お姉ちゃんは・・・、誰なの?
そんなこんだで、僕たちは老夫婦のレストランを後にしたのでした。
僕と見知らぬ少女は、再び街並みを歩いていました。
しかしこの街は、不思議な雰囲気がありました。
行き交う人々や、建物も明らかにヨーロッパだと思えるのですが、なんだか異なるものの味がするのでした。
それは言い換えれば、どことなく自分自身の文化圏に近い何かを感じるのでした。
そして、それはじきに具体的な光景となって、自分の目の前に現れるのです。
(あ・・・・・。)
僕は心の中で、安心をしたのでした。
何故なら・・・・。
僕達の前に、なんだかエキゾチックな雰囲気の寺院があったのでした。
なんだかどことなく懐かしいような、東洋的な雰囲気の入り交じっている建物だったのです。
「気になるの?」
その白人の女の子は、短いながらも柔らかいアクセントで僕に言いました。
(ここは一体、どこなんだろう・・・?)
懐かしみながらも僕は、今の自分の置かれている状況を理解することを欲していました。
それを気にしているのか、いないのか彼女はさらに僕の手を引りながら歩いていきました。
でも・・・、そこには強引さを感じさせない、むしろ心地よい感じがして小さな男の子の僕は、その身を女の子に委ねていたのでした。
続いて何に遭遇したのかというと・・・・・。
どうやら、トンネルらしきものがありました。
僕が一般的なトンネルに持っているイメージとは、それは全く違っていました。
やはり自分的にはトンネルとは、山などの障害物を通過するために作られたもの・・・、あくまで交通手段であり見てくれはないという認識を持っていました。
ところが、このトンネルのデザインは凝っていって、まるでフランスの凱旋門を彷彿させるような造形美を持っていたのです。
「珍しいの?」
彼女は、僕がどのように感じているのか分かっているかのようでした。
「おいで。」
またまた、その白人の女の子は僕を導いて行くのでした。
(ん?)
さらに歩いていると、面白いオブジェらしきものに遭遇しました。
それはまるで、キノコの様なてっぺんの形で日本のコケシみたいな外観でした。
上手く表現できないのですが、西洋のような東洋のような・・・・・、本当にこんな場所は実在するのでしょうか・・・。
「実在するわよ。」
またしても、彼女は僕と見透かしているかのような言動を起こしたのでした。
でも、僕に対しての優しい視線を、自分はけっして見逃してはいませんでした。
「さあ。」
その白人の女の子は、僕に手を差し出してきました。
僕は迷わずに、その手を取ったのでした。
その彼女の手は、とても温かく柔らかかったのです。
気がつくと僕たちは、池の煉瓦造りの外周道路を歩いていました。
その池には数隻のボートが置かれていました。
よく見かける2本のオールでの、手漕ぎボートでした。
(ん・・・)
その白人の女の子は、自分の指でチョンチョンと僕を気づかせてきました。
「乗るわよ。」
いつも間やら、彼女はボートを乗る段取りをしていたようです。
その女の子の瞬間的な段取りのスピードに多少の疑問を感じつつも、僕達はボートに乗ったのでした。 「いくわよ。」
彼女は両手で、セールを持ち座っていました。
そしてボートを漕ぎだしたのです。
どうやら僕は、完全に弟扱いの様でした。
だから女の子の彼女が、自らボートを漕ぎだしたのでしょうか。
そしてその服装のイメージに反して意外にも、セールを漕ぐ彼女の動きは激しかったのです。
(ああ・・・)
僕はあることに、気がついてしまったのでした。
案外、この白人の女の子のフリフリ付の白いスカートは短かったのです・・・・。
(そんなに激しく脚を動かしたら・・・。)
僕は心配になりながらも、彼女のスカートに視線が釘付けになってしまいました。
(パンツがみえる・・・・!)
案の定、チラッチラッとピンク色が見え隠れしているのです。
それは小さな少年の自分には、余りにも強すぎる刺激でした。
ところが彼女は全く気にすることもなく、激しく体を動かしてセールを漕いでいました。
当然その女の子からは、全くの邪念を感じさせません・・・。
むしろ邪念を持っていたのは、僕の方でした・・・。
しかし、そこで小さな(?)事件が起こるのでした。
「あっ!!」
とても激しくカラダを動かしていた彼女は、突然バランスを崩してしまいました。
「あぶない!!」
僕はその白人の女の子にしがみついて、自分の小さいな体で必死に彼女が池に落ちてしまうことを阻止したのでした。
「はあはあ・・・。」
僕は連続の精神的な刺激に、グッタリとしてしまい倒れ込んでしまいました。
「ありがとう。」
そして彼女は柔らかく、そして優しく僕を抱きしめてきたのでした。
その白人の女の子の、柔らかい胸の感触が伝わってきました。
(うくく・・・・・・・。)
自分の体調の異変に、息苦しさを感じたのでした。
なんと僕は、鼻血をだしていたのでした。
(ううーん・・・・。)
その朦朧としていく意識の中、僕は意識を振り絞って彼女に聞きました。
「お姉ちゃんは・・・、誰なの?」
「わたし?わたしは・・・・・・・」
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