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ちょっと年上の女の子  作者: らすく
第2章 修行
93/312

ワクワクしてきたのです

 「おっ!!」

 僕は部屋に入って、ちょっとビックリしました。

 と、言うのも自分がイメージしていたのとは、感じが異なっていたからなのでした。

 (意外と、揃っているんだなあ・・・・。)

 実は部屋の中には、いくらかの家具が置いてあったのでした。

 テレビ・クローゼット・キッチン・冷蔵庫・電子レンジ・トースター・・・etc

 どれもそれなりに使われていた様な感じなのですが、それでも非常に有り難いモノでした。

 (とりあえずテレビでもつけようかな・・・。)

 パチッ

 僕はテーブルの上にあったリモコンを取り、テレビのスイッチを入れました。

 「あっ・・・・。」

 

 そのテレビの画面に映ったのは、どうやらテニスコートでした。

 内容的には、プロ選手へのインタビューの様でした。

 「ここは・・・・・・。」

 僕は気がつきました。

 (そうか・・・・。

 ここであるんだ・・・・!!)

 そうです・・・、それは、このニューヨークで開催されるのです。

 プロテニス最高峰の大会・・・、それは四大大会と呼ばれています。

 その中の一つが、全米オープン・・・・!!

 

 ちなみに全米オープンは、ニューヨーク市郊外のUSTAナショナル・テニス・センターで、毎年8月の最終月曜日から2週間の日程で行われるテニスの国際大会のです。

 観客動員数・賞金総額はテニス競技大会で最高なのです。


 (そうだあ・・・・。

 忘れていたあ・・・・。)

 プロのテニス選手に成りたいにも関わらず、僕はトンと情報には疎いのでした。

 現に僕は、今年まで紅葉さん、や雪乃さんの存在自体を知らなかったのでした。

 テニスが上手く成ることのみに集中して、本当にテニス界の事はまるでダメな自分なのです。

 そんな僕が高校時代に、テニス部の主将を務めてきたのは何故だろう、と思ったりもするのです。

 こんな気の利かない男に、良くみんなついてきてくれたな、とちょっと回想しました。

 

 「先輩、そんなこと無かったですよ。」

  高校時代に、僕の補佐をしてくれた和気香かきかおりが、現れてきました。

 「そんなこと無かった、って?」

 僕は、率直に彼女に問い返しました。

 「だから、みんな夏目先輩の背中を見て、強くなったんですよ。」

 和気香かきかおりは、左手の拳を腰に当てて、右手の人差し指をチョンと上に挙げて、顔を傾けて笑っていました。

 「そ、そうなのかなあ・・・・。」

 「そうなんですよ!!」


 ・・・・・・・・・

 ここでどうやら僕の妄想が、終了しました。

 やはりまだ自分には、故郷の日本に未練があるのでしょうか・・・・。

 (ふう・・・・・。)

 現実に戻った僕は、ほんの少し寂しい気持ちになりました。

 でも・・・・。

 「あっ!!」

 テレビの画面を見て、驚きを意味する声をあげました。

 

 「お、お、折夫さん・・・・・!!」

 そのテレビ番組に、四季折夫選手の顔が出ていました。

 先ほどからの内容は、こんど開催される全米オープンの事についての特集の様でした。

 有力選手の一人として、彼はインタビューされているのでした。

 

 「ということは、折夫さんは僕が渡米するのとほぼ同じ時期に、アメリカに来ていたのか。」

 もっとも、彼は世界でもトップクラスのシングルスの選手だから、当然なのですが・・・。

 (おそらく、雪乃さんも近々に、このニューヨークに来るかも。

 彼女も世界大会に、出場している選手だから・・・。)

 自分がこんなに日本から離れたアメリカに来ても、折夫さんや、雪乃さんみたいなプロ選手はやってきたりする・・・・・。

 つくずくプロテニス選手は、国際的な仕事なんだ、と感じました。

 自分も、こんな世界に入るために、ここにいることを改めて再確認できました。

 これを励みに、僕はくじけずに、これからの修行をこなして行きたい、と思うのです。

 少し自分としては、ワクワクしてきたのです。


 しかし・・・・、それと同時にとても寂しい気持ちになったのでした・・・。

 「紅葉さん・・・。」

 




 

 

 

   

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