第169話 1552年、戦略前提(尾張三"都市"編)
投稿を間違えて、先にこちらをミスって投入。
仕方がないので、本日はまさかのダブル投稿です。
と、いうことで。
二つ、まとめてお読みください。
…………あちゃー。
現行における戦略分析といこうか。
まずは弾正忠家の国内における政務状況から。
最初に主要となる三つの街、
既に"都市"と呼べる程になった
那古野・熱田・津島について。
那古野城下町は"李部"の本部があるために
尾張最大の巨大都市と化した。
現在、都市人口は何と15万。
一時は19人万近くにまで膨らんだが、
熱田と津島の人口が減りはじめたために
人口分散政策を行ってここまで減らしている。
とはいえ、15万は破格の人数。
当時の京都ですら10万から15万程度と
言われているから日本でも上位クラスとなる。
その割合は13万までが労働人口。
"李部"を頼りに集まった地方からの流入組である。
武家や商家は2万にも満たない。
当時の労働は製造から輸送、販売に至るまで
全てが人力であるため仕方の無い話ではある。
内訳は元牢人組が4万と地方移住組が9万。
これに農閑期限定の出稼ぎ組が6万と、
土地に定着しない流浪の牢人が1万前後。
出稼ぎ組を加えると一時的に20万に、
流浪牢人を加えると21万にもなる。
移住組らは概ね長屋暮らしである。
竈と厠は外に共用、風呂は格安の銭湯になる。
見廻りという"準警察機構"を設けたために
都市内の治安は戦国時代としては
かなり高めに維持されている。
安全と稼ぎを保証出来るが故のこの人口だ。
那古野の李部は尾張全域の公共事業、
治水・築城・街道の整備など多岐に普請を行う。
李部に集まる仕事量も非常に多いため、
常に働き手が多数居る。
屋台やメシ屋の働き手の募集もここから。
尾張最大の大都市はその消費量も凄まじく、
那古野は『尾張一の稼ぎ処』となっている。
続いて熱田に約8万、津島に約6万の人口。
一時的に働き手が那古野に取られてしまい
人口がかなり減少してしまったが、
それぞれに"李部"の支部を置くことで解消した。
那古野で依頼を受け取った後になって
改めて依頼先の熱田・津島に移動するいう
無駄なタイムロスを軽減するためでもある。
熱田には元牢人組が2万程に、移住組が5万強。
商家等が1万人前後。
出稼ぎ組が季節限定で約3万ほどやって来る。
古来より"神剣"の奉じられた神宮の門前町であり、
元々人口が多かったが最近は更に大きく増えた。
巨大消費地である那古野のための流通港であり
物品輸送と港湾部の追加拡張作業のため、
津島よりも労働人口が多い。
ここの李部は熱田の都市・港湾の整備と
荷揚げされた物品の輸送が主となる。
最近では"例のシステム"により、
津島↔️那古野↔️熱田の街道拡張事業も始まる。
津島は元牢人組が3万強に、移住組が2万程度。
商家等が7000人前後。
出稼ぎ組が約2万前後となる。
熱田と同じく流通港であるのだが、
やっかいな仮想敵である願証寺が在るために
安全性においてやや劣る。
そのため少し牢人が多めとなっており
移住組・出稼ぎ組が少なめである。
海津新城が出来て多少は改善されたが。
津島李部では物品輸送と海津新城の交代要員、
そして街道事業に人が回されている。
出稼ぎ組と地方移住組は純粋な労働者として。
一部が商人として時折ランクアップする。
牢人組は約3割が李部傭兵にスカウトされ、
約5割がそのまま傭兵足軽に。
残る2割は定住して安定し、移住組へと流れ込む。
傭兵組は平時は労働者としても活躍している。
力自慢のなくてはならない働き手だ。
三都市は"李部"により更なる発展を成し、
尾張近隣の商業を牽引する立場となっている。
3都市を見ての今後の改善点。
"人口の過剰な密集"。
尾張三都市だけで29万もの超人口が
集中している。
移住者組が多すぎるのだ。
ここから分析できることは、過疎化の恐れ。
地方領地において田畑からの離農や離散が
発生している可能性である。
膨大な農地として有望な尾張の平野において
離農が起こるのは重大な問題である。
只でさえこの時代は深刻な食糧難なのだから。
コレは商業投資に極振りした悪影響であろう。
コレを軽減させるためには、
来年度は農地の開墾や水路への大幅な投資を
行わなければならない。
余剰な農地が出来ればソレを目当てに帰農も進む。
李部への田植え・刈り取りなどへの依頼費用の
8割前後に対し行政側から補填の銭を出せば、
農村部もまた活気を得て発展するだろう。
……………凡そ3万貫から4万貫の追加予算か。
まあ、止むを得ないだろう。
発展を此所で止めてはならない。
止めさせはしない。
必要な出血だ。
村田から多く出資するようにすれば、
そこまで文句も出ないだろう。
商人連中も釣られて銭を出すだろうしな。
………………………………ふむ?
他勢力の領地からの超大規模な大量離散の可能性?
村が二つ三つは軽く消滅するほどの?
―――――知らんな。
余所は余所、ウチはウチ。
余所の事情までは知ったことではない。
恨むのなら無能な、アホウな己の主君を恨め。
そして自身の無策をな。
那古野・熱田・津島。
既に日本国内でも有数の巨大都市となっています。
堺ですら10万人前後と言われてますし、
これは国内商業都市としては最大規模といえます。
いつの間にか、エラい事に。
ハッキリ言って人口過密状態であり、
領内の過疎化が心配されるような状況。
国内整備事業としては、良くはないです。
だからこそ、対策は必要ですね。
※なお、メタ情報としましては。
尾張……微小な過疎状態。一部を除き問題ナシ。
伊勢……以前は強い過疎化。現在は復活している。
西三河……やや過疎だが、そこまでは酷くはない。
伊賀……むしろ人口が増加中。
つまり深刻に過疎っているのはヨソの領地です。
対策を打てば打つほどにヨソの過疎化が進みます。
どこが削られているかは、各自でご想像ください。
マメ知識
『竈と厠、風呂は格安銭湯』
竈はキッチン、厠はトイレのこと。
特に木造の家で竈は火事の主要な原因となるため、
1ヵ所に十数個をまとめて置いています。
江戸の大火、の様な事はゴメンですから。
厠が共用なのは"汲み取り"がしやすいから。
また、トイレなどの水回りを家に接続すると、
家屋の木造部分における劣化が早くなる。
前にも言いましたが回収事業者が有ります。
銭湯が格安なのは行政サービスの一環。
行政側からの支援が入っています。
不潔にされて伝染病コンボ、の方が余程に怖い。
まあ客が恐ろしく多いので、
支援ナシでもソコソコの利益になるのですが。
(つまり村田系列)




