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鵬、天を駈る  作者: 吉野
7章、『○○○○○○○○』
177/248

第172話 1552年、戦略前提(友好勢力編)




続いては友好的な外部組織。


織田弾正忠家に属していない勢力たちです。



織田に友好的な家と(今は)友好的な家です。





………………あ(汗)



コレ、新年発(初)の投稿だ。


予約投稿の途中で気が付きました。





ということで、2022年度の新たな日に。


新年、明けましておめでとう御座います。



ドマイナーで取るに足らぬ拙作ですが、


今年度もどうぞ宜しくお願いいたします。


今まで同様に、


寛容なお心でお付き合い下さいませ。









今度は友好的な外部の勢力を見てみようか。



まずは美濃、斎藤家こと"ヘビ殿"。




最初で何だが、この御仁はこの時代における


"面従腹背"の典型例である。


それは仕方がない。


『下克上』の代表格であるのだから。


弾正忠家と婚姻同盟をしているが、


どうせ裏で何やら動いているのだろうなあと


多くの者から思われている。


それは信秀どのも私も。


――――何なら、本人も。




稲葉山と井ノ口はウチの行う政策に便乗しており、


イロイロと楽して儲けている。



……………まあ、どうせやるとは思っていたから


別に気にならないがね。



"美濃大市"も引き続き盛況なり。


美濃との関係は"今は"問題はない。



ただし油断と隙を見せれば、


すぐにでも何かやらかしてくるだろうから


目は離せない。



それでももう用済みと婚姻同盟を簡単に破棄する


どこぞの甲斐のクソ外道や、


隙有らば即座に毒殺や暗殺・謀殺をかます


どこぞの備前のクソ外道よりは(はる)かにマシだが?






志摩の九鬼家。



史実に()いては北畠の意向によって、


近隣から()り潰され志摩の支配権を喪った。



しかし今は全くの逆。


南方貿易チームの一員であるために、


資金力は志摩国人の中でも圧倒的に群を抜く。


その銭の力をもって見事、志摩を制圧してみせた。



そして先の"大河内の戦"での、


対北畠包囲への協力の礼として


神宮の玄関口である"大湊"を譲られる。



史実への意趣返しもここに極まれり、か?


今世では関係はないが。




九鬼水軍は今や伊勢湾南部を統べる大勢力だ。


北部を佐治、南部を九鬼が受け持っている。



九鬼には大湊にて大規模に造船を行ってもらい、


こちらの船の依頼にも応えてもらいたい。




しかし問題は現在、大湊の町衆たちが九鬼家を


"海賊上がり風情(ふぜい)"と随分とナメていることだ。


こういう侮りは単純な暴力では片付かない。


こちらへも『お願い』が来ているので、


連中については後で少し()()()おくとしよう。



後は佐治と揉めないように、利権調整が必要か。


内輪揉めとかアホウのやる事だが、


(あなが)ち無いとも言えないのがアホ臭い事だ。






伊賀。




伊賀は原始的な合議制による国人連合組織。


彼らが蔑まれながらも傭兵働きを続けていたのは、


どれ程に働けども喰えないため。



例え忍び呼ばわり、下人呼ばわりをされようとも


ゴミの様な安い銭で命を使い捨てにされようも


家族を村を喰わせる為であるならと


屈辱に耐え続けていたからである。




だが、今では様相は一変。


木の根を噛るような極貧の暮らしをしていたのも、


今は昔の事と成り果てた。



まず最初に伊賀全域に対して灌漑工事が行われ、


同時に各地に向かう街道の拡張も成された。


伊賀でひっそりと行われていた焼物にも、


投資の手が入っている。



産物と物理経路の大幅な拡充により


各地から訪れる商人たちの到来も増え、


商業地としても宿場町としても需要が生まれる。


伊賀には国外では例外的に李部が置かれており


近隣から噂を聞き付けた働き手もやって来る。



まさに繁栄の、"正"のスパイラルと言えようか。


これまでは伊賀国内の全体人口ですら


1万人も居なかったのに、


今では5万以上。


食糧はいまだ尾張依存とはいえ、大発展である。


伊賀で生育中のお茶も、約3年後の


1555年辺りで収穫が出来る目処が立っている。


コレが流通できれば伊賀は更に大きくなる。



伊賀には大いに発展してほしい。


経済的においても政治的においても、


畿内への中継地点として重要なトコロ。


共に発展出来てゆけば望ましいことである。



伊賀にそろそろ浮上する問題点としては。


国として豊かになって来ているから、


畿内から干渉が始まること。


三好からの"協力要請"と幕府からの"命令"、


おそらくソレが同時にやって来る。


どちらにせよ、傍迷惑(はためいわく)な事。




とはいえ、コレを断る"建前"は在る。


もう一つの伊賀の問題点である、"甲賀の(ひが)み"。



ほぼ同じ様な境遇であった伊賀と甲賀だが、


約2年で大きく貧富の差が生まれる。


隣り合った甲賀はこの伊賀との格差に対して


嫉妬と言う名の強い"負の念"を持ったらしく、


最近では甲賀との小競り合いが始まっている。



この小競り合いを名目として、


『生憎だが、甲賀への警戒のため動けない』


との言い訳が効く。



軍事的には逃げることが出来るワケだ。


だが、畿内からの"(タカ)り"が来るだろう。



ホント、面倒だな。






紀州の雑賀。




佐治・九鬼と同じく南方貿易のメンバー。


そのため、紀州でも突き抜けた財力を持つ。



伊賀と同様に傭兵をしている雑賀だが、


財の獲得でそもそも傭兵をする必要が無くなった。


よって半ば以上に大名化している。


雑賀が傭兵になった経緯は


『領地が小さすぎること』と、


『近隣諸国が巨大すぎること』。


近くに"三好"やら"細川"やら"根来寺"やら


"畠山"やらなどがゴロゴロしているのである。


これでは領土拡張のしようがない。



戦闘傭兵として銭稼ぎをするしか無かったのだ。




さて、雑賀についての今後だが。


極めて慎重かつ繊細に動かねばならない。


ここからは近隣の三勢力の干渉が始まる。




まずはひとつ。



銭を目当てに、『細川』と『足利』が動く。


様々なお綺麗(キレイ)な名分を付けるだろうが、


要は、"強請(ゆすり)・集り"の類だ。


これは絶対に来る。


それも上から目線で、勿体(もったい)()った命令を以て。




ふたつ。



同時に紀州の『畠山』から参戦の要請か命令。


"余裕が有るんなら、手ェ貸せや?"とな。




そしてみっつ。



『三好』からの寝返り依頼。


どちらかと言うと畠山に近い雑賀。


その一党が勢力として戦力として侮れない以上、


これも必ずやって来る。





勢力の相関は、


『足利』を頭として下に『畠山。』


それにオマケで『細川』が付いてくる。



これらと『三好』が敵対しているワケだ。




つまり何らかの"選択"を行ってしまえば、


どちらかが必ず敵対してしまう。


小領しか持たぬ雑賀では、


どちらが敵対しても勝てないどころか持たない。


このままでは、詰みである。



……………そう、()()()()()()





こちらからの戦略提案。


近くの"根来(ねごろ)寺"や"粉河(こなかわ)寺"、そして高野山。




この三つの勢力の下に潜り込め。



根来寺は70万石クラスの巨大組織。


粉河寺もそれに準ずるだけの寺である。


高名な高野山、金剛峰寺(こんごうぶじ)は云わずもがな。


この三つの寺は、


本願寺でさえも脅威に感じるほどの特大勢力だ。


コレらの下に(モグ)り込んで息を(ひそ)める策である。




雑賀は銭と水運能力がある。


彼らの生活消耗品などの仕入れを受け持って、


その生活の一部に同化させる。


他の勢力が雑賀を迂闊(うかつ)に切り離そうとすると、


三つの寺からクレームが飛んでくる。



そういった体制を造り上げる。



もちろん既存の流通に割り込みをするからには


ある程度は経費の値下げが必要となるが、


これは"必要な出血"として目を(つぶ)ってもらう。



下手に大勢力と当たるよりも少ない出血だからだ。




原則として、コレで時をかせぐ。


かせぐしかない。



理由はこの在り方が磐石(ばんじゃく)では無いため。





――――何故か?


この三勢力は宗教勢力。


しかも本質的な所で潜在的な敵対をしている。




コイツら、どう頑張っても仲間割れを起こして


いつか最終的にはケンカを始めるのだ。




………で、弱ったところで各個撃破の対象となる。


その前にサッサと逃げておけ、と言うこと。



(かじ)取りが極めて難しいが、


その辺を上手く切り抜けてくれると良いが。






土佐の長曽我部。




距離が離れているため、情報が少ないが。



今のところは一条家の傘の下で、


上手く立ち回っているようだ。



周りの小国人どもの攻撃も撃退・逆襲も


なかなか順調である様子。


とりあえずは大丈夫か。






薩摩の島津。




ここもあまり情報が無いが。



大きな銭で腹一杯のメシが喰える様になって、


どうも極限生活からの狂気のハングリー精神が


やや衰えてしまっているようだが?


代わりに資金力からの波状攻撃という、


新たなスキルを覚えたようである。



こちらもほどほどに順調。


『大友家』というドデカイ壁にブチ当たるまでは


ひとまずは大丈夫であろうよ。







朝廷。




……………ここに混ぜていいかどうかは別として。


一応、友好勢力ではある。



これまでは大変な不遇のもとに在ったが。


近年は山科さま経由の献金で、


とりあえずは極貧生活からは脱した模様。



真っ当に宮中の行事や儀式も出来るようになり、


とても喜んでおられるようであるのは何よりだ。



来年度からは"神宮利権"と"図書利権"、


この二つの情報が都に届くだろう。


どんな形であれ、動きが起こる。



イロイロな面で、朝廷も目が離せない。







最後に、三河の松平家。




今川家をパニックに叩き込んだせいで、


扱いがフリーになった松平家。


ついでに弾正忠家が嫡男の竹千代の返還と共に


高額の資金援助を行っているために、


その行いは東に向けてまさにフリーダム。



去年から援助を3000貫から5000貫に増やしたため、


行動が更にファンキーな事になっている。



高額の援助元の弾正忠家の事は、


打出の小槌か何かと勘違いしてそうだが?





――――解っていないのだろうな。


()()()()()()()()()()で今川に向けた


『生きた楯』扱いをされていることを。


その程度で今川を押さえられるのならば、


まあ安いものである。


まあ、(やす)い者である。








今回の"不憫(フビン)枠"は松平家。


扱いが明らかに別物。


……どうしてこうなった。



逆に一番に注視されているのが雑賀衆たち。


現在、雑賀衆は最も危険な状態にあります。


北に三好、東に根来寺そして南に畠山。


今後は必ず干渉があります。


何だその罰ゲーム。



かなりの綱渡りモードです。






マメ知識




『甲斐のクソ外道』




武田家の"やらかし"は信濃の諏訪(すわ)家に対する所業(しょぎょう)


諏訪家は"諏訪大社"に仕える大祝(おおほうり)です。


武田家と諏訪家は武田 信虎が1535年に同盟を、


つまり信玄こと晴信のオヤジの頃からの同盟関係。


途中でこれは婚姻同盟に変わっており、


その関係はより強くなる。



……が、晴信が信虎を追い出すと同時期に


1542年に即座に同盟を破棄。


宣告も何もないほとんど(ダマ)し討ちに近い形で奇襲。


一気に滅ぼした。



いくら修羅の時代と言われる戦国時代と言っても、


婚姻同盟を何の確執やトラブルが無い状態から


一方的に破棄して更に攻撃を仕掛けるというのは


人間性を疑われるレベルの非常識な行為。


(婚姻同盟は同盟カテゴリーにおける最高位)


戦国時代であっても一寸(ちょっと)、有り得ない行為である。





※当時は隣人への信用性が薄れているからこそ、


道義や信義・正義などには過剰に(こだわ)った。





よって、武田 晴信は信濃の国人からの信用性が


完全な"0"となる。







『備前のクソ外道』




岡山の宇喜多 直家。


もともとは宇喜多の家は暗殺で祖父を喪って


土地を追われた。



そのせいかこのヒト、


のしあがるために本当に手段を選ばない。


近隣の衝突した連中を毒殺・暗殺・襲撃と


"不当な手段"で手当たり次第に殺しまくった。


そんな筋金入りの鬼畜外道。



そのために、本気でヒトとしての信頼性を失う。


正直、周りの人間は近づきたくない程だったとか。


………直家自身の家臣ですらも、である。






『根来寺と粉河寺と高野山』




高野山は知っての通り、真言宗。


根来寺も真言宗ではあるのだが、


根来の建立はそもそも高野山との派閥闘争による。


根来寺と高野山にはその根源に因縁があるため、


かなり大きな火種が存在する。


粉河寺に至っては、"粉河観音宗"という別宗派。


(もとは天台宗の一派)


存在そのものが火種になりかねない。



コイツらは水利権でたびたび大喧嘩をしているし。


よって、この三つはいつか必ず再びぶつかる。


特に策謀を受けると即座にぶつかりかねない。




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