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鵬、天を駈る  作者: 吉野
3章、『○○○○○○○』
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第39話 村田屋、ある一日 (そのニ:後編)

すっとぼける主人公。


半ギレのノッブ様。



なお、今回から『余白スマート仕様』


となります。


"読みやすさ"は格段に上がっているかと。

 (とぼ)けるのはやめて改めて店の方を見る。









先程の店とは別の建物だ。


そこには着物や反物が並んでいる。






村田の服飾系の店舗だ。










従来のように反物を並べたり垂らしたり、


着物を吊るしたりする展示品だけでなく………






何体かの、



顔の形が作られていない木製の人形に


着せられた美麗な羽織袴や小袖。









天井より下げられた、


雄壮に、あるいは美しく描かれた




何枚もの


若君や供回りの絵姿。









入ってくるお客に一人一人


頭を下げて迎え入れ、


丁寧に接する店の者。









さらに駄目押しとして、店に入ると正面に


一際に見える









『 尾 張 若 様 今 様 』



―――――と大きく書かれた額縁。











う ん 。





ま ん ま 高 級 ブ テ ィ ッ ク だ ね ?








しかも完全に三郎さまご一行のファッション特集、


とかしてるし。












まあ、怒鳴り込んでも来るよな。








実のところ、三郎さまに銭を渡してから今まで


―――そしてこれからも……






数人を若君のあとを尾行させておいて、





事あるごとに『絵になる光景』を絵に描いて


持ち帰るように指示を出している。







まあ、コレについては別に絵が下手でもいい。








持ち帰ったものをプロの絵師数人に




『たいそうに見映えの良い絵』として


改めて描いていただき、





ウチの服飾関係の店にばらまいている。









同時に若君の立ち寄り購入した店から購入した


着物の情報を把握して、該当する反物を買い集めて




同じ物を作ったり


色違いのバージョンを作ったりして






『若君の有り様に憧れ、肖りたい』若者たちを


顧客とした商売を展開しているところだ。










「そう、つまりだ。


ワレを『ダシ』に使ったな?」




三郎さまが憤懣(ふんまん)()る方ない


と言った様子でこちらを(にら)む。





それはまあ、


自分を勝手に見せ物にされて


―――それで商売をされているのだ。




『モデル料よこせや、ゴラァ!』


程度は言いたいのかもな。









「――――――では、若君にはひとつこの世の


真理をお教えします。



おそらくは殿もご存知のはずですよ?」








分かりやすい"釣り"をいれてみる。




………別に釣れなくともいいのだがね。








勝手に話すから。











「ふむ?


……話してみろ。」








釣れた。



相変わらず『好奇心』に弱い人だ。





こちらにもテコ入れしないといけないのかね?













商 人 (あきんど)に 銭 を せ び っ て 、 "無 料(タダ)" で 済 む と は


………… 思 わ な い こ と で す 。 」






商 人 が 自 ら 銭 を 出 し た な ら


回 収 す る ア テ が あ る か ら に




決 ま っ て い る で は な い で す か 。














――――ドン引きする若君。







ホントにな。



武家というのはその辺が甘い。






世の中……腕っぷしだけで世間を渡れないから、


戦乱が続くのだろうが。













知らんでしょう?






『うつけ』の悪評が流布(るふ)されたのは、




―――その一部が


あなた方が銭を強要した連中の手に


よって行われたことを。








まあ……この行為、




"大橋"にケンカを売る事だから、


遠回しに警告が入っているハズだがね?












「それで…………?


――――――――三郎さま?



『変わってみた』ご感想は?」





いつまでも()()を告げないので、


先回りして言ってみた。











生まれ変わった、ご感想は?



気がついたら文字数が伸びてしまう。


表現力が上がったと喜ぶべきなのだろうが……


話が全然進まない。


困った事だ。




※これより数話、文章中の余白を縮めます。


10話程このまま書いてみますが、


『前の方が良かった』という方が居りましたら


感想にてご一報ください。


改めて余白の調整をおこないます。



無い場合は以後、全話の余白を縮めます。





マメ知識


『店内の様子』



木の人形⇒マネキン


描かれた絵姿⇒アイドルのモデル写真ポスター



なお、現代のマネキンの様に頭の無いものに


するかと考えたが、武士が『クビがない』


と嫌がりそうなので止めた。




『尾張若様今様』



"尾張"に居られる"若様"の着られる『今様』。


"今様"とは、『現代的・現代風』と言った意味で


平安から鎌倉の時代に流行った流行歌謡のこと。


……つまりそのまんま


『ミリオンセラー曲』やら


『ヘビーローテーション』などを指す。




要は、


『今、流行り!尾張の若様の最新ファッション!』


…………と書いてある。





そりゃ怒るわ。




『ワレ』



本作品のノッブ様の一人称。


自分の呼び方。




『憤懣遣る方ない』



憤懣⇒"激しい怒り"が、


遣る方ない⇒"持って行く所がない"


という状態。




『"無料"』



"タダ"は当て字です。


以上。




『流布の理由』



本作品のオリジナル設定。


とはいえ、実際あったと思う。


強盗まがいのコトをされるわけだし。


バレると大変だけどね(バレている)。





『"大橋"にケンカを売る事』



以前にも書いたが、大橋家は信秀の娘を


嫁に取っている。


つまりノッブ様の義理の親戚。

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