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ちょっと年上の女の子  作者: らすく
第一章 旅立ち
47/313

運命のトス・・・・そして超能力合戦・・・・

 僕と紅葉さん、そして折夫さん・雪乃さんと相対しました。

 いざその場に立つと、意外にも腹が据わることが分かりました。

 そうです、不安になる余裕など無いのです。

 僕は、目の前のことに集中します。


 この四人は、真っ先にしなければいけないことを始めました。

 トスです。

 トスとは、ラケットを転がして表か裏なのかを、当てあう儀式です。

 ラケットを転がした側が、表か裏かを当てられなかった場合、ラケットを転がした側にサーブもしくはコートの選択権が発生します。

 逆にラケットを転がさなかった側が、表か裏かを当てられた場合、ラケットを転がさなかった側にサーブもしくはコートの選択権が発生します。

 通常のプロの試合よりも、このエキシビジョンマッチは、トスが勝負の有利不利に大きく作用するのです。

 何故なら・・・・。


 今回のエキシビジョンマッチは、6ゲーム選手なのです。

 つまり、1ゲームでも先に6ゲームを取った方が勝ちなのです。

 と、いうことは先にサーブ権を獲得した方が、必然とサーブ打てるゲームが多くなるのです。

 テニスにおいては、一般的にサーブ権を持っている側のプレーヤーの方が、有利な事が多いです。

 (ちなみに、プロの試合などは選手ではなくマッチ制の試合が多いです。

 マッチとは、ゲームカウントが5対5の場合は、6対5では勝ちにはなりません。

 7対5で勝ちとなります。

 そして、ゲームカウント6対6になると、タイブレークという交互にサーブを打ち合うというゲームに入り、ゲームを取った側が、ゲームカウント6-6タイブレークの末勝利となるのです。)


 そう、このトスは勝敗に関わる重要な儀式なのです。

 僕は、これを前哨戦といっても過言では無いと確信していました。


 「巳波くん・・・・。何を難しい顔をしているの・・・?」

 紅葉さんが、僕の心の独り言をストップさせてきました。

 「あ、大丈夫です。紅葉さん・・・。」

 そう、ラケットを僕が転がすべきなのは分かっていました。

 対戦相手は、明らかに格上の現役のプロ選手のペア。

 そして、僕のペアの紅葉さんは、僕よりもずっと上手です。

 だからもっとも格下の、僕がラケットを転がすのは至極当然だと思うのです。


 運命のトスです。

 「Rough or Smooth?」(ラフ オア スムース?)(表か裏か?)

 僕は決まり文句を、放ちました。

 

 「ラフ・・・・・。」

 折夫さんが、ニヤニヤしながら表裏を選択しました。

 僕はラケットの柄を持ち、ラケットのフェースをコートに付けて回転させました。

 ラケットは、クルクルと回っています。

 「フフフ・・・・・・。」

 何故か、折夫さんは余裕の笑みを浮かべています。

 僕は嫌な予感がしました。

 なんだか、ラケットのフェースが折夫さんの言うとおりラフ(裏)に落ち着きそうな気がしてならないのです。

 しかし、その時・・・・・!!


 僕は瞬間的に、紅葉さんの顔を見ました。

 (!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)

 紅葉さんの、瞳が・・・・・・!!

 紅葉さんの・・・・・・・、瞳が・・・・真っ赤になっている!!

 普段から茶色い紅葉さんの瞳が、真っ赤になっているのです。

 そして、紅葉さんの表情も、なにやら超人類的なモノを感じるのです。

 紅葉さんは、何らかのパワーを送っているのでしょうか?

 普段から、紅葉さんには人間離れした一面を、見ることは多々あるのですが・・・・。


 そして・・・・、ラケットは止まったのです。

 「ス、スムース・・・・・。」

 僕は、慣れない口調でコールしました。

 そう、僕がトスしたラケットの表裏を、折夫さんは当てることができなかったのです。


 「ち、ちきしょー・・・・。」

 折夫さんは、苦々しい表情で歯ぎしりをしました。

 しかし、僕は折夫さんが、ただ単にラケットの表裏を外しただけとは思えないのでした。

 なぜなら・・・・。


 「うふふ・・・・。」

 紅葉さんは、悔しがる折夫さんを眺めながら勝ち誇った様な、笑みを浮かべていたのです。

 まるで、紅葉さんの力でトスを外させたかのように・・・・・。


 僕は、想像していました。

 紅葉さんと、折夫さんがお互いの神通力をぶつけあっている光景を・・・・。

 二人は僕がラケットを回転させている間に、サイキックウォーズ(超能力戦争)を行っていたのではないでしょうか。

 紅葉さんの紅い瞳は、僕の見間違いだったのでしょうか・・・・?


 なにはともあれ、僕と紅葉さんのペアは、幸先が良くサーブ権を獲得したのでした。

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