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鵬、天を駈る  作者: 吉野
6章、『○○○○○』
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第126話 柴田さまと、独断専行される面子




戦国時代といえども軍略ばかりではなし。


内務もまた必要です。








続いては内務関係ですね。



順次に説明しますので、


疑問点があるならどうぞ。





まずは町の設定です。


安濃の津には、大規模な(みなと)を築きます。




今現在も行っていますが、今ある湊を拡大中です。


潮が引く度に普請を行い、


岸の底を大きく深く掘り下げています。






―――――何のために、ですか?


将来のためにです。



近隣で使われる船は、どれも船底が浅いですが


何れは南洋交易で使われている大型船も


寄港させる予定です。



更には噂で聞く南蛮船。


これは極めて船底が深いそうです。




やがてはこの南蛮船も直に寄港する事も


計画をしています。



その将来のため、湊は大きく掘り下げます。


西方の博多・神戸・堺に匹敵、


それどころか上回る巨大湊とする予定です。




これは願証寺の紐付きである桑名の湊への


嫌がらせの意味合いがあります。



港湾の運用能力を高め、桑名の役割の一部を


横取りするわけですね。



これはまだまだ先の話ですが。




……………嫌がらせをするのは必然ですよ?


一向衆には、『加賀の前科』が有ります。



警戒をせざるを得ないのです。


あちらの自業自得ですね。






流通の要となり得る湊であるために、


その海辺には倉が立ち並ぶ事になります。


そして大型商業の町ともなりますので、


城下町も相当大型のモノとなります。




伊勢の国の民、


その半数近くが集う町になれば良いですね。






また、尾張のモノに比べ規模が小さくなりますが


北伊勢にも既に李部を設置しています。




現在の大規模な普請がこれを利用しています。


ここの民も、尾張の李部で施設の利用には


慣れていますので案外に順調ですよ。



まだ多くの商人が集まってはいないために


彼らからの依頼は少ないですが、


その分はメシ屋や長屋の賃料から回収してますので


そこまでの赤字では有りませんね。




―――――商人が集まって居ないために、


彼らの扱いを独占しているとも言いますが。







安濃川については川底の浚渫(しゅんせつ)を行い


こちら側の川岸への防備土塁として用います。


洪水にも戦にも対策となりますしね。



北畠のスキを見ては、


短期で何度も行おうとは思っています。



町には治水が絶対不可欠ですから。


洪水なんて真平(まっぴら)ゴメンです。







先にも言いましたが、数ヶ月かけて北伊勢に


超大規模な全域調査をかけます。



しばらくはこの大型調査に内務担当者が


付きっきりとなりますのでご注意下さい。



内務の負担がそちらにも向くかも知れませんね。




それについては


未来の演習として各自に頑張ってください。



知ったことではありません。


助け合いで乗りきってくださいな?






長期に渡って、調査により北伊勢の開発は


停滞することになります。



適当な内務処置で、


民たちの不満を解消させる必要も有りますかと。



村々へ、行商の派遣や祭りへの出資などで


多少の満足を与えたいとは思いますね。







人員や物資・資材については、


落ち着くまでは熱田と津島の物を使う予定です。



大型交易船を一隻、輸送用に確保しているため


それを往復させる事で


北伊勢の需要に応える事となります。



志摩の九鬼家からの木材の買い取りもします。


九鬼は共に交易を行う家ですので、


今は急激な発展をしているのですよ。




同様に雑賀経由で四国や畿内の資材も


購入する様になるでしょうね。



安い資材を探している所です。


そうは言っても安かろう悪かろうでは困りますが。



ある程度は九鬼・雑賀に任せています。


そこまでは不足で困らないかと。






―――――はい?



商いや内務については、ずいぶんと準備が早い?




それはそうでしょう?


北伊勢の制圧計画は()()()()()()


提言・発案されたモノですよ?



最初から町の構造計画を準備しているに


決まっているではないですか。




一年近くあれば人員の抽出も資材の確保も


一定数の予約は出来ますよ?



周辺への依頼や根回しもね。





この条件では、出来ない方がおかしい。


当たり前ではないですか。








秀貞の坊のターン。


その勢いは流れる水の如し。



一気にツラツラと話されます。





明らかに柴田さまの知らない情報とか、


普通に混ざってますね?






マメ知識




『安濃津』




現代と江戸時代のマルチミックス仕様となる予定。


ナチュラルに大型都市として設計しています。



藤堂さんがする仕事の先取り・横取りです。





『加賀の前科』




一向一揆の事。


加賀で大規模な政治的破壊をしているため、


この頃の一向衆は根本的に信用されていない。




というか当時の寺社はあまり信用出来ない。


武家よりも思考が悪質だったりする。





『浚渫』




川底の土砂を削り取って、川を深くする工事。


川というものは上流から常に土砂が流れてくるため


放っておくとすぐに川底が浅くなる。



そのために定期的に浚渫を行って深くしないとダメ。


治水工事の重要な一つである。




なお、これで"川砂(かわずな)"が取れる。


今はあまり意味はないが。





『九鬼と雑賀からの商品』




伊勢・志摩・紀州・四国は木材の産地。


"長宗我部"からも木材が買える。



というか長宗我部はしばらく前から木材の得意先。


尾張では大開発の最中ですから。



そのために植林の概念も提供している。



木の()りすぎはハゲ山の始まりです。


ご注意下さい。




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