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ちょっと年上の女の子  作者: らすく
第一章 旅立ち
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そんなこと絶対にしないよ

 僕と紅葉さんの周りに包まれた光が、次第に薄れていきました。

 「んん・・・・・・・・・・・・。」

 まだまぶしさに慣れない僕の前に、誰かが密着していたのです。

 それはそれは、大きくて柔らかい感じがするのでした。


 「み、巳波くん!?」

 「え!?」

 気がついたら、僕は紅葉お姉さんにしがみついていました。

 (えええーーーー!!)

 僕は状況が今、自分が置かれている状況がたちまち飲み込めませんでした。

 僕は、紅葉お姉さんと<テニスを凄く上手くなるという約束をして、謎の扉の向こうにきたのです。

 (んん??

 紅葉お姉さんは、セーラー服じゃない・・・?)

 正直に言うと、この紅葉お姉さんは白いシャツに黒いミニスカートとブーツを身につけていて、初々しさはあんまり感じませんでした(失礼!!)。

 ちょっとだけ大人びた感じの、お姉さんでした・・・・・・。

 

 そのときフラッシュバック的に、僕の頭の中に電球の灯りがともったのでした。

 (ああ・・・・・・・、走馬燈・・・・・・。

 先ほどまでのは過去の記憶・・・・・、走馬燈・・・・・・。)


=================ま、間に合ったのか・・・===================

 

 僕は紅葉さんの飛び降りを、阻止することができていたのでした。

 僕は状況を把握して、完全に我に返っていました。

 そして・・・・。


 「死んだりしたら駄目だよ!紅葉さん!」

 こうなったら、もうなりふり構いませんでした。

 僕は紅葉さんに考え直してもらおうと、必死に慌ててしがみつきました。

 「わわわっ!!」

 紅葉さんはビックリして、後ろに転倒しそうになってしましました。

 「あ、危ない!!

 紅葉さん!!」

 僕は紅葉さんが倒れて、怪我をするのを防ごうと彼女を抱え込みました。

 そして、僕と紅葉さんは一緒に体制を崩してしまい倒れる形になったのでした。

 「ん??」

 僕の着いた両手の感触はとても柔らかかった。

 僕は、全くの無傷のようでしたが紅葉さんは・・・・・・?

 僕は恐る恐る、紅葉さんの安否を確認しようと試みました。

 僕は紅葉さんの上に覆い被さる体制で、倒れ込んでいたのでした。

 紅葉さんは大丈夫なのでしょうか・・・・・・・・・。

 「うわああああ!!!」

 もみじさん・・・・、もみじさん・・・・・!」

 

==================紅葉さん、こめんなさい===================


 なんと僕は紅葉さんの胸を、両手で触ってしまう事になってしまっていたのでした。

 「すっ、すいません!!

 紅葉さん!!」

 ワザとではないとはいえ、僕は慌てて平謝りでした。

 (・・・・・・・・・。)

 しかし、紅葉さんは何の反応も示しませんでした。

 

 僕が心配して見てみると、紅葉さんは尻餅をついてじっとしていました。

 そして紅葉さんは、彼女の長いストレートの髪で表情が判らなくなるくらいにうつむいていました。

 無言の紅葉さんは、必ず何か理由があるのに違いありません・・・・!

 「紅葉さん・・・・。」

 果たして紅葉さんは、本当に大丈夫なのでしょうか・・・・。

 心配で仕方がない僕は、彼女の顔をのぞき込みました。

 そうしたら・・・・・。


==================突然に、紅葉さんは顔を上げて==========-=====

 

 「アハハハハッ!!!!!!!!!」

 そのストレートの茶色い長い髪を掻き上げて、紅葉さんは急に大きな声で笑い出したのでした。

 「ええええっ!?」

 急に沈黙を破り高笑いを見せつける紅葉さんに対して、僕は全く驚きを隠すことが出来ませんでした。

 「くくくくくっ・・・・・・。」

 さらに紅葉さんは鼻に右手を添えて、肩を小刻みに震わせながら、吹き出しそうなのを我慢しながら笑っている様でした。

 「ぷくくくくっ・・・・・・・。」

 とうとう紅葉さんは、吹き出しながら笑っています。

 彼女の笑い声と仕草は、どうみても強がりでも、ましてや演技にも見えません・・・・。

 本当に紅葉さんは、どうしてしまったのでしょうか・・・。

 僕は紅葉さんの事が、別の意味で心配になってきました。


 「も、紅葉さん・・・!!!」

 僕が彼女に声をかけると、しっかりとした表情で・・・ 

 「自殺・・・・?

 アタシが・・・?

 そんなこと、絶対にしないよ!!」

 この紅葉さんの言葉に、間違いなく嘘はないでしょう。

 なぜなら彼女は、僕の顔をまっすぐに見つめていたのでしたから・・・。

 本当に、本当に紅葉さんは自殺するつもりはなさそうでした。

 僕はホッとして、文字通りに胸を撫で下ろしました。

 でも、安心と同時に新たな疑問が浮かんだのでした。

 紅葉さんは、どうして急にテニススクールを退職したのでしょうか。

 

 「紅葉さん・・・・。

 どうして、急にテニススクールを辞めてしまったのですか?」

 僕は率直に疑問を、紅葉さんに投げかけました。

 「だって、いつか巳波くんに言ったじゃない・・・・。

 アタシは、やられっぱなしじゃないって。

 どうしても、やらなければいけないことができたの・・・。」

 紅葉さんのその言葉には、力強さこそ感じられなかったものの、心の内に秘めた決意の存在は確認出来たのでした。

 「そうなんですか・・・・。

 紅葉さん・・・・。」

 紅葉さんの話からは、彼女がテニススクールを退職した具体的な理由は分かりません。

 でも・・・・・。

 そのとき紅葉さんから、詳しく問い詰めていく気分には慣れなかったのでした。

 紅葉さんを、言葉で問い詰めることは・・・・・。

 即ち、紅葉さんを追い詰めてしまう気がしてならなかったからです。

 それでも、紅葉さんが今置かれている状態が知りたくもあります・・・。

 

 「あのね・・・・、巳波くん・・・。」

 紅葉さんは、急にしんみりとした態度になりました。

 「なんでしょうか・・・・。」

 紅葉さんは、スウッと息を飲みました。

 「アタシのことを心配してくれていたんだね・・・・。

 ありがとう・・・・・・・。」

 紅葉さんは、疲れているか様子だけども笑顔で僕に言ってくれました。

 しかし、本当に紅葉さんは疲れている様子です・・・・。

 本当に紅葉さんは、今にもたおれてしましまいそうな・・・・・・・・。

 そして・・・・・。


===============本当に紅葉さんは倒れてしまいました================

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