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鵬、天を駈る  作者: 吉野
2章、『◯◯◯◯◯◯』
28/248

第28話 マメ知識、超拡大版(その1)

2章の終了記念?


ですかね。


ちょっとしたおまけになります。

今回は、藤吉郎くんの史実の正式名称が出たので


番外編を作ってみました。




……………本来はノッブ様の登場時にする予定


……だったのですが……



まあ、さておき。




『豊臣朝臣羽柴関白藤吉郎秀吉』




秀吉の正式名称。



順に、


①豊臣:本姓……ご先祖様の、一族のルーツの苗字


彼の場合はコレ自体が捏造(ねつぞう)



②朝臣:(かばね)……ご先祖様の賜った称号。


日本古来の爵位の様なもの。


………コレもやね。



③羽柴:苗字……今、自分が所属している一族の苗字



④(太閤・関白):官職……ここへ官職が並ぶ。


ただし、人によっては『自称』の場合もある


この時代、自称の方が多い。



⑤藤吉郎:通称・(あざな)……普段はこちらが


呼ばれる。この時代、『羽柴藤吉郎どの、』や


『織田上総介さま。』とよぶのが正しい。


他には『大岡越前守』とか。



⑥秀吉:(いみな)・真名……その人物の


本当の名前。




古今東西・洋の東西を問わず、


その地に大昔シャーマニズムが存在した地域は、


『人間の真の名前には運命を左右する力がある』


という認識が生まれやすい。


その結果、人物の真の名前を知られると、


シャーマン(魔女や道士、陰陽師など)や悪霊に


呪われたり、操られたりする……と考える。



それを避けるために、幼い時は『幼名』を、


成人すると『真の名前』以外にあだ名を付ける。



これが日本の通称だったり、中国の(あざな)


だったりする。




この『真の名前』はホントに信頼する、


『配偶者』や『ガチの親友』、『直属の上司』


にしか明かさない。


『あなたなら教えても間違いなどないでしょう』


という絶対の信頼の証となる。




つまり真の名前を知らないと、『羽柴藤吉郎さん』


『織田三郎さま』『関雲長殿』『曹孟徳さま』


と呼ぶのが正しい。


かのケルトの『クーフーリン』も、あれは


称号である。真の名前は不明なのだ。




真の名前を教えた覚えのない者に勝手に呼ばれると、


原則『ケンカを売られた』と認識される。


これはほぼ世界共通だったりする。






さて、蛇足ながらもう一つ。


どういうわけかは知らないが、


世界にはある共通する『呪い』がある。




まずは日本。



古いしつけをする方や、厳格な日本マナーにおいて


『人を指さしてはならない』と言われたことは


ないだろうか?



これは人差し指で人を指差すという行為が


心理学的に極めてイメージが悪い、と言う以外に


日本語の『掛詞(かけことば)』による


悪いイメージ(言葉の呪い)にもよる。


『ひとさし』は、書き方によって"人差し"とも


"ひと刺し"とも書ける。


つまり、"人を指差す"という行為に、


『相手を殺傷する』という意志がこもるという


コトダマ(言霊)が生まれるためだ。


そのため中世日本でうかつに人を指すと、


その瞬間に切りかかられても仕方のない行為となる。


それゆえマナーでは『人差し指で指していない』


として、相手を指し示す時は


『5本の指全てを向ける』ことを教えられる。




なぜか西洋でも似た呪いがある。


とあるゲームで有名となった、『ガンド呪』である。


これも、『人差し指で相手をゆびさす』という行為


が起点となる。



この呪いの目的は、


『カゼにでもなってしまえ!』というもの。



現代だと、『それだけ?』と思うかも知れないが、


この呪い、古いケルトのドルイド(術士)のもの。


当時のカゼは死亡率最上位のれっきとした死病。


ハッキリとした殺意を持つ呪いとなる。





ホントに何でここまで共通してるのかはわからない。






さて、なぜ蛇足を追加したかというと、


よく『歴史逆行モノ』でこんな描写があるため。





"俺(私)は思わず指差した。


「まさか………………織田信長?!」"





この描写、戦国時代では本気でマズイ。




得体の知れない格好の、


『自分の真の名前を知る相手』が『指差した』。



これは、当時の常識からすると、


『一般人を装っていたプロの殺し屋(陰陽師)が


マシンガン(呪)を持って突然襲いかかってきた。』


のと同じ状況。





本人や護衛からすると、


『一秒でも早く殺さないと自分達が死ぬ』という


超ド級の緊急事態。





戦国時代でコレをやると、登場と同時に主人公が


退場することになります。





なお、『歴史逆行モノ(西洋)』でコレをやると、


『魔女狩り』に捕まってドギツイ拷問の末に


火炙り……という、即デッドエンド直行となる。


ハッキリ言って日本よりヤバイ。





東洋・西洋を問わず、


逆行した時はお気をつけて。



(ねぇよ)

コレ、大昔に作者が調べた話。


最近のネットでは何故か出てこない。


なんで?




なお、世界標準として


『人を人差し指で指差す』


のは『侮辱される、ケンカを売られる』


と認識されます。


古代でも、現代でも。


ホントに気をつけてください。








マメ知識




『超ド級』



かつて第一次世界大戦のあたり(1906完成)、


イギリスが建造した大型戦艦ドレッドノート。



当時としては世界トップクラスであった。




※あくまで当時としては。


この後、戦艦『大和』その他にアッサリ抜かれる。





そのため、ドレッドノート級、


これを日本人が省略して『弩級』という言葉が


生まれ、(弩はドレッドノートの"ド")


この言葉からさらに『超弩級』という


言葉が生まれた。




これが由来となる。




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