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ちょっと年上の女の子  作者: らすく
第一章 旅立ち
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紅葉は凄いのよ

 「ふう・・・・」

 なんだか雪乃さんは、呆れたようにため息をついていた。


 「 こんなんだけど何のかんのいっても、紅葉は凄いのよ。」

 雪乃さんは、今までの空気を変えたい様な感じで、話題を切り出しました。


 「高校時代は、敵なしのナンバーワン選手だったし、プロになって1年目でいくつもの大会で優勝するし、間違いなく世界レベルって言われてるよ。」

 雪乃さんは、意外と紅葉さんを率直に評価していました。


 「まあ、普段はこんな感じなんだけどねー。」

 雪乃さんは、紅葉さんは思い切り持ち上げてから落としました。

 (おいっ)て感じで紅葉さんは、雪乃さんの顔をジロっとみました。

 紅葉さんは、雪乃さんと同い年らしいんですけど、こうゆう時の紅葉さんの表情はなんだか子供っぽいと思います。


 (僕は紅葉さんが、おそらく国内の女子選手で実力ナンバー1ではないかという評価とうけていることは最近いろんなところから情報が入って知りました。いままで、彼女の事をよく知らなかったのは、僕がテニスバカでプロ選手の事をほとんど知らなかったからです。つまり僕はテニスを旨くなる努力のしすぎで、他の人の事には全く無関心な人だったのです。)

 

 (そこで、僕の頭の中に疑問というか、違和感が生まれました。なんでそんな凄いテニス選手が、僕と同じテニススクールのスタッフになっているのでしょうか。雪乃さんとの試合の後で、故障でプロ活動を休止しているのだけど、どこを故障しているのでしょうか。テニススクールで生徒に教えている時も、どこか怪我をしているという感じでもありません。)


 (それともう一点、雑誌とかネット・テニス関係者からきいたお話があります。秋原紅葉は国内のテニス大会では、何度も優勝しているし勝率も優秀です。ところがその反面、海外の大会の優勝経験が一度もなく、大会の出場回数も著しく少なかったのだそうです。何故、秋山紅葉は海外ツアーを避けるのかとうのが、テニス界での謎だったそうです。)


 (それでも、紅葉さんが実力の高いテニス選手であるのは誰もが認める事実です。国内の大会で、有名な外国人選手を何度も破っていたのですから。)


 「はい!はい!巳波くん、お目覚めの時間!」

紅葉さんがパンパンっと手を叩いて、僕を瞑想の状態から現実に引き戻しました。


 「巳波くん、今日の本題に入りましょう!」

紅葉さんが、なにかパンフレット的な資料を取り出しました。表紙からテニス関係であることは、間違いありません。


 「巳波くん、ここのテニスアカデミーでプロを目指しましょう!」

紅葉さんはパンフレットを片手に、表紙のモデルと同じポーズを取りながら言いました。


 「実はここのアカデミーで、雪乃はプロになったんだよ。」

またまた、紅葉さんは僕の悩みを解決してしまいました。


 「あのう、お客様。」

カフェのウェイトレスが紅葉さんに声をかけてきました。

それもそのはずです。紅葉さんは、パンフレットの表紙のモデルを同じポーズをとって・・・・。


 「テーブル上に足を置くのは、ご遠慮願えませんでしょうか・・・。」

ウェイトレスが、とても遠慮がちに注意してきました。


 紅葉さんはハッと我に返った様でした。顔を真っ赤に、いや紅葉色にさせて・・・・。


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