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ちょっと年上の女の子  作者: らすく
第一章 旅立ち
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緊張してたけど・・・・・

まだ、とくしまマラソンの筋肉痛が抜けきっていません・・・・・。


 そんなこんなで、色々ありましたが、僕はついに本日のエキシビジョンマッチの舞台に立ちました。

 僕は白のポロシャツと短パンの、きわめてオートドックスなテニスウェアを身につけていました。

 無論、僕の力量で派手な格好をするなんて、おこがましいと思っています・・・・。


 僕のペアの紅葉さんは、白地に赤の模様のテニスウェアでした。

 やはり、紅葉さん自身の名前を意識したデザインだと思います。

 僕も紅葉さんのイメージカラーは、アカという固定概念があります。


 「巳波君・・・・。

 なにをジロジロ見ているのよ・・・・。」

 紅葉さんが、僕の思考時間に割って入ってきました。

 「は・・・・!いやなんでも・・・。」

 僕は、シドロモドロ状態でした。

 でも、僕は紅葉さんの顔をみて、その状況から解放されました。

 何故なら、僕が紅葉さんの身につけているウェアを凝視していたせいか・・・・。

 紅葉さんは、ちょっと照れているような表情をしていました。

 僕は、そのことによってホッとした気持ちになったのです。


 僕と紅葉さんは、自分たちのベンチに腰をかけました。

 テニスコートの外には、試合中のコートチェンジの折に選手が座れるように、ベンチが設置されているのです。

 (ふう・・・・・・。

 紅葉さんといると安心だな・・・・・。

 これなら、このエキシビジョンマッチもリラックスしていけそうだ。)


 ・・・・・しかし・・・・・、その僕の安心感は、もろくも崩れ去っていくのでした。

 それは、僕たちの後に・・・・・・・・。


 四季折夫・冬木雪乃ペアが入場してきました。

 僕は・・・・・・・、僕は甘く見ていました・・・・・・・。

 プロのテニス選手のオーラというモノを・・・・。

 折夫さんは、黒を基調とした大変ファッショナブルなウェアを着こなしていました。

 雪乃さんは、白地に黒の模様の重厚な雰囲気のテニスウェアでした。

 そう・・・・・、二人は先ほどのイベントの時とは次元が違う・・・・・。

 明らかに、試合モードに入ったプレーヤーの存在でした。

 僕はすでに、対戦相手のレベルの高さを感じてしまっているのです。

 あっさりと、僕の気持ちは180度変換されてしまったのです。

 そして、さらに追い打ちをかけるように・・・・。

 僕のネガティブ思考が、暴れ出したのです。


 紅葉さんは、元気そうにしてるけど、薬を常用していて決して健康な体ではありません。

 彼女は、おそらくハードなプロの試合で体を壊して今は、プロの活動を休止しているはずなのです。

 そう考えると、紅葉さんも僕も・・・・・、現役のプロの二人と戦って試合になるのだろうか、という疑問が再発してしまう訳なのです。

 僕は技術的な面で、紅葉さんは体力的な面で、不安なのです・・・・。

 食らい題材によって、僕の脳内は占拠されてしまっているのです。


 「巳波くん・・・・・。」

 紅葉さんが、呟くような声で僕に話しかけてきました。

 「は、はい・・・・?」

 「不安なのね・・・?」

 紅葉さんは、僕の感情を言い当ててしまいました。

 「ええ、まあ・・・・。」

 僕は、紅葉さんの指摘に反論はしませんでした。

 その僕に対して、ベンチで隣に座っている紅葉さんは間髪を入れずに・・・・。


 僕の方にすり寄って来ました。

 (!!!!!!!!!!!!!)

 何なのでしょうか?まわりにギャラリーの目もあるというのに・・・・。

 そしてさらに、紅葉さんは連続攻撃を仕掛けてきました。

 紅葉さんは自分の両手で、僕の両手をギュッと握ってきたのです。

 (!!!!!!!!!!!!!!!)

 紅葉さんは、一体どうゆうつもりなのでしょうか?

 紅葉さんの手は、とても温かくて、しっとりとしています。

 これではまるで、公園のベンチのアベックではないですか・・・・・。

 これは、フィニッシュなのでしょうか・・・・・!?

 紅葉さんの顔が、僕の顔に近づいてきました。

 (!!!!!!!!!!!!!!!!)

 僕は、思わず目を閉じました。

 目の前が真っ暗になったことによって、僕の心臓の鼓動が強調されてきました。

 明らかに、脈拍が高速化しています。

 ドクンドクンと、僕の体の中心から振動が響いてきているのが、把握できました。


 (・・・・・・・・・・・・・・・・・・?)

 僕は、薄目をあけました。

 「うふふ・・・・・。」

 紅葉さんは、ニコッと笑っていました。

 「不安になるどころで無くなったでしょ・・・?」

 紅葉さんは、ちょっと舌をだしていました。

 そう、僕の感情は不安から、興奮に変換されたのでした。


 「アタシの体を心配してくれているの・・・?」

 紅葉さんは、僕の思っていることを全て見透かしているかの様でした。

 そして、紅葉さんは続けました。

 「大丈夫だから・・・・・。」

 「紅葉さん・・・・・。」

 「今日のエキシビジョンマッチは、1セットの6ゲーム先取なのよ・・・・。

 アタシはプロの試合では、3セットマッチのシングルスを戦っていたのよ。

 今回はダブルスだから、シングルスよりも負担は半分・・・・。

 そして、1セットだから、さらに3分の1・・・・・。

 体力の消耗は6分の1なのよ。

 だから、心配ご無用よ・・・・・。」

 紅葉さんは自分自身のことよりも、本当に僕の事を気遣ってくれていたのです。

 そんな彼女の気持ちに答えなくてどうするのでしょうか・・・・。

 

 「よし!」

 僕は、右手の拳を握りしめて気合いをいれた。

 「そうよ!その根拠の無い自信が、大切なのよ!」

 紅葉さんも、僕がやる気を出したので、喜んでいる様でした。

 「さあ、いくわよ!」

 僕と紅葉さん、そして折夫さん・雪乃さんの四人はネットを挟んで相対したのでした。

 今回は、敵同士として・・・・・・!!


 

 


 

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