴィアンだけを一途に愛してくれているのだ。


「嫌だ、俺の妻はヴィヴィアンしかいない。父上の結婚などぶち壊してでもお前を俺のものにする。」


ラインハルトはありったけの情熱を込めたキスをした。

長いキスは力の入らなくなったヴィヴィアンを抱き上げてもまだ続いた。


「いつまでも待てないからな。夜会で結婚を発表する。父上よりも先に。」

「ちょっと、ラインハルト?悪魔みたいな顔してるわよ。あのね、私は陛下の気持ちなんてどうでもいいの。お母様の気持ちを優先したいの。だから早く仕事を終わらせて帰りたいの!」


ムードをぶち壊しやがってと憤慨しているがヴィヴィアンは長女気質なのだ。

まずやるべき事を先にやらないと気が休まらない。

ヴィヴィアンはラインハルトに軽く口付けた。


「本当は泊まって行きたいの。でも今日は覚悟はあるって事だけ伝えるわ。」


真っ赤な顔になったラインハルトはまた涙目になった。

潤んだ彼の美しい瞳を自分だけのものにしたい欲望がある事に少し驚いた。

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