表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ちょっと年上の女の子  作者: らすく
第一章 旅立ち
6/303

紅葉さんペース

 ついに、三者会談の日がやってきました。僕は前回の紅葉さんとのデート(?)の時と同じカフェで、紅葉さんと冬木雪乃さんを待っていました。(しかし、やはり冬木という名字が引っかかります。)


 「やっほう!」真後ろから大きい声がしました。紅葉さんでした。

「びっくりしたなあ・・・。」僕は少しだけ呆れていました。


 僕の前で立っている紅葉さんは、とてもいい女性だと思う。ていうか、結構お洒落だったりします。

テニスをしているときの紅葉さんもいいけど、普段着の彼女も捨てがたいです・・・・。

ちなみに、具体的にどんな感じなのかというと、髪型は赤に近い茶色のストレートのロングヘアー。そして、シンプルな白の襟付きのシャツ、黒のミニスカート、極めつけはニーハイですね・・・・。ブーツは主張しすぎない黒、バックや時計もシックな感じです。そうか、紅葉さんは、黒が似合うんですな・・・・。


 「・・・・・・・。夏目くん、さっきから何を一人でうつむいてブツブツ言ってるのよ。」

「はっ!!」僕は、我に返りました。

「いきなり、私の全身を上から下まで見るように目線を動かしていたし。そんなに私の事が、気になるわけなの?」紅葉さんは、腕を組んで仁王立ちです。彼女は、半笑いで少しだけ顔を引きつらせていました。

「考えるのは私の事じゃなくて、夏目くん自身の事じゃないの!私の事を考えるのは、夏目くんが落ち着いてからにしてよ。」

「・・・・・!」(ひょっとして、紅葉さんは僕に対してまんざらな感情でもないのでしょうか?)

という、僕の大変勝手な想像をしていたら、本題を忘れてしまっていることに気がつきました。


 「あの、冬木雪乃さんは来られていないんですか?」確かに冬木さんは、来られていない。

「ああ、そうなんだ。雪乃はちょっとだけ遅れてくるんだ。急用が入ったんだってさ。でも必ず来るから心配しないでって、雪乃が言ってたから。」

「そ、そうなんですか。じゃあ、待ちましょうか・・・・。」僕は少しだけ、心の準備ができるという、前向きな気持ちで行こうと思いました。


 「まあそんな訳で雪乃が現れるまでは、私と夏目くんとでトキメキトークだよね!!」紅葉さんは満面の笑みを浮かべてその言葉を放った。

(さっきまでの僕に対する態度とは、まさにアベコベです。まあ、紅葉さんのそうゆうところは嫌いではないのですが。雪乃さんに会うまでの心の準備どころでは、ありませんでした。というより心の摩耗状態かも知れません。)


 「私とデートできるから良かったね、夏目くん!!」僕は、蛇に睨まれたカエルの気持ちが分かるような気持ちになりました。完全に紅葉さんペースです。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ