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少女と大男の対峙の後

「ヒール」

ユリネに吹っ飛ばされたガイヤスの周りにパーティーメンバーが集まってきた。


「ガイアスさん、随分手酷(ずいぶんてひど)くやられましたね。」

そうガイアスに声をかけたのは神官であるソフィアであった。

『巨人の斧』という無骨なパーワータイプのメンバーが揃うこのパーティーには似つかわしくない物腰の柔らかな美女である。


「ソフィアが咄嗟(とっさ)に身体強化のバフと防御魔法をかけてくれなかったら腕の一本でも持っていかれてたかもしれないな。

ソフィアから見てあの小娘の実力はどうだった?」


「私たちパーティーが連携して、一太刀入れられればいい方かと。」


「そんな化け物か…」


「彼女に本気を出されたら間違いなく私たちでは全滅です。」


この『巨人の斧』というパーティーはガイアスを筆頭に火力重視の怒涛の攻撃でAランクまで上がってきたが、実のところソフィアという優秀な支援職兼ブレインの功績が大きい。

リーダーであり、かなり傲慢なタイプのガイアスが意見を聞き入れる数少ない相手がこのソフィアであり、素行の悪いパーティーが現在の地位に居続けられるのもソフィアのフォローがあってのことだ。

聖女と比べても遜色しないレベルの回復魔法を使い、宮廷魔術師顔負けの豊富な魔法でパーティーを後衛からサポートし、さらには火力重視の前衛集団の戦闘下で問題なく立ち回れる体術を有する。

現状S級冒険者に最も近い人材はガイアスでも他のAランクパーティーのリーダーでもなく、間違いなくこのソフィアであった。


「ガイアスさん、彼女のことは一度お忘れになって、聖女様の依頼に集中しましょう。」


「おう。

お前ら明日の朝一から行動できるようにしっかり準備しておけ。」

そう言って街に戻っていくガイアスの後をメンバーが追うように付いて行く。


その最後尾を他のメンバーから少し離れて紅一点であるソフィアが付いて行くのであるが

「ふふ、私も一度お手合わせ願いたいですね。」

と呟いた言葉は誰の耳にも入らなかった。

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