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ちょっと年上の女の子  作者: らすく
第2章 修行
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終わっていなかったのでした・・・

 「どうも有り難うございました。

 貴方は、今日はじめてこられたんですよね?」

 会計をしてくれたウェイトレスさんは、僕に対して言っているようでした。

 どうやら、本当に彼女は自分とは初対面の様なのでした。

 「この方は、今日このアカデミーに入校したばかりなんですよ。

 ここの寮に入ったので、またこれからお世話になくと思います。」

 その横から刻露さんが、僕のことを補足説明をしてくれました。

 「あ、そうなんですかー。

 それなら是非、明日もいらしてくださいね。」

 ウェイトレスさんはニッコリと笑って、僕に会釈をしていました。

 理屈では分かっているのですが、それでも初対面の人とは思えないのでした。

 「は、はい。」

 そして僕はぎこちなく、軽く頷きながら彼女に返事をしました。

 それでも僕は、心の中でも本当にまた、このレストランに来たいと思っていました。

 料理も、なかなか美味しかったですし・・・。

 そして僕たちは、アカデミーのレストランを後にしました。


 「夏目さん、それでは今度は買い出しにいきましょうか。」

 先ほど言っていたとおり、刻露さんは引き続き、外に僕を案内してくれるようです。

 僕たちは、アカデミーの敷地内を歩いていました。

 夜は流石に、あまり出歩いている人は少なかったです。

 自主的にランニングしているような人も、どうもいないようでした。

 そして今日初めて、僕はアカデミーの敷地の外にでました。

 しかし外に出てみると改めて、このアカデミーの敷地の広さが分かりました。

 (やっぱり余り明るくはないなあ。)

 日本の町中に比べて、この辺りの通りはむやみに灯りはなく、足下は薄暗かったです。

 「慣れないと躓いたりするので、気をつけてくださいね。」

 刻露さんが、僕に気遣いの言葉をかけてくれました。

 ニューヨークとはいえ、ここは郊外です。

 そうゆう意味では、あまり込んだ街並みとは言えないようでした。

 それほど長く歩いた感じはしないのですが、無事にスーパーマーケットにたどり着きました。


 (これがアメリカのスーパーか・・・。)

 刻露さん曰く、ここはアメリカの大手スーパーのチェーン店なんだそうです。

 それにしても、このスーパーの外観はとても広いです。

 そして中に入ってみても、やはり広々としていました。

 「ここは、アカデミー御用達のスーパーなんですよ。」

 刻露さんが、自分の横で独り言のように言いました。

 そう言われてみますと確かに、店内を見回すとスポーツマンらしき人達が多いと思いました。

 彼の言うとおり、おそらくはアカデミーに関係している人が、何人か入店しているのでしょう。

 「ここは、保存食品がたくさんあるから便利なんですよ。」

 棚を見てみると、確かに缶詰やレトルト食品が、数も多いし商品の種類もたくさんあるようでした。

 僕は、非常に有り難いことだと思いました。

 昼食と夕食は、先ほどのアカデミーのレストランで済ませて、後はこのスーパーで購入した食材で間に合わせれば食事の心配はありません。


 「あれ?」

 自分の視界に入った思いがけない事に、僕は思わず声を出しました。

 それは遠目ですが、見かけた顔が認識されたからなのでした。

 なんと今日、刻露さんとの道中で立ち寄ったテニスクラブで、お昼ご飯を食べたレストランのウェイトレスさんが、買い物をしていたのでした。

 彼女はカンカン帽に、上はカーディガンを羽織っていて、チェック柄のスカートを履いていました。

 少々距離は離れていますが、あのソバカス娘は、僕が考えている人で間違いないのではないかと思います。

 (そうか彼女は、この近所の人なんだ。)

 フッと横を見やりましたが、刻露さんは彼女に気がついていない様子でした。

 

 たくさん保存食を買い込んだ僕は、刻露さんとスーパーを後にしました。

 それにしても、刻露さんは本当に気の利く人だと思います。

 彼のおかげで、僕は初日にして、準備万端で夜を迎えることができたのでした。

 「今日は本当に、お世話になりました。

 刻露さん。」

 「いえいえ今後とも、また何か気になる事があれば、何なりとご相談ください。」

 僕と刻露さんは、寮の部屋の前で分かれました。

 自分の部屋の中に入った僕は、ホッとしました。

 (長い一日が終わったなあ・・・。)


 ところが、これで一日は終わっていなかったのでした・・・。


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