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鵬、天を駈る  作者: 吉野
4章、『○○○○○○○』
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第59話 尾張の大計、企画案

ノッブ様の案をさらっとスルー。


武家たち以外にとってはこちらがメイン。




斯々(かくかく)然々(しかじか)




云々(うんぬん)かんぬん。





「―――――とまあ、


以上が計画となります。」




………少し、長くなりすぎたかな。


そもそも、元となる資料『"は"の15番』は


三郎さまの原案の20倍近い巨大資料である。




これを今回の話専用に落とし込むために、


専属でチームを組んでデータの絞り込み。



大規模な会議によって取捨選択をはかり。


時々村田内の複数の素人に見せて、


リアクションの確認と新規意見の聴取。




日程が無かった為にようやくまとまった物でも


三郎さまの5倍程度だ。





―――――やはり、


日常的に常駐させる戦略チームは必要か。



それも複数に。





…………場を見返せば、


さきほどとは様子は逆転。




――――神職二名と商人二名は、


目をギラつかせて前のめりにこちらを見やる。



…………対して武家三名は、


あたかも冬の海に蹴落とされた後の様に


呆然・愕然としたままに固まったまま。






「…………で、目算はどうだ。


()()()()()()()()()()()が、出来そうか?」



武家の中でひとり。


げんなりとされた様子でこちらを睨みながら


殿が一応の確認を投げかける。




()()()()()で、一席ブチ上げるとは聞いていたが


まさかここまでの劇薬・爆薬を


投げ込んで来るとは思っては居なかったようだ。




えらく疲れた顔をされている。




「大なり小なりの準備・交渉が要りましょうが、


"せよ"というなら今すぐにでも。



……………任せて、頂けるので?」




逆に喰い付かんばかりに身構える商人二名、


そして神職二名。



銭失いの厄介事かと思えば尾張を挙げての大事業。


それも全面的に完全新規のモノとなれば、


どこに喰い付いても旨味たっぷりだ。



たとえ自分が神職であろうが商人であろうが、


まさに大躍進の大好機だ。





「…………そのご意見を頂いただけで充分ですよ。


この件は『織田弾正忠家の国営事業』として


家中で全面的に行いますゆえに。」



変な言質を取られない内にこちらから釘をさす。




『……ああ?』といった殿を横目に、


今回の利権は織田弾正忠家のほうで


完全に掌握することを宣言しておいた。



残念ながら、"胴元"はこちらで行います。


―――――悪しからず。





ま、そんな不平タラタラの顔を


なさらぬ様に、殿。



いくら仕事の手間が増えるとはいえ、


銭の鬼のような面構えの四名が


シオシオと潰れるのを見ればわかるとおり、


この一件は尋常で無い変化と利益をもたらします。




そうですね、


例えば………大橋さま。


おおよそ準備の整った一月後…いえ二月後辺りで、


どの程度の収益を予想出来ますか?



概算でいいですよ?




「………うまくゆけば、1日で百貫…ですかな?」



「?!」




儲けのタネを失った大橋さまが不貞腐れたように


返事を返すと、


固まっていた武家三名が弾かれたように反応する。




「1日……百貫?


一月で三千貫だと?!」



本気でデタラメな収益に動揺する林さま。




まだまだ先の話ですがね。


今までの矢銭徴収レベルの収益ともなると


事業その物の成長を待たなければ成らないですよ?




「その分、この事業は


桁違(けたちが)いの労力を必要とします。



まずは中規模から始めて規模をふくらませ、


次第に出てくる不具合を解消して行くのが


良いかと思われます。」





ですので当面の間は、皆様四名のお力を


全面的にお借りすることになりますね。




こちらの体制が整うまでは随分時間がかかりますし、


それ以外でも圧倒的な消費が発生します。



当然ですが村田で受けきれる規模では無いですし、


正直店を出せば出すだけの大儲けとなりましょうな。





不貞腐れている暇なぞ、ありませんぞ?






「……で?


斯様な大事業ともなればアホらしいほどの


大金が必要であろう。




…………………誰が、出すのだね?」



からかうような殿の一言で、場が冷えきる。



……まあ、これも絵空事なもので。



馬鹿馬鹿しいほどの銭を得るためには、


馬鹿馬鹿しいほどの投資が必要になりますよね?





――――重要なのはわかりますが、


もう少し空気を読んだ方が良いですよ?






「最近、まとまったアブク銭が手に入りまして。


―――こういった銭は人間が腐る前に


さっさと投げてしまうというのがまあ、


………人の道というものですかね。」




胴元ですから、私が出しますよ?



軽く言い放つと、全員に呆れた顔をされた。





いや、当たり前ですよね?


元手がなければやりませんよ?





アブク銭など持っていると、


(たか)りが(あつ)まって困ります。





過剰に過ぎる大金など投げてしまうのが


御仏の教えにも叶いますゆえに。






『天下の大計』でないのは、


当時の"天下"は畿内を指すから。


尾張は天下の内ではない。



何をやらかすつもりなのかは後に説明します。


日収1000万円。


誰でもビビる。



信秀が嫌がっているのは、


どう考えても仕事が激増するから。





マメ知識



『うんぬんかんぬん』



かんぬんは後から"取って付けた"単語なので、


漢字が存在しません。



意味は大体、予想通りですよ。





『事前の報告』



"報・連・相"もしくは"確・連・報"は重要です。


"問題提起"の意味も兼ねて、


信秀には事前連絡済み。




『神職』



当時の神職は戦国武将と変わらない。


現にここにいる千秋さんは、桶狭間の前哨戦で


"討死"をしている。




『御仏の教え』



別に銭を持つなとはいっていない。


持った結果として


『欲ボケして魂を腐らせる』ことを戒めている。



なお、当時の寺社は軒並みに


"この教えに反している"。


その最たるが某"鎮護のお寺"。

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