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ちょっと年上の女の子  作者: らすく
第2章 修行
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待ち人来たる

 ジャッカー・チンに打ちのめされたハイジャック犯は、すぐに航空機の乗務員に取り押さえられました。

 見事に難局を解決したジャッカー・チンでしたが、乗務員にお礼を言われるのも手短にまた着席しました。

 僕の2席の隣なのですが、恐れ多くて話しかけることも出来ませんでした。

 実際に本人をみると、とても近寄りがたい雰囲気でした。

 周りの人たちも、ジャッカー・チンのことを気にしているのですが、僕と同様にチラチラ見ているだけでなんともアクションを起こすことはありませんでした。

 そうこうしていると、僕の隣の男の子がジャッカー・チンに耳打ち気味に話しかけていました。

 本当に耳打ちだったので何を言っているのは、全く内容がわかりませんでした。

 その男の子の言葉に対して、ジョッカー・チンは本当に楽しそうに笑っていました。

 その彼の重厚な印象からは、到底想像のつかない笑顔でした。

 一体この男の子は、何者なのでしょうか?

 

 時間は流れ、ニューヨークの空港にたどり着きました。

 僕を含めた乗客全員は、速やかにロビーに移動して各々のルートに入りました。

 勿論先ほどの、ハイジャック犯やジャッカー・チン、男の子がどこに行ったか等は多くの人混みの中では確認できるはずもありませんでした。

 もっとも有名人をたまたま見かけたというだけであって、自分にとってはじきに忘れてしまう事だとおもっていました。

 しかし、たまたまの遭遇で終わらなかった事は、後に思い知ることとなるのですが・・・・。

 でも、自分は頭を切り替えなければ行けないのでした。


 (んん・・・・・・。)

 なんなのでしょうか、自分はニューヨークの空港に今現在いるのですが、なんだか懐かしい気がするのでした。

 ひょっとしたら、過去にテレビなどで見ていたのでデジャヴとなってしまっている可能性もあるのですが・・・。

 実は自分には、とても引っ掛かる部分があるのです。

 何となくなのですが、周りの人たちの何気ない会話がフワッと意味することころがつかめるのです。

 要するに、英語が聞き取れているのです。

 

 そうです・・・・。

 先日お会いした、とても綺麗な白人の女性・・・・。

 彼女が時折発した英語の意味も大体、自分は把握していたのでした。

 僕はけっして学生時代の英語の成績は良い方では無かったのですが、英会話は何故か出来るのです。

 この事は、僕の過去の欠落した記憶と関係がある気がしてならないのでした。

 

 実は僕は、この空港にて待ち合わせの約束をしていたのでした。

 空港の指定された場所で決められた時間にいるように、渡米の前に雪乃さんから言われていたのでした。

 僕はほぼ片言の英語で、ルートを職員の人から教えてもらい、待ち合わせの場所にたどり着いたのでした。

 

 (ふう・・・・・。)

 席に座った僕は、ホッと一息を着くことが出来ました。

 (本当に来たんだ・・・。

 僕はテニスで身を立てるんだ・・・・!)

 自身では、揺るぎない決心をしてアメリカに来たつもりなのですが・・・。

 リアルにこの場にいると、実感が十分に湧いてこないのです。

 あまりにトントン拍子に話が進みすぎて、ホントに大丈夫なのだろうか、という疑念が拭えないのでした。

 

 =================== 大丈夫だよ ====================


 「え・・・・?」

 僕の旅行鞄から、突然に声が聞こえてきたのでした。

 「んん・・・・?」

 僕の視線先には・・・・、旅行鞄にぶら下がった真っ赤なものがありました。

 それは、先日に紅葉さんから頂いた、真っ赤なカニのキーホルダー・・・・。

 「ま・・、まさか紅葉さん・・・?」

 ひょっとしら、紅葉さんはこの真っ赤なカニのキーホルダーを通して、僕を見守ってくれているのでしょうか・・・!?

 いままでの彼女の、超人類的な面を知っているだけに、僕にはそんな気がしてならないのでした・・・。


 本当に、どんな人が来るのでしょうか。

 外国人の方が来られる可能性が高いと思うのですが・・・・。

 もっともここは、外国なので当然なのですが。

 (どんな人が来るのか、雪乃さんから聞いておけば良かったなあ・・・。)

 僕はラウンジでオレンジジュースを揉みながら、そんなことを考えていました。

 周り行き交う人たちは、ほとんど僕よりも年上の人たちしか見かけませんでした。

 もっとも、それはそうでしょう。

 僕の様に十代後半で、単身で異国に来る人間は余りいないでしょう。


 「大変お待たせしました。夏目さん。」

 「わわ!!」

 不意を突かれた僕は、ビックリして思わず慌てた反応をしてしまいました。

 さらに、僕に声をかけてきた人の顔を見て、またもビックリです!

 なんとその人は・・・・・!



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