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鵬、天を駈る  作者: 吉野
7章、『○○○○○○○○』
201/248

第195話 『正徳寺の会見』、というイベント




ここからが2ページ目ですな。


気が付けば200話越え。



・・・思えば遠くに来たもんだ。








『正徳寺の会見』とは。



ヘビ殿と三郎サマが初めて直接に


顔を合わせた会談といわれている。


極めて印象的な逸話であり、


正直『良く()()()()()フィクション(創作物語)


とすら云われる話である。


ただし"元ネタ"が『信長(しんちょう)公記』にて


記述が有るらしく、どうやら実話ではあるらしい。



大雑把なあらすじはこうだ。





斎藤道三は織田と同盟していたのだが、


今の織田の当主は有名な『うつけ』の小僧。


"ホントに大丈夫か?"とでも思ったのだろう。


国境の正徳寺にて会談を申し出る。


道三は道中でこっそり信長を見に行ったところ、


そのザマは噂の『うつけ(ヒャッハー)』ファッション。


ただし、供回りの武装は過剰とも言える


ガチ装備であったとか。


『うつけ』相手に真面(まとも)な格好をする必要もないと


軽装(略装)で待ち受ける道三の前に現れたのは


カッチカチのフル礼装で現れた信長。


完全に"してやられた"形の道三である。


会見後、"やっぱアイツ、バカじゃね?"


と言う部下に対して、


"残念だが子孫がそのバカに従う事になりそうだ"


と苦々しく言ったという逸話である。


(思いっきり意訳マシマシ)





イロイロと突っ込みドコロ満載のこの逸話だが、


最大の問題は発生した時期。


1553()年、4月下旬。



………一年以上、大幅に繰り上がってるぞ?








まあ、会見の理由はわかる。


史実とは正反対。


『うつけ』と聞いていた噂のバカ婿(ムコ)どのが、


実際には異常なまでに優秀すぎるからである。



伊勢国を一年半前後で完全制圧。


尾張に"李部"制度を敷き、絶大な発展を促す。



この功績は、今の世においては


ハッキリ言って別次元の代物である。


軍記モノの記述で、思わず『(ウソ)(クセ)ェな……』


と思うような現実感が全く無い内容なのだ。


……まあ、実際には確かに自力ではないが。




いくら同盟相手とはいっても、


隣へ突然に『信玄と謙信を()()()』様な


バケモノが現れれば誰だって警戒する。


会って確かめようとするのも、仕方ない話だ。


仕方の無い事ではあるのだが………




―――まあ、いい。


とりあえずは情報が足りない。


最優先は情報収集だな。


ヘビ殿まわりの情報を無作為・無差別に


手当たり次第に調べさせよう。


巨大ビッグデータでも集めないと


向こうの意図が全然読めないからな。



相手は戦国有数の"謀略系ネームド(名前付き)"。


慎重に慎重を期しても足りないくらいだ。


ココは臆病なまでに進めるべきだろう。



今はまだ会見打診の段階だからな。


双方のスケジュール設定はこれからであり、


時間的な余裕はまだまだある。




油断も予断もならんが、何とかしてみるか。







……………さて?



一先(ひとま)ず、やるべき事は。




―――――那古野へ伝令を。



『第四種非常事態宣言』を発令させます。


首脳部に周知させた上で各地の武家たちにも


残らず即座に通達を行うように。


同時に"対策本部"も立てますのでそのつもりで。



一度、領内の間諜(かんちょう)を根絶させて、


他国の情報網を破壊し尽くして下さい。


火急、(すみ)やかに。



後の対応は"対策本部"の方で行いますので。






――――尾張商権所属、各地の商人達へも伝令を。



『乙型情報要請』を発布します。


各地の商人たちには、その身に危険が迫らぬ程度の


積極的な情報収集を依頼。


特に美濃近隣では重点的に収集して欲しいとの


お触れをお願いします。



どんな些細なモノでも構いません。


商人(アキンド)の勘に少しでも引っ掛かるモノは全て、


何であろうと歓迎するとお伝えください。


広く、浅くでも構いません。



重要度に応じた額で買取りますので。






――――現在、手が空いている忍びの全てに通達。



緊急依頼として美濃への派遣を頼みます。


特に工作などは要りません。


徹頭徹尾に情報収集のみを行ってください。


そして忍の経験上、特異と思える情報については


必ず持ち帰る様に。



決して無理をする必要は有りません。


相手に不自然を感じさせる事の方が、


逆に美濃を刺激しかねませんからね。


意図せぬ暴発の方が怖いのですよ。



必ず自然に振る舞い、必ず全員で生還しなさい。


ここは命の張り所ではありません。


静やかに、密やかに。



断じて無駄死になぞしないように。







…………それと、李部へも警備依頼を(わず)かながら


増加させておいてください。



事が起こってからでは遅いですから。


たとえ過剰な心配でも、しないよりはマシです。


民に不安が出ない程度には厳重な警備を


頼むようにしておいて下さい。



今は街中を緊張させてはなりません。


折角に造り得た安寧の街を、


我等自身の手で傷つけることはなりません。


冷静に、沈着に。



せめて少なくとも今は、安穏な生活を。







村田各店に対しては訓示を。



これより擬似的な臨戦態勢に入ります。


実際の戦ではありませんが、


実際に戦の起こりうる情勢です。



村田は状況が許す限りに商いを続けます。


可能な限り、織田側の緊張を悟られぬように。


そして各人、絶対に油断だけはしないように。


特に美濃へ進出している者達には


決して深入りしない様、引き際を誤らぬ様にと。




あなた達が今の立場に就くまでには、


多くの者達の尽力が大きく消費されています。


己の命を軽んじる事は許しません。


無駄に(うしな)う事は断じて(ゆる)しません。


大胆に、かつ慎重に。



――――必ず生きて帰るように。









…………正直な話、ですね。



コレによって確実に()()が動きます。


ソレが何かは解りませんが、


どのみち気を抜けない事には変わりません。



何が起きても不思議では無い以上、


何が起きても良い覚悟をしておくように。








―――――――ふう、まったく。


折角に伊勢の一件が終わったというのに、


すぐにでもこんな有り様かね。


流石は隙を見せれば喰われる乱世の世か。




…………本当に、やってられないねぇ。








ぶっちゃけ斎藤道三という人物は、


毛利元就・武田信玄・宇喜田直家らに匹敵する


激ヤバ武将の一人です。


秀貞の反応は決して過剰反応ではありません。


むしろやらないと喰われます。




逆にヘビ殿の反応もある意味で当然。


同盟当初の関係は、美濃一国に対して尾張半国。


明らかに道三の方が格上の関係でした。


しかし今では、美濃一国に対して尾張・伊勢二国。


完全に立場が逆転しています。


そういった観点から見れば、


ヘビ殿の行動もわからなくない話ですが?



さてはて、真相や如何(いか)に。


・・・この先、どうなることやら?





マメ知識




『信長公記』




ノッブさまの家臣、太田牛一が書いた話。


元は大和守家の傀儡の、斯波義統の家臣らしい。


弓術がかなり(ウマ)い事でも有名。


このヒト、病的なまでのメモ魔だったらしく


あちこちでメモばかり残していたらしい。


後年にソレをまとめて執筆したそうな。


信長の幼少期から本能寺の変までの期間を


描いたとされる作品である。



本人曰く、


"捏造(ねつぞう)は一切無い。有ったら天罰で殺されてもいい"


と超強気の発言をしていた模様。


そんなワケで織田信長に対する超一級資料として


現代まで扱われている。



本能寺の変以外の全ての記述が、


最後で"めでたし、めでたし"で終わるという


とぼけた作風が特徴である。






『"正徳寺の会見"の突っ込みドコロ』




主に信長が引き連れていた供回り。


約800人の人間に対して、


"長槍500、弓と鉄砲が合わせて500"


・・・人数、()えとるやんけ。


両手持ちでもしたんか?



んで、500のうち、鉄砲が約300。


(最低限に低く見積もっても20億円以上)


・・・ホンマにそんな銭あったんかいな?


水増しが当たり前の当時とは言え、


ちょっとやりすぎ感がチラホラとwww





そしてもうひとつ。


………太田サンさぁ?


アンタ、この頃まだ清須に()るんやろう?


・・・本当(ホンマ)に見たんか?


ソレ、伝聞やないんかぁ?



(清須の斯波(息子)が那古野に逃げるのが1554年)






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