ごちそうさま。
どうやら僕は、意識が朦朧としていました。
だとしても、この状況は想定外でした。
これは、僕の日常の世界ではないです。
なぜなら・・・
そこは、自分が過ごしていた日本とも、今日から滞在しているニューヨークとも違うからなのでした。
ここは、おとぎの国・・・・!?
僕が歩いている町並みは、とても美しいところでした。
そのうちに、僕は丘の上に登っていました。
そして、自分の視界のその先には、お城!?王宮!?
前を流れる河は、とても美しいものでした・・・・・。
一体ここは・・・。
「何をしているの?」
僕はその声に主に、顔をむけると・・・・・。
白人の女の子が、自分の方に向いていた。
間違いなく彼女が、僕に声をかけたのでしょう・・・。
その娘は、日本で言えば小学校6年生か、中学1年生くらいではないでしょうか?
少女ながら、その女の子は小綺麗な格好をしていました。
白いシャツに白いスカート、どちらもフリフリ付きでした。
正直に言うと、彼女がどんな娘かというと・・・・・・。
ハッキリ言って、少女であるにも関わらず・・・・、とても色気のある女の子でした。
白い肌・・・・・、透き通っているわけではないけど、とても綺麗でした。
と、いうか柔らかそうです・・・・、まるでミルクのキャンディーの様でした・・・・。(あくまでも僕の主観ですが・・・。)
「どうしているの?坊や?」
その白人の女の子は両拳を腰に当てて、思いっきり僕に対して、お姉さんぶった態度をとっていました。
なんで子供にそんな扱いをされなければいけないのでしょうか・・・・あれ・・?
その時に僕はあることに、気がついてしまいました。
僕は、この白人の女の子よりも、カラダが小さい・・・。
なんと、僕は子供になってしまっていたのでした。
(えええーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)
しかし、これはまんざら初めてでもないので、衝撃と言うほどではありませんでした。
「街を歩きましょう。坊や。」
考える間も与えられずに、僕はいきなり彼女に手を引かれて行きました。
この白人の女の子の手はとても柔らかい事この上ないのでした。
訳が分からずに、連れて行かれている僕でしたが、不思議と嫌な感じはしませんでした。
それは、もっともな理由があるのです。
彼女と歩きまわる街並みは、とても素敵な光景でした。
公園らしきところに来ました。
勿論、美しい木々でした。
見上げた先には、これまた美しい建物がありました。
そして空を見上げると、雲が極めて速い流れで曇ったり晴れ晴れとしたりして、天気が切り替わっていきました。
自分にとって、現実離れした状況でしたが、そんなことは気にしなくなっていました。
「レイちゃん、彼氏とデートかい?」
たまたま、行き交わしたオジサンに彼女は声をかけられました。
「ええ、そうよ。」
彼女は全く動じることもなく、小さな僕の手を握りしめながら、相づちを打っていました。
どうやら、このオジサンは女の子の知り合いの様でした。
再び僕たちは、スタスタと街並みを楽しみながら、歩いていました。
そして、急に彼女は立ち止まりました。
「ランチよ。」
その白人の女の子は、僕にお食事を勧めてきた様でした。
そして僕たちは、レストランに入店しました。
「ああ、レイちゃん、こんにちは。」
恐らく60代の年配の女性が、優しい笑顔で出迎えてくれました。
「可愛い男の子じゃないか。」
女性の夫らしき男性が、カウンターの奥から顔を出してきました。
「レイちゃん、いつものでいいの?」
年配の女性は、僕のことを特に問い詰めもせずに、注文を聞いてきました。
「ええ、お願い。」
その彼女の、落ち着いた物言いは、ちょっと大人びいていました。
どうやら、白人の女の子はこのレストランの常連の様でした。
「はい、どうぞ。」
どうやら、喉を潤せるような、冷たい飲み物が運ばれてきたのでした。
(酸っぱ甘い・・・、これは)
どうやら、これはレモン味のジュースでした。
「美味しい?」
彼女は真顔で、しかし柔らかい口調で、僕に話しかけてきたのでした。
「うん、おいしい!」
そのレモンジュースの適度な甘さに納得していた僕は、素直に応えました。
「ホッホホ・・・、可愛らしいわねえ・・・・。」
年配の女性は、僕たちを見守るような雰囲気でした。
そして、濃厚な外見であるスープを置いていきました。
目の前の女の子は、とても上手に音を立てずにスープをすすっていました。
==================== ズズッッ =====================
僕は頑張ったつもりなのでしたが、不覚にも音を立てながらすすってしまいました。
(うむむ・・・・・・)
僕はバツが悪くなり、チラッと白人の女の子の顔を見やりました。
(あ・・・・・・)
居心地が少々悪くなった僕に対して、彼女はニコッと微笑んでいたのでした。
僕は安心したのでしたが、その反面自分が子供扱い(実際子供かも知れないけど)されている感じがして、ちょっと不満の感情が芽生えました。
「料理だよ。」
年配の女性がテーブルに出して来たのは、チキンの料理でした。
おそらくこれが、今回のメインディッシュなのでしょう。
(お、おいしい・・・。)
その料理の味に、僕は完全に機嫌を直すことができました。
「デザートだよ・・・。」
(これも、おいしそう。)
そのデザートは、シュークリームの様な感じで、クルミが多く使われていました。
そして上から、チョコレートソースがかけられていたのでした。
これもまた、期待を裏切らない美味しさでした。
「ごちそうさま。」
「ごちそうさま。」
なんと彼女と僕は、全く同時に食事を終えたのでした。
「おやおや、仲のいい子たちだねえ・・・・」
年配の女性に冷やかされた、白人の女の子はちょっとだけ照れたように表情を変化させていました。
それを見逃さなかった僕は、最後のいいものがみれた、と子供ながらに満足な気分になっていました。




