ロボット死闘人「石狩の福次郎」第13回
ロボザムライ駆ける第2部
ロボット死闘人「石狩の福次郎」
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yama-kikaku.com/
ロボット死闘人「石狩の福次郎」第13回
第2章レイガン島(5)
「おいおい、お竜殿。いくら私が好きものだと言っても、SMの気はないのだよ」
と、昨晩のことを思い出して、にんまりとしている福次郎に、お竜が電磁ムチをバチッとたたき込む。お竜はいわゆる皮のボンデージ・スーツを着ている。
「おい、話が違う」と、思わず涙を流す福次郎。
「ははん、バカ者め。私が姉の敵のお前さんを、そう簡単に許すと思ったのかえ。おまけにお前の秘密を探るように、ある方から言われているのだ」お竜の顔はギラギラと、復讐の念に燃えたぎっている。
「ど、どう言うことだ」
「ごまかすのが上手なロボットだね、お前さんは。さあ、この島へ来た本当の目的をおいいよ。えっ、黒手組の福次郎さん」
「黒手組だって、何のことだ」
「ええい、しらばっくれるのはおよしよ。もう充分だよ」
再び、電磁ムチが飛ぶ。
「うぐぐ、ぐえっ」
福次郎の体の奥から、電流の流れが通っていた。
「いかん、止めてくれ。体が潰れてしまう。止めてくれ、許してくれ」
「ふん、何ほどにも意気地の無い奴め。こんな奴が本当に黒手組か、信じられぬ」
お竜は何度も、何度も手を振りかざす。
何時間経ったろう。
昨晩の天国から地獄の底まで突き落とされた福次郎。もう、生きているのも不思議なくらいぼろぼろの状態になっている。
そのとき、『ぼたんの家』へ襤褸をまとい、
まともには歩けず、自動・車椅子に乗った老人ロボットが訪れている。
ロボザムライ駆ける第2部
ロボット死闘人「石狩の福次郎」
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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