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第200話 少女達の物語、そしてその始まり

とても重苦しい物語になる予定です。

2022年 10月29日 現地標準時

午後10時47分

フィリピン ネグロス島

____________________

「おい!あっちに逃げたぞ!」


「逃がすな!追え!」


後ろから怒号がする。人が草原を駆けて行く。


少女は裸足のままひたすらに走っていた。時折後ろを振り返り、その度に絶望しながら。


少女には下着同然の薄い服しか着ていなかった。裾が長く膝まで隠せるような白い服。まるで奴隷のような出で立ち。


少女は泣きそうだった。草原のぬかるみにハマりながら迫りくる人達の恐怖で。


少女は思いっきり転んだ。見ると足は既にボロボロで傷だらけだった。


「い、嫌…」


少女は囁いた。すぐそこまで彼らは迫ってきていた。


「…ボスからの命令だ。商品価値は既にないんだと」


「なあ、それだったら俺が…いいだろ?」


「よーし、だったら皆で分けようぜ…お嬢ちゃんそんなに怖がらなくていいんだぜ。俺達がすぐに楽にしてやるからよ」


三人の男は口それぞれに話をしだす。どれも30代くらいの男、一人はこちらを飢えた肉食動物のように見つめ、もう一人は愉快そうにニヤニヤと口を歪める。そしてもう一人は感情の起伏などないような残酷な闇に溢れていた。


「あ…あ…ぅぅ」


少女は啜り泣いた。だが大声を上げる事はできなかった。


「やだ…やだ…お母さんお父さん…助けて…」


少女は彼らに掴まれた腕を無理やり離した。その際、肉食動物のような男の腕を思いっきり引っ掻いてしまった。


「痛え!何しやがるてめえ!」


「待て!お前!」


少女は再び走り出そうとした。しかしそれは叶わなかった。


草原に一発の銃声が鳴り響いたからだ。撃ったのは先程から何も言わなかった闇に包まれた男。


男はサッと銃をしまい前を走り行こうとした二人に目を合わせる。


「…ボスからの命令だと言ったはずだ。馬鹿共が」


「クッソ!痛てぇ!…てか撃ったのか?あのガキ死んじまったのか!?」


「あ〜あ、だからと言って撃たなくてもなあ。それに俺はあんたも俺達同様楽しませようとしたんだぜ」


「くだらん事を言うな。さっさと行くぞ」


彼らは来た道を戻って行く。胸を撃ち抜かれた少女を残して。

____________________

2022年 10月31日 日本標準時

午後7時5分

日本 東京都 渋谷神宮前 原宿


「人、やっぱ少ないな」


「いいじゃん、私達が自由に歩き回れるし」


大須裕太と鵜居崎葵はハロウィン期間の原宿に来ていた。


「…人がいる場所は苦手だから早めに頼む」


「分かった!」


彼女は元気そうに頷くとパパッと先走って行く。俺はその様子を遠目に見ながらもほのかな幸せを感じつつあった。


(これが日常ってやつなのか?俺がもし高校に行ってたらこんな風になってたのか?)


彼はイメージとかけ離れた自分の学生生活を思い浮かべ、前に歩こうと…


「…?」


だが先走っていた彼女ことアオイが足を止め、何かに気を取られていることに引っかかった。


「…アオイ?」


声をかけても返事がない。よく見ると震えているように見える。


「どうした?大丈夫…か……」


俺はさらに近寄り、顔を覗き込むようにして話しかけた。その彼女の顔は生気がないかのように蒼白していた。


「あ…あれ…あれ…なんで…なんで…いる…」


彼女はそう言うとヘタリとそのまま座り込む。周りにいる人間が何事かとざわめき始める。


「どうしたんだ?何だ…?あれって何だ?」


「あの…人…ひぃっ…」


指を差す手は震えていた。彼女は啜り泣くように声を押し殺そうとしていた。


そう言えばこんな状態、前にもあった気が…前というか彼女と一番最初に会った時…


「まさか…」


俺は彼女に「大丈夫だからそこにいろ」と短く速くはっきり呟くと〈あれ〉の指す人物に向かって走り始めた。


そのあれが指す人物であろう彼は迎えの車だろうか。路肩に停めてある黒いセダンに乗ろうとしていた。


俺は全力で人を退かしながら走った。男はセダンに乗り、ドアを閉めた。


「…走るな!まだ!」


俺は車に願ってそう言った。運転手よまだ走らないでくれ、彼女がああなった理由、想像はつくが考えたくなかった理由を求めるため。


セダンは走り出した。その時、男は窓ガラス越しにこちらを見ていた。


その男は白人だった。だがどこかで見たことのあるような出で立ちと整った顔つきをしていた。


その瞬間セダンはどこかへ去って行った。


そろそろ大規模な修正を行います。

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