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少女は思い出す

少女ではなく女性の名は大森ゆりね。23歳。

地方都市の大学院生であった。

性格は明るく社交的で、老若男女関係なくすぐ誰とでも仲良くなれる女性であった。

理学部生物学科を卒業し、そのまま大学院に進み爬虫類、特に有鱗目(ゆうりんもく)(トカゲ、ヘビの仲間)の進化について研究をしていた。

幼少期から動物が大好きで、その中でも何故かヘビに強い憧れを抱いていた。

そんな彼女は学業のかたわら大型の総合ペットショップでアルバイトをしていた。

もちろん爬虫類コーナー担当、しかも客からはアイドル的人気があった。

しかし、残念なことにそれには本人は気づいていなかった。

そして、一人暮らしのアパートではヘビを飼っていた。

錦柄(にしきがら)のボールパイソンにはショコラ

黒い大蛇のアルバーティスパイソンにはノアール

緑色が綺麗なグリーンパイソンにはヒスイ

黄色のアマゾンツリーボアにはキナコ

と、それぞれに(独特な)名前を付けて可愛がっていた。

そんな彼女の普通の女性とはちょっと違っているかもしれないが、平凡は日々は急に終わることになる。


アルバイトの帰り道、急に包丁を持った男性に刺されてしまったのである。

薄れ行く意識の中、彼女は自分の体温が下がって行くのを感じた。


彼女が次に気がついたときは真っ白な部屋の中であった。

「可哀想に、あなたは他人と間違われて刺殺されました〜。」

おっとりとした喋り方で、目の前の女性にそう告げられる。

「あなたを刺した男性はストーカーで、違う女性を襲うつもりだったのよ。

それが〜、たまたま背格好も好きな服のブランドも帰宅経路も同じあなたと間違えちゃったみたいなの。」


『何それ、私人間違えで殺されたの?ほんとに死んだの?てかこの女性だれ?』


「私は生と死を司る女神よ。

普通はね干渉しないんだけどね、私の眷属とあなたの魂の波長の親和性が高いみたいだから。転生してもらおうかなって。」


「女神様ですか〜?眷属って?」


「そう、私の眷属、生と死を司る大蛇ウルボロスね。

実はね、私の大切なウルボロスを異世界に派遣したら、神々の戦争に巻き込まれちゃって。

可哀想なウルボロスの魂を解放して欲しいのよ。その後は好きに第二の人生を謳歌(おうか)していいから。お願い。」


「は〜。私に可能なのであれば。」


「ありがとね。

私から新たな肉体と加護を授けるからよろしくね。」


『そうだ。私はこの世界に転生したんだ。』

少女は自分が置かれている状況を思い出した。

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