「決闘」
タブレットを開いたまま寝落ちしてしまい、気づいたら朝でしたwすみません。初めて文だけで戦闘シーンを表現しました。足らない部分まみれかと思いますがお許しください。
5話「決闘」
「さぁ、それじゃあ、始めようかソフィー。」
「え、本当にやるんですか?」
「あぁ、もちろんだ。」
(あぁ…向こうは本気だ…でもこれでジークフリート様を怪我でもさせたら、私死刑だよね…上手く私が負けたら丁度いいよね…)
「あっ、ちなみに俺が王子だから手を抜いたりしたら、父上に頼んで魔法使いになれないようにするからね?」
そう言って以前にも見せた、クシャッとした無邪気な笑顔をした。
ソフィーの考えは既にジークフリートにバレていた。
企んでいたことを見透かされていた事に、唇をかみしめる
(王子を怪我させるのも嫌だけど、魔法使いになれないのも嫌!)
「しかし、ジークフリート様、もし殿下に怪我でもさせたりしたら…」
「大丈夫、大丈夫、怪我とかしないと思うし、もししちゃっても回復魔法使える人に治してもらうからさ。」
「ですが…」
「平気だって、あ、後、それにこれからは俺の事は、気軽にジークって呼んでな?」
「えぇ…ですが…」
「良いから〜それより、ここに居るのがバレる前にさっさと戦おうぜ!」
「え?らあっ、はい」
(うわ〜そんな気がしたけど、やっぱり勝手にここに来てたんだぁ〜怒られたらどうしよ〜)
「おいおい、そんなにのんびりしてていいのかよっ!」
そう言って、一気に距離を詰めて、ソフィーに斬りかかった
「きゃっ!」
すんでのところでジャンプし、かわす。
その後も、連続してソフィーに斬りかかり、彼女はそれをギリギリでかわす。
(やばいやばい、この人本気だ。でも怪我はさせたくない。)
「おいおい、かわすだけかぁ〜?やる気あんのか?少しはやり返して来いよ!」
(ガキみたいに煽ってくんのムカつくけど、とりあえず手始めは)
『身体強化・改』
そして、ジークの剣を素手で受け止める。
「ぐっ…付与してるけどこれでも少し痛い…」
「おっ、付与魔法か。やるじゃん。でも、あんたの力はこんなもんじゃ無いよな?」
「まだまだ、こっからよ!」
後ろにジャンプをし、ジークと距離を取る。
「そーいや、お前、魔法使いだったな。やっぱり近距離は苦手かよ。」
「私と戦ったこと後悔させてあげるわ。」
「調子に乗ってられるのも今のうちだぜ。」
そう言って、今度はジークが自分の剣に魔法を付与させ始めた。刀身が赤く輝き出した。
先程よりも攻撃力が高そうだ。
(付与魔法、恐らく『身体強化・改』じゃ防ぎきれない。)
「魔法使えんのはお前だけじゃないんだよっ!」
「じゃあ、お互い剣で勝負としますか。」
そう言って、杖を利き手の右から、左手に持ち替えた。
(調子乗ったけど剣でこの人に勝てるかな…でも、やるしかないよね。)
そして、心の中で唱える。
『氷柱剣』
右手に氷の剣が生成される。
(やっぱり冷たいや。)
「おぉ、久しぶりに見たな。その魔法。」
「覚えてた?初めて会った時に使ってたもんね。」
「じゃあ、行くぜっ!」
それを合図に、2人は戦闘を再開する。
キン、キンッと甲高い音が鳴り響き、2人は、目にも止まらぬ速さで切り結ぶ、しかし、どちらも致命傷を与えられない。実力に大きな差が存在していない証拠だ。
「おいおい、なんだ、この戦い…」
速すぎて、目で追うことすら出来ない2人の戦闘を見て、唖然とするレイモンド。
「へぇ、魔法使いにしては、剣も中々やるじゃん。だが、その氷の剣でこの剣に対していつまで持つかな?」
(なんつー偏見だよ。だけど、ジークが言っているのは事実ね。剣がぶつかり合う毎にこちらの氷柱剣の刀身は削れている。折れたらまた生成すれば良いけど、これじゃ決定打にならない。うーん…。これはまだ人目には晒したくなかったけど…。やるしかないっ!)
「両親から、魔法使いは遠距離と比べて近距離が弱いと教わり、私は『氷柱剣』が使えるので、それを用いた戦い方を教わりました。」
「そして!!」
「ん?」
「これが私の戦い方!!」
『複数発動』 『氷柱剣』
突如、足元に水色の魔法陣が現れた。中心に雪の結晶が描かれている。そして、ソフィーの周囲から、10本以上の氷柱剣が生成され、中に浮いている。
「なにっ?!この数を1人でか?なんて魔力操作だ…。」
「私を煽った罰です。」
そして、それをジークフリートに狙いを合わせる。
(撃て。)
ミサイルの様に、物凄い勢いでジークフリートに向かって氷柱剣が撃ち込まれる。
何本か剣で弾き返していたが、
「やばいかわしきれない。」
ジークフリートは、この戦闘で初めて焦りを感じた。
そして、ジークフリートに氷柱剣が撃ち込まれ、冷気や煙でジークフリートの姿は見えなくなった。周囲に一気に冷気が広がる。
(大丈夫かな…流石に終わりに…)
いくら氷と言っても先端や刀身は充分殺傷能力がある。何もしていない普通の人間が喰らったらひとたまりもない。
「ねぇ、大丈夫?終わりに…」
「調子に乗るんじゃ…ねぇぇ!!!」
その叫び声と共に、冷気に包まれていたのが急変し、爆発し、一気に燃え上がった。
「あっつ!危な!」
爆発音を聞いて、気になった人達が中庭の結界の外側に見物に集まってきた。
激しい戦闘に興奮する者、ジークフリートが居るため騒ぐ女子等様々だ。
宿舎から煙が立ち上っているため、外でも騒ぎになっている。それを戦闘訓練だと兵士たちが呼びかけて安心させようとしている。
そして、この騒ぎは城にまで届き、窓から見ている人が居た。
爆発した炎は、立ち上り、その中から、ジークフリートがゆっくりと出てきた。その手には、メラメラと燃え上がった炎を纏った剣を手にしている。
「はははっ、ここまで焦ったのは久しぶりだ。」
「あら、それは、どうもありがとう。」
「んじゃ!お返しだ!『獄炎剣』!」
そう言うと、剣をソフィーに向かって振り下ろした。剣は届かなかったが、そのまま炎がソフィーの方へと突っ込む。
「くっ!」
今度はジークフリートが、ソフィーを押し始めた。剣と炎が彼女に迫る。それを必死にすんでのところでかわす。
(攻撃のテンポが早すぎてかわしきれない、ダメージを受けるのは防げるけど、とにかく熱い!後、服が燃えちゃうし。とにかく、まずは防御魔法を…)
『氷結壁』
足元に魔法陣が広がり、そこから一気に氷の壁が出現した。
それでジークフリートの炎を受け止める。
鈍い音と共に衝撃波が広がる。
その衝撃は、結界の外にまで広がり、宿舎の屋根の瓦が揺れる。
「これ、大丈夫じゃないよな…やばくね。」
レイモンド呟く。
そんな事お構いなく2人は戦闘を続けている。
「ソフィー、本当に強くなったな。」
「そっくりそのままお返しするわ。」
(彼との戦いも大分慣れてきた。私を動けなくするくらいの決定打はおそらく今の彼には無い。隠し玉があれば別だけど。かわすか、『氷結壁』で向こうの攻撃を防いで、攻撃は、『氷柱剣』で近遠距離どちらも対応出来ている。ここからどうするか…。)
その時だった。
「「ソフィー!!!」」
彼女を呼ぶ声がした。振り返ると両親が居た。心配しているのか、怒っているのか、少なくとも、この戦いには肯定的な表情では無かった。
「隙あり!」
ソフィーが両親の方へ振り返った瞬間、ジークフリートが、炎を纏った剣で、斬りかかってくる!
(マジか、ヤバい。)
「ソフィー危ない!」
母親が叫ぶ。
ソフィーは振り返ると、杖を投げ捨て、一瞬で、『身体強化・改』の付与した魔力を両手にかき集め、それでジークフリートの剣を受け止めた。魔法を付与した手とはいえ、火傷しそうな熱さだった。
ソフィーは、受け止めた剣をそのまま掴み、ジークフリート諸共投げ飛ばす。
(危ないなぁー!!)
「うぉっ、なんて力だ。」
(その攻撃、私に当たってたらどうする気だったの…許せない…)
ソフィーは何も返事をしない。もう何も考えずに無意識で動いているかの様だった。
そして、一気に彼女の魔力が強まり、周囲にオーラを撒き散らす。
(何これ、無限に強さが湧いてくる…今なら勝てるかも。私の強さを示したい!)
「流石にこれは危険よ。雰囲気がいつもと違うわ。」
リーシャがこの魔力の異常さに気づく。
「「ソフィー!!!」」
両親が叫ぶ声もソフィーには聞こえていなかった。
そして…
「『死之氷結』」
(この魔法なら…勝てる!!!今なら無限に魔法が使える。)
自分に聞こえるくらいの声で呟き、両手を伸ばし、手のひらを下に向けて広げる。
すると、『氷結壁』以上の氷の結晶の魔法陣が広がり、地面から物凄い速さで、尖った巨大な氷が生えてきた。それがジークフリートを狙う。
「あの魔法…」
「あぁ、以前ソフィーに教えはしたが、必要になる魔力も他の魔法とは比べ物にならなかったから、一度も成功しなかった魔法だ。」
初めて見る魔法に焦るジークフリート。
必死にかわそうと逃げる。しかし、氷も彼を追いかける。
追尾式のミサイルかのようにジークフリートのケツにくっついてくる。更にミサイルと違って、1発で終わることなく何度も当たってくるのだ。非常にやっかいだ。
(あははっ、焦ってるよ。あんなに調子乗ってたのに。)
「なんだこれ!ちょっ、怒ってんのか?済まなかった、許してくれソフィー!!!」
(別に怒ってないけどね。単に強さを示したいだけなんだよな。まぁ話したところで無駄だろうけど。)
ソフィーはそんな事はお構い無しに、ジークフリートに攻撃しようとする。
このままだとジークフリートの頭や腹を貫く。彼は恐怖を感じて目を閉じてしまう。冷気を感じる距離まで来ていた。
(あれ、体が…)
その瞬間、氷がジークフリートの顔の目の前で動きを止めた。ソフィーの足元の魔法陣も消えていた。氷にヒビが入り、ボロボロと崩れだした。
「はぁ、はぁ、これで私の勝ちね…はぁ…」
(やばい、意識が…)
ドサッ…
それだけ言い、彼女はその場で倒れてしまった。激しい戦闘で魔力を使い切ってしまったのだ。魔力を使い果たしたおかけでジークフリートは助かった。そして、氷は、白い煙を上げながら、ガシャンと地面に崩れ落ちた。
「ソフィー?!」
両親や、レイモンド、ジークフリート、その他にも数人が駆け寄る。
周囲では、さっきの出来事について話してる人達が居た。
「とりあえず、どこかのベッドへ」
イヴァンがソフィーをそっと抱え上げる。
リーシャが隣で心配そうな表情で娘を見つめる。
「なら、私の部屋のベッドへどうぞ。男の汗臭い部屋に寝かせるのは良くないでしょ?あんなに強くてもまだ女の子なんだし。」
そこには、30代くらいの赤髪の人間の女性が立っていた。手には立派な杖を持っている。
「あぁ、そうだな。すまんアリア。」
「ほら、ぼさっとしてないで部屋行くよ。」
「あぁ。」
宿舎の部屋に向かいながら。アリアと呼ばれた女性が、レイモンドに話しかける。
「それにしても、すごい戦いだったわね。爆発音に気づいて途中から見ていたけど…、一体この子何者?エルフって事くらいしか分からないけど。」
「あぁ、彼女はベネット家の娘さんだよ。名前はソフィー、5才くらいの時点でクマの魔物にケンカ売るくらい勇敢な子だったからね。こんくらい強くなってても俺は納得だけど。」
「だけど、あの子、最後の方我を忘れてた様に見えたけど。あの幼い体に対して、あの魔力量。はっきり言って危険ね。おそらく、今回のは魔力暴走だと思う。以前本で読んだ。戦いの中で、本人の意識を魔力が上回り、最終的に魔力に人が操られてしまう。最悪死に至る。今回の結果は大分マシね。」
「おそらく、しばらくは王都に居るだろうから、お前が見てやってくれないか?」
「え?私が?」
「頼むよ。」
「はぁ…じゃあ、今度食事奢ってね?」
「あぁ、お易い御用だ。冒険者の頃より収入安定してるしな。」
そんな会話をしながら歩いていたらアリアの部屋に着いた。
「レイモンド、あんたはここまで。外で待ってなさい。」
「おいおい。」
「良いから、ちょっとは察しろ、バカ。」
そう言ってアリアは扉を閉めた。
イヴァンもベッドにソフィーを寝かせたのか、部屋から出てきた。
「宿舎を荒らしちまって、本当にすまなかった。」
「いや、最初にけしかけたのは王子の方だ。非があるとすればあいつにあるよ。それに怪我人がいた訳でもないしな。」
「だがな…」
「無いとは思うが、もしかしたら、何かしらの処罰が下る可能性はある。この後国王と謁見だろ?まぁ、あの子は目覚まさねーから、お二人が行くんだろうけど、多少覚悟しておいた方が良いかもな。まぁ、心配だったら証人として俺も同行するよ。」
「そうか…昔から問題児だったから、釘を刺しておいたんだがな…」
「それより、これからどうすんだ?あのままは危険だぞ。」
「はい、出来るなら誰か腕利きの魔法使いにでも預けたいんだが…」
「なら、さっきのアリアなんかどうだ?俺らの中でも結構強いやつだぞ。」
「頼めますか?」
「あぁ、俺からも言っておくよ。」
「後、あの子は、ずっと里で暮らしていた。人との関わりもまだ少ない。どうせなら何年かこっちで暮らさせたいんだが…」
「わかった、手配しよう。」
「すまない、かなりの問題児だが、よろしくお願いします。」
「はははっ、王子には敵わんだろうよ。それにしても、あの二人仲良くなりそうだな。」
「どうだろうか、今回はこんな出来事があったわけだ。殿下も多少気にしているのでは?」
「あぁ、そうだな。自分のわがままが、彼女を傷つけてしまったわけだし。」
「とにかく、今はあの子が目を覚ますのを待とう。起きたら今後どうするか話そう。」
「今後ともよろしくお願いします。」
「よしてくれや、イヴァンさん。そういうの慣れてないんだよ。」
そう言って2人で笑った。
一方アリアの部屋の中では、ベッドに寝かされたソフィーの横にリーシャが座っていた。
「本当に、目を離したらすぐ問題起こすんだから。困っちゃうわ。でも、それでも私たちの可愛い娘よ。」
そう言って、薄汚れた頬を撫でた。
To Be Continued
異世界転生系で魔力使い切って気絶するのってよくありますよね。最初はやっぱり力加減とか制御するの慣れてないでしょうし。ソフィーの場合は7年間両親と特訓はしてるんですけどね。対人戦が慣れてないって事にでもしときますか。




