表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鵬、天を駈る  作者: 吉野
4章、『○○○○○○○』
48/248

第47話 安祥歓談、本題

ようやくフリーとなった三河への対処を


話し合います。



またの連日投稿……。


一度題材が思い付けば後は早いのですがねぇ。




「さて雪斎亡き後、三河をどう料理するかだが」




殿が(あご)を撫でながら口にされる。


ひどく上機嫌なままに。








――――いよいよ本題に入る。


今川が機能停止している今、この機に




三 河 を ど う 扱 う か だ 。








何せ、織田家は三河でしばらく


煮え湯を呑まされ続けている。




一時は窮地(きゅうち)に陥った三河戦略を


ここで形勢を(くつがえ)しておきたいのだ。












殿の前でそれぞれの意見を出し会う。





まずは三郎五郎さま。


今まで三河の最前線で空気を一番知っている御仁だ。



一番手には充分。





「今川の後援を失って混乱している今、


松平家の居る岡崎城を落としてしまうべきかと。


松平の棟梁が空白の今が好機でしょう。」




三河の最大勢力を、邪魔がない内に潰す。


これは()()()()()としては極めて正しい。




特に去年、棟梁たる松平 広忠が死亡しており、


しかもその嫡子である竹千代どのは


織田家の下にある。


政策決定者が存在しない状態だ。





…………そこを今川に突かれて、


岡崎の城を接収されたのだが。








その今川がいない以上、


――――隙有らば食らいつく。


至極に(もっと)もだ。



まさに好機とも言えるだろう。










ただし、()()()()()()()()()()()()()()()()()


()()()()()()()




この策は"平和的に三河を圧迫する"為のモノ


であるため、 軍事行動を起こしてしまっては


策が死んでしまうのだ。







経済観念が比較的に高い殿に、大枚はたいた


この策が無意味になることは耐えられないだろう。





それに本来、戦を多用することは


『戦略上の下策』とされる。


戦とは"大規模な無駄遣い"であり、同時に


"怨恨(えんこん)と因縁を()き散らす行為"でもある。




特に後世においても"三河者"という連中は、


ひどく面倒くさいことで有名だ。


こじれると(ひど)いことになりかねない。









私の意見として、


今の状況では軽々しく戦をするべきではない。



―――――と、具申する。









短期的には有効だが、長期的には悪手となろう。












次いで、五郎左衛門さま。


織田家の中でも古参であり、


戦だけでなく(まつりごと)(はかりごと)にも詳しい。




年の功がきらめく達者な人物だ。



「時間はかかりますが、


ゆるりと調略の手を三河中に広げるべきかと。


……しばらくは今川も足を止めましょうから。」




雪斎が消えた以上、彼が練っていた策の数々は


その全てが消し飛ぶ。



かの坊主が関わっているのは戦術クラスどころか、


今川の大戦略レベルの中枢である。


事実上、今川の政略は1度……完全停止する。




中には当人しか知らない策もあろうし、


――――この先、彼の策謀の全てを


今川 義元が把握し継承するまで


かなりの時間が稼げる。





その間、三河と尾張の一帯は


『今川の策謀による干渉』から解放される。





……………武力的な干渉は増えるかも知れないが。





これについては積極的に行うべきだろう。




三河の内情が先の策で揺らいでいる


() () () () ()







三河の者達が今川の武力干渉に辟易(へきえき)し、


心が離れてしまっている間に





――――連中の心を攻める。


なかなかの良策だ。













――――――――まあ、



戦術的にはそれでもいいでしょう。










 し か し 、 ま だ 浅 い 。














() () () ()() () () () () () () () () () () () ()



三河に大きすぎる一石を放り込んでやるのだ。






最後はこの私。


戦もまだで年端も無い。


()()の経験点は最低ですな。




「私からは、


() () () () () () () ()() () () () () ()


―――――――ことを提案します。」







 三 人 が ギ ョ ッ と し た 。




ご存知の方も多いと思いますが、


"竹千代"はこの後今川へ人質として向かいます。


………史実では。


確かに『大きすぎる一石』です。





マメ知識



『戦国の倣い』



せんごくの"ならい"。


戦国時代の前例のこと。


(すき)有らば、奪い殺せ』という、


末法極まりない非道の摂理。





『竹千代が織田の下に』



比較的に有名な話。


竹千代こと、後の徳川家康。


松平家の政略として、今川へ人質に出されたが


途中で織田家に横取りされる。


当時、ノッブ様に振り回されたと言う逸話がある。





『怨恨と因縁を撒き散らす』



戦とは、その結果に関わらず"恨み"が発生し、


その恨み自体が『別の戦』を発生させる。


ひとつの戦が、後になって別の戦を起こす因縁に


なってしまうのだ。



故に戦乱は永く続いてしまう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ