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鵬、天を駈る  作者: 吉野
3章、『○○○○○○○』
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第45話 interlude、to next chapter

話の題材を考えている時に、


即興でテキトーに作った英文。


時代的には"ポルトガル語"にすべきなのだが


基礎もわからないので、止めました。



―――――――はあ、




全く……三郎さまご一行やら平手さまやら……



招く予定もない連中がワラワラと来るから


要らない気を揉んでしまった。










とっぷりと夜も暮れた部屋の中。





戦国時代の人間は寝るのが早いから、


皆も寝ているだろう。






かわりに4時起きとかするのだが。











火鉢に炭をおこし、あたためる。


夏だから暖をとるわけではない。



鍛冶屋に頼んでおいたフライパン(もどき)を取り出して


火にかざして熱する。




十分に熱が回ったので、天日干しした()()()


を取り出して(あぶ)って()る。







ほどよい焼き色になったらすり鉢で()(つぶ)す。


紙の上に粉状に成ったものをに乗せて


やや(くぼ)ませて湯呑みの上に置いて、





湯を上からかける。










――――詳しい者ならピンと来たかも知れないが、



作っているのは




蒲 公 英 (たんぽぽ)コーヒーと呼ばれる物である。









熱帯系の植物であるコーヒーは、


日本国内及びその周辺では


琉球(沖縄)や小笠原諸島辺りでしか栽培出来ない。


この二つがコーヒーベルトに


ギリギリ引っ掛かる状態だ。



後は完全に日本文化圏の外となる。




※琉球は日本文化圏の外です。




それ以前の問題として、


そもそも生のコーヒー豆が存在しない。








よってコーヒーその物はまだまだ


普及が不可能である。











  オ  ノ  レ  。





まあ、仕方ないのでコレで代用……と言うわけだ。







和紙だから多少ばかり紙の目が粗く、


案外早くに液を濾過(ろか)し終わった。











まあ、あくまで代替品なのでコーヒーその物と


比較しても仕方がない。




タンポポコーヒー自体がそういう理由で


作られた代物だ。




コーヒーの流通割合が低い時代の。









さて……………………



香りは―――まあまあ、



見た目が"湯呑みにイン"という微妙さは仕方ない。




ともかく――――味は…………








  (にが)  ぁ っ  ?!






ぐむむ………



――――――――――――コドモの敏感な舌を



………………嘗めすぎていたか。







―――――――ちと、邪道だが仕方がない。



味が合わなかったときの為に用意した牛の乳。


未来の様な専用の乳牛でないからそこまで


期待は出来ないが、


先行して集まった牛から確保したもの。



もうひとつは




甘葛(あまづら)





とある清原家のお嬢様が


『金物のお椀へかき氷を入れて甘葛かけて食べると


リッチでブルジョアな味がする』


と称したアレだ。




※かなり悪意のある意訳です。




見た目は蜂蜜みたいだ。


この時代の甘味は


『蜂蜜・水飴・甘葛・果物』位しかないからな。


昔は『蘇』が在ったらしいが今は絶滅している。



―――砂糖の導入は急務か。








この三つを合わせて


『カフェオレっぽい何か』を作ってみるとするか。











――――うん、





()()()()()()()()()()()







…………………………せめて、



『失敗は成功の母』とか


『失敗無くして改善は始まらない』



――――とでも思っておこうか。













……………こんなことをしているから、


『数寄者』などと呼ばれるのであろうな。





飲み終わった頃にふとそう思った。











まあ、


だからと言って、変えるつもりも無いがな。







 つ ま ら ん 戦 国 の 世 、





 好 き に (いじ) ら せ て も ら う 。














    第 3 章


 『 う つ け と 数 寄 者 』


直訳すると、


『次の章への幕間』


"interlude" には、『間奏曲・幕間(まくあい)劇』


などの意味がある。


どうやら主人公、コーヒー党らしい。


しかもかなりの。




マメ知識



(あぶ)る』




大抵の場合、この『焙る』を用いると


フライパン炒めや燻製などの


"直火ではない"事が多い。


ちなみに読み方の同じ『炙る』は、


どちらかと言うと"直火焼き"の要素が強くなる。



本質的には、両方ともほぼ同じ意味。


火で熱して焼いたり湿気を取り乾かす行為となる。





『コーヒーベルト』



コーヒーは熱帯の特定地帯でしか栽培出来ない。


世界の赤道から南北へ延びる地域が


栽培に適する。


それが、帯のようだと例えたもの。




『タンポポコーヒーは代替品』



発祥はアメリカだとされる。


(異説もあり。)


コーヒー豆がまだまだ高価な時代に、


身近にあるタンポポの根っこで代替した……


という点は共通する。


本物のコーヒーに比べると


"土臭い"とか"ゴボウみたいな味が混じる"など、


越えられない壁がある。




『清原家のお嬢様が言ったセリフ』



正しくは


"清原家の少納言さまの娘さん"の、


「あてなるもの。…削り氷にあまずら入れて、あたらしきかなまりに入れたる。」


というセリフ。



①削り氷


当時国家が管理していた『氷室』からわざわざ


持ってこさせた氷でかき氷を作る。


多分、夏に。


普通、上位の公家や皇族にしか出来ない贅沢。


エグい程に超高価。



②甘葛


ツタの樹液を煮詰めて作る当時の"数少ない"甘味。


こんな物、上流階級しか扱わない。


比較的、超高価。



③かなまり


漢字では『鋺』もしくは『金椀』。


金属加工技術のまだ未熟な平安時代に造らせた


特注に近い金属製のお椀。


『あたらしき』で、それの新品。


当たり前だが超高価。




いや、これで曲解するなと言われても……………。





『蘇』



前にも触れたが、乳製品の"何か"。


政治的な混乱で製法が失われている。

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