雪乃お姉さん!
「巳波くん、久しぶりー。大きくなったね。」
僕は、雪乃さんと初対面のつもりなんですけど・・・・。いきなり一発目から、とても親戚のお姉さんっぽい発言なんですけど・・・・?
「あれ?巳波くん、私の事覚えてないのかな?まあ、巳波くんは私よりも、もっとちっちゃいときにあってたからね。」雪乃さんは、僕にまるで小さい子に話しかけるような優しい口調で語りました。
(・・・・・・あっ!!)
急に、そして一気に記憶が蘇ってきました。冬木という、名字は僕の母の旧姓でした。母には、兄がいてその娘が雪乃さんでした。
つまり要するに、リアル親戚のお姉さんです。(※従姉です)
雪乃さんは、僕が思いだした事に気づいてニコっと微笑んでいました。
「巳波くんと会うのは、もう十年以上ぶりかなあ。確か、私と巳波くんは四つ違いなんだね。巳波くんは子供だったから、忘れられていても仕方ないかな。」雪乃さんは昔の事を思い出しながら、感慨深そうでした。
「ん?なになに、どうしたのよ。二人とも。」紅葉さんが訳が分からないと言う表情で、僕と雪乃さんの顔を交互に見比べています。紅葉さんのこんな感じの無邪気なところは、僕は嫌いではありません。
しかも雪乃さんも、紅葉さんのキョロキョロした仕草をみて喜んでいます。
「たぶん私の見間違いじゃなかったらー。」雪乃さんは、何か思い出したように言いました。
「巳波くん、私と紅葉の試合見に来てたことあるよね?」確かに僕は、雪乃さんと紅葉さんとの試合を観ました。しかも、雪乃さんは僕に向かって微笑んでくれた様に見えました。(※第1話参照)
(やはり、僕の妄想ではなかったんだ。)僕は心の中で、ガッツポーズを取りました。
「なになに?巳波くん、なに心の中でガッツポーズ取ってるのよ!」紅葉さんが、僕に突っ込みを入れてきました。・・・・というか何故、紅葉さんは僕の心の中が分かるのでしょうか。紅葉さんはエスパーなんでしょうか?
「巳波くんは小さかったから、外で私とよく遊んだね。近所の子達と、鬼ごっごとか縄跳びとかしたりしてね。」おお、記憶が鮮明になってきました。
「それから、おままごともしたよね。それから、二人でいた時ね・・・。」・・・!!そこから先は言わないでください。雪乃さんと、小さい頃お医者さんごっことしたことがあることを・・・・。
「・・・・・。巳波くん、雪乃とそこまでいってたんだ・・・・。」紅葉さんが、僕たちがお医者さんごっごした仲だと言うことを悟ってショックをうけていました。完全に僕の心を読まれている。
でも雪乃さんと対面して、良く分かりました。雪乃さんは、桜さんと瓜二つの外見だけど全く別人でした。そして、紅葉さんはまだまだ特殊能力を隠していそうな予感がします。