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ちょっと年上の女の子  作者: らすく
第一章 旅立ち
53/312

出来すぎ!?

マチアソビに行ってきました。知り合いの妹さんのレイヤーの写真も撮りました。

 続いて僕と紅葉さんのペアは、なんと次の第4ゲームも連取したのです。

 紅葉さんのボレーと、僕のロブがこのゲームも通用したのでした。

 確かにこれは僕たちに流れがあるのは、言うまでもありません。

 ただ、少し引っ掛かるところがあるのです。

 紅葉さんが考えた戦法が、折夫さんと雪乃さんのペアとの実力差を縮める効果があったからこそ4ゲーム全て連取できたのだと思います。

 そう、それ故にとある不安が生まれたのです。

 それは単純に戦法がずっと通用し続けるとは、考えにくいです。

 僕と紅葉さんが、実力差を作戦を立てることで埋めれるなら、逆に折夫さんと雪乃さんも考えることによって状況を変えられるはずと思えるのです。

 

 5ゲーム目、再び僕のサーブが回ってきました。

 そして、紅葉さんは再びオーストラリアン・フォーメーションの形を取りませんでした。

 先ほどから僕が思っていたことを、紅葉さんも理解していることが以心伝心で僕に伝わってきたのです。

 (紅葉さんは、作戦会議の内容がもうそのままでは通用しないことが分かっているのだ・・・・・。)

 おそらくこれからはより厳しい勝負になっていくことでしょう。

 

 僕は警戒心を抱きながらサーブを放ちました。

 それなりに厳しいコースを突いたつもりです。

 しかし・・・・。

 

 ビシュッ!!!!!!!!!

 折夫さんは、鋭く回転のかかった・・・、しかし決してスピードも遅くはないスピンショットを返してきたのでした。

 そのコースは僕がいる側のものすごく取りにくい場所でした。

 それは、ネットの近くの外側のエリア・・・・、いわゆるショートアングルショット(※参照)でした。

 

 ※ショートアングルショット・・・アングルショットは角度をつけて打つショットである。ショートアングルショットはさらに急角度をつけて打つショットである。これにより、ネットに近い外側のエリアに打たれることが多くなる。


 僕は・・・・・、折夫さんの余りの厳しいコースにより、ノータッチ(※参照)でリターンエース(※参照)を取られたのでした。


 ※ノータッチ・・・相手に球を触れさせないこと。

 ※リターンエース・・・直接リターンのショットでポイントを取ること。


 「おおー!!」

 折夫さんの素晴らしいリターンに、ギャラリーは感嘆の声を出していました。

 僕は今までにない折夫さんの攻撃的なショットに、うろたえていました。

 僕は相対する折夫さんの顔を見ましたが、その表情から自信をもって放ったショットであることが伺えました。

 

 「ん?」

 気がつくと紅葉さんが、僕に近寄ってきていました。

 そして、タッチを求めてきました。

 (そうか・・・・!)

 僕は紅葉さんと右手同士で、タッチを交わしました。

 僕は気がついているつもりです。

 紅葉さんが、この調子で試合を進めようという意思表示だと言うことを・・・・。

 

 次に僕は雪乃さんに、サーブを打ちました。

 雪乃さんは綺麗な弾道のリターンをしてきましたが・・・・。

 バッ!!!

 紅葉さんが、素早く僕の前に飛び出し、ボレーでポイントを決めたのでした。

 僕のサーブが通用しないわけでは、無いことがわかりました。

 

 結局、第5ゲームは僕たちは検討したものの、僅差で折夫さん・雪乃さんペアに取られたのです。

 それでも、僕はゲーム内容は悪くはなかったので、不安は感じませんでした。

 それに・・・・・・、僕がみた紅葉さんの表情はとてもスッキリしていました。

 このことで今置かれている僕等の状況が、慌てるべきでは無いことであると把握できたのです。

 

 第6ゲームは折夫さんのサーブです。

 最初は紅葉さんのリターンです。

 「うっ!!」

 折夫さんの強力なスピンサーブを、紅葉さんは上手く返せませんでした。

 折尾さんのサービスエース(※参照)です。

 

 ※サービスエース・・・直接サーブでポイントを取ること。

 

 やはり、折夫さんのサーブは容易にリターン出来るものではなかったのでした。

 僕と紅葉さんは、折夫さんのサーブに大苦戦し第6ゲームを落としたのでした。

 それでも僕達の優位は、まだ動いていないと思っていました。

 なぜなら・・・・。


 第7ゲームは、紅葉さんのサーブだからです。

 紅葉さんは、自分自信がネットに近づきやすいようにゆっくりとした回転の多いサーブを放ちました。 

 しかも、加えてこのゲームは早いフラットサーブも混ぜて、折夫さん・雪乃さんを翻弄しました。

 スキの少ない紅葉さんのボレーの影響力は絶大で、この第7ゲームを取ることができたのです。

 

 これで、ゲームカウントは、(夏目・秋原)5ー2(四季・冬木)、となり僕たちが圧倒的に有利になりました。

 この次のゲームに王手がかかりました。

 「きめるよ・・・・!!」

 紅葉さんは力強く、僕に呟きました。

 

 (紅葉さん・・・・、勿論そのつもりです・・・・。)

 

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