少女は魔剣を手に入れる
「主が妾を救ってくれたのか?」
祭壇の前で唖然としているユリネに誰かが語りかけた。
「え、誰ですか?」
「ここじゃよ、ここ。」
古めかしい喋り方とは裏腹に幼女のような声の正体は手に握っていた魔剣であった。
ユリネが魔剣に目を落とすと、一瞬空間が歪んだようになり、漆黒の魔剣は黒い大蛇になっていた。
『アルバーティスパイソンみたい。』
これが大蛇をみた時のユリネの感想だった。
「妾は生と死の神の眷属ウルボロスじゃ。と言っても、魂の半分以上は主のおかげで女神様のもとへと帰れた。
だから妾は魔剣に取り込まれた魂の一部じゃ。
ま〜言うなればウルボロスの絞りカスみたいなものかのう。」
そう大蛇は続ける。
「魂を喰らう魔剣といえど、さすがに蛇神としての妾の魂を喰らうことはできなかったみたいじゃの。傑作じゃの。」
そう言って大蛇は笑い出した。
「主よ、妾に新たな名前をくれんかの?さすがに魔剣と一体化してウルボロスは名乗れんよ。」
「私がつけていいの?」
ユリネの問いに
「主はこの魔剣の装備者じゃろ。要は妾のご主人様じゃ。
それに主には妾の他の魂が救われた。主につけて欲しいのじゃ。」
『黒曜石の様に綺麗な黒だから…』
「じゃあ、コクヨウでどう?」
「コクヨウか、気に入った。」
「よろしくね、コクヨウ。」
こうしてユリネは魔剣コクヨウを手に入れ、さらにステータスを上昇させるのであった。
名:ユリネ(Lv949)
種族:ヒューマン
年齢:15歳
生命値SSS
攻撃力SSS
防御力SSS
速度SSS
魔力SSS
スキル:剣術スキル15、体術スキル10、サーチスキル10、魔力操作スキル15
女神の加護:鑑定の魔眼、状態異常への完全耐性、言語完全翻訳
獲得魔法:火魔法、水魔法、風魔法、土魔法、雷魔法、重力魔法、空間魔法
蛇神の加護:光魔法、闇魔法、毒の発現、畏怖の魔眼
装備:魔剣 コクヨウ(SSS)
とうとう魔剣で大蛇のコクヨウが仲間になりました。
次回からやっとユリネの異世界の旅が始まります。