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大人の童話  作者: 大人の童話
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女児の記憶

私があの場所に連れて行かれたのは、何歳だったかは解らない。

だって私は自分が何歳なのかを知らなかったから。

名前も無く、話すことも無く、とりあえずは食べるものを「運んで」くる男がいたけ

れど、毎日お腹を空かせて、どうしようも無くなった時には暗い空間にいた虫を食べ

ていた。

ある日、男達がやってきて私にこう言った。

「今日から別の場所で暮らすんだ」って。

そして別の男が言った。「これからは毎日お腹いっぱい御飯が食べられるんだ。」

私はそれを聞いて、お腹いっぱい御飯が食べられるのなら、どこに連れていかれても

いいやって思った。

だって、男は2、3日前から御飯を「運んで」くれなくなっていたし、私はお腹が空

いたら寝るしかなかったから。

だから私は男達と一緒に暗い空間を出た。

そして「女児」って呼ばれた。女児の意味はその時は知らなかったんだけれども。

車には初めて乗った。

町も初めて見た。今まで自分が居たところと違って、たくさんの人が居て驚いた。

着いたら、おばさんが居て「はいって言うんだ」って言ったけれど、その意味が解ら

なかった。でも、今までよりマシな空間だったからちょっとだけ笑った気がする。

その後、おばあさんに暖かいお湯で綺麗にしてもらって、新しい着物を着て眠った。


御飯はそれまで見た事が無いもので、嬉しかったのを覚えている。

朝、おばあさんに起こされて、廊下をピカピカにする事を教えてもらった。

廊下をピカピカにしていると、見た事の無い男達がやってきた。

そうしたらおかみさんがニコニコ笑って、廊下の奥の階段から姉さんが1人おりてき

て、男と一緒に階段を登っていった。

その頃は私は何が起こっているのかわからなかったのだけれど。

ちょっとだけかな、時間が過ぎて私は掃除や姉さんたちの用事を済ませる事を少しず

つ思えていった。

その頃には「しゃべる」事が少しは出来る様になっていたけれど、何故だかしゃべら

なかった。

どれくらい経ったんだろう。

私の胸は大きくなって、来たときの着物は小さくなって、気がつくとおばあさんより

背も高くなっていた。


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