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プロローグ 宵闇の少女

 街外れにある寂れた洋館。

 そこはまるで幽霊屋敷のように暗く、中は蝋燭の火の明かりしか無かった。


 そんな不気味な館の一室で銀髪の少女が一人食事を摂っていた。その後ろには燕尾服に身を包んだ、若い男が佇んでいる。


 少女は黙々と食事をし、メインディッシュであろうステーキにナイフを入れようとした。


 すると後ろに佇んでいた男が、少女に対し口を開く



「陛下、奴らが動き出したと言う情報が入りました。如何致しましょう?」


「…………はぁ、そんな話食事中にしなくていいでしょう。」



 陛下と呼ばれた少女は不機嫌そうに呟き、カチャリ、と音を立てて手にしていたナイフとフォークを置く。



「申し訳ありません陛下。」


「ふん、まぁ良いわ。」



 少女は不機嫌そうなままそう言うと、口元を拭いながら後ろを向き、スッと目を細める。



「今はまだ放って置きなさい。また動きがあるまでは泳がせる。一々反応するなんて面倒よ。」


「かしこまりました。」


「でも、そうね。」


「………?」


「少し嫌がらせでもしようかしら。」


「と、言いますと?」


「少し、奴らの首領に圧力を掛けましょう。枕元に我々の意匠が施された短剣でも刺しておきましょう。」



 クスリ、と少女が微笑むと、男は困ったように顔を歪める。



「陛下お言葉ですが、奴らは睡眠をとりません。いえ、正確には決まった寝床で睡眠をとりません。」



 男の進言に今度は少女が顔を歪める。


 男と違い、嫌そうに、だが。



「分かってるわよそんな事。とにかく、適当に命の危険でも感じさせなさい。」


「かしこまりました。」



 そう言うと男は音もなく後ろに下がり闇に溶けるように消えた。

 その様子を視界の端でとらえながら少女はまたもや溜息まじりに呟く



「全く、面倒な奴らね。時を超えてなお我等に噛みつこうとする。」


 その呟きはただの少女が発する声とは思えない程威厳に満ちていた。


「夜を統べる者として、警戒はしておくに越したことはないわね」



 そして遠くを睨むように目を細めると再び食事へ戻った。



















 時を同じくして、とある路地裏で黒い影が生まれていた。


 その形は徐々に変わり、人形をとる。


 しかしその姿は決して人間では無く。


 人の形をとった異形の怪物、そんな風貌であった。



 その影はゆっくりと自身の姿を見ると、何かを求めるようゆらり、ゆらりと夜の闇に消えていくのだった。


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