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鵬、天を駈る  作者: 吉野
4章、『○○○○○○○』
58/248

第57話 三郎さまの、政界デビュー

唐突に乗り込んできたノッブ様に。


なにやら妙なリアクションですが?




………うーむ。



「では平手さまも賛同されたと?」



一応、確認をしておく。



積極的賛成と消極的賛成とでは


"賛同"の意味合いが違ってくるからね。



その辺りを(おろそ)かにすると問題が起こる。




「おお、おお!


これなら殿に出しても文句は無い、と


太鼓判を押してくれたわ!」





…………………ほーん?


なるほどねえ。平手さまが……ね。




―――老練で見識の有る方と思っていたが、


『武家である事』からは抜け出せなかったか。



「………………………何か、言ったか?」


こちらを見ながら()()()()三郎さま。



いえいえ、別に何も。





―――さて、では。



「……で、あるならば


早速に殿に面会を。早々にお話を致しましょう。



三郎さまは殿と、平手さま。



それから…………………そうですな。


林の御家から、若君の一番家老の新五郎さまを


共に御呼びするように御手配下さい。



こちらは熱田の千秋さまと津島の氷室さま、


それに生駒さまと大橋さまを御呼びいたします。」




流石に平手さまだけでなく、


自分の筆頭後見人の名前が出てきたことに


ギョッとする三郎さま。




ええ、そうですよ。


三郎さまの思っている以上に、大事(おおごと)()()()()



折角の三郎若君の政治的なデビューですから


誰も文句の付けられない、ぐうの音も出ない代物に


して差し上げましょう。



「お、おい?」



聞こえませんねえ。



では私はこれにて。




父を説得して"村井の名代(みょうだい)"として参加致しますので。



…………忙しくなりますね。





――――そうそう、藤吉郎。


尾州改善案『"は"の15番』


を根こそぎ資料として用意するように。




では日取りが決まりましたらお伝えください。


共に登城しましょうか。




「……………そういえば、


今回の三郎さまへの課題ですが。」




振り返った後、多少にタメて告げる。


あなた様への課題の答え合わせですね。



「今回の課題の"最も適切な"正解は、


『殿に交渉して無所属の私を若君の下へ付ける』。


これが三郎さまの取るべきであった最善です。」



―――――何ですか?


それは反則だろう?




………………棟梁やるなら、


この程度の(したた)かさをお持ち下さいな。



 若 君 。








――――――――さて、(しばし)時は流れ。



「……さて、今回はお集まり頂き


ありがとう御座います。



村井の名代として、若君三郎さまのご提案の


説明の補佐をさせて頂きます妙見丸と申します。」




並び立つは武家が三名、神職二名、商人二名


……となります。




それぞれの分野にて尾張に関わる方々に


お集まり頂きました。




それぞれのお立場から、忌憚(きたん)のない


ご意見をお聞かせいただければ幸いかと存じます。




――――まずはこちらを。


三郎さまからの原案となります。





……………実のところ、三郎さまの計画書は


中々の秀逸さを見せている。



多方面で意見を取り入れ、


当事者からのアンケートも盛り込んでいる。


レポートとしては優秀だ。



()()()()()()()()()()()()()()





現にゴーサインを出した平手さまを始め、


殿に林さまもなかなかの好印象だ。


………比較的戦場に出てくる千秋さまも。


特に林さまは"今までがアレ"だったために


大いに見直したご様子。




それを見て明るい顔をされる三郎さま。



良かったですね。



皆より高い評価を受けたようで。



ひとまずは嫡男の地位が


揺らぐようなこともありますまい。









―――――ところで、先程にも言ったよね?



()()()()通用すると。





………武家の方面から意見が出きったところで。



では、私の方からもご意見を。



「内務を行う村井として、


また商いを行う村田としての私の見解を述べますと



………三郎さまのこの事業計画書にはひとつ、



――深刻な欠陥が御座います」







……さて?


三郎さまの事業計画書。


何が欠陥であったか、見当がつきますか?



ヒントは"作成した彼等が武家である"こと。


また、"計画書の内容は第56話中で


ざっくりとですが全て説明しています"。



この二つを前提の上で考えてみて下さい。


思い付きさえすればとても簡単な話ですよ?



実際、コレはかなりの欠陥です。



次の投稿日は17日を予定しています。


のんびりと予想してみてください。





マメ知識




『一番家老の林さま』



林 新五郎 秀貞。後年の別名は林 佐渡守。


信秀からの古い織田家の家臣で、


『死ななかった方の林さん』。


当初はノッブ様に着けられた筆頭後見人。



後に弟が信勝について謀反するものの、


明確に敵対しなかったために柴田と共に助命された。




『津島の氷室さま』



津島神社こと津島牛頭天王社の代々の神主家。


氷室家は"古事記"や"日本書紀"にも登場する


レジェンド家臣の"武内宿禰(たけうちのすくな)"の子孫とされる。



何気に近隣において随一の家柄だったりする。




『はの15番』


"いろはにほへと"の『は』。


つまり『第3号、15番計画書』にあたる。




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