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少女は大男に衝突する

食事を終えたユリネとコクヨウは、ギルドの受付のお姉さんに教わった宿に行く前に何かクエストを受けようと思い、受付に来ていた。


「お姉さん、私が受けられるクエスト何かありませんか?」


「ユリネさんがいくら強くてもまだF級だからね〜、薬草採取くらいしかないわね。」


「それでお願いします。」


ユリネの明るい返事に

「じゃあお願いね。」

と、受付のお姉さんは薬草採取の依頼の詳細が書かれている依頼書をユリネに手渡す。


「行って来ますね〜。」

明るいがどこか気の抜けた様な感じでユリネは言い、出口へと向かうために振り向いた。


ドガッ


ギルドの奥の方から出てきた集団の先頭にいた2m級の大男とユリネはぶつかってしまった。


「ごめんなさ〜い。」

ユリネはオドオドとしながら床に尻餅をついている大男に謝る。


「おい、ガキ。

ここは冒険者ギルドでお前の様なガキが来るところではない。」

そう言いながら大男は立ち上がる。


『私も冒険者なんだけどな。』

ユリネはそう思いながら

「お怪我はありませんか?」

と聞く。


「怪我なんてするわけないだろう。

俺を誰だと思っているんだ。

『巨人の斧』のガイアスだぞ。」


そう、ユリネがぶつかったのはあのガイアスであった。


「有名な方なんですね。

勉強不足でごめんなさい。」


ガイアスの顔がますます険しくなっていく。

『あ、これ、私が何か言うほど相手怒らすパターンだ…』

ユリネは怒った形相のガイアスとざわつくギルド内の雰囲気に耐えられなくなり


「あ、私、クエストがあるので、ご機嫌様。」

と言って、そそくさとギルドの外へと出て行く。


周囲の冒険者やその場に居合わせたギルド職員はガイアスがこの場で暴れ出さず事を終えられたことに安堵(あんど)した。


『巨人の斧』は王国最高戦力として名高いが、実は横柄な態度と素行の悪さでも有名であった。

そんなガイアスが少女相手に暴れ出さないか、無理難題を要求しないかの心配が先行し、周囲の誰も少女ではなく、2m近い巨体のガイアスの方が衝突時に尻餅をついていたという普通なら逆であるはずの状況に疑問を(てい)するものはいなかったのである。


ガイアスがいくらA級冒険者といえど、ユリネとガイアスの間には計り知れないステータス差があるため至極(しごく)当然の結果ではあったのだが。


「ユリネよ、どうやら冒険者はなめられてはいけない職業らしいぞ。」

コクヨウが急にユリネに言う。


「コクヨウ、それはまたメデューサさんの知識?」


「そうじゃ。さっきのはなかなか良い感じに煽れてたぞ。」

コクヨウは愉快そうにユリネに言う。


「そんなはつもりなかったのに。」

ユリネは少しふてくせれた感じでコクヨウにそう返した。

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