作戦会議の前に・・・・。
今回こそ真面目に、紅葉さんと作戦会議です。
「ようし!巳波くん。アタシがこれから述べる作戦で行くわね!!」
紅葉さんは、張り切った声で僕に語りかけました。
しかし・・・・。
「あれ?巳波くん?」
紅葉さんは、勢いを削がれたような感じで言いました。
「返事はどうしたの!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
僕は、その問いに答えませんでした。
「一体どうしたのよ?巳波くん!!」
紅葉さんは、ちょっと困りだしました。
「それはこっちの台詞ですよ。紅葉さん・・・・。」
僕は、紅葉さんが気がついていないのに少々いらだってきていました。
「え、ええっ?」
紅葉さんは僕が何を言わんとしているのか、全く当たりが無いと言った様子でした。
その時、僕の心に、とあるスイッチが入りました。
「紅葉さん。」
僕は、ズイっと紅葉さんに近づきました。
「ええっ??巳波くん!?」
紅葉さんは、やはり戸惑っていました。
「ごまかさないで、下さいよ。」
僕は、紅葉さんが気がつくのに余り期待しないで、言い放ちました。
「な、何のことをいっているのよ・・・。巳波くん・・・・。」
紅葉さんは、とても狼狽気味でした。
その様子に、紅葉さんを困らせていあげたいという、僕の願望はますます増加させられていきました。
「本当に、わからないんですか?」
僕は冷たく、紅葉さんに問い直しました。
「わ、わからないわよお・・・・・。」
紅葉さんの困った顔は、僕は大好きでした。
そして、僕は一気にたたみかけることとしました。
僕はフウっと、ため息をつきました。
紅葉さんは、僕のその様子を見て、冷や汗を掻いているようでした。
そして僕のこれから発する言葉に、限りない不安を抱いているといった感じの表情でした。
「本当に・・・・・・。」
そう僕が、いいかけると・・・・。
紅葉さんは、まさにゴクリを唾を飲み込む雰囲気でした。
「紅葉さんは、どうしようもない人ですね。」
僕は、このときが最高のタイミングと確信して、冷たく言い放ちました。
その瞬間・・・・・。
紅葉さんは、ガクッと膝を床につけてしまいました。
彼女のその表情は、衝撃を受けた見本の様でありました。
「み、巳波くん・・・・。」
紅葉さんの顔は、こわばりきっていました。
「紅葉さん、嘘をついたじゃないですか。」
僕は、ここぞとばかりに核心を取り出しました。
「紅葉さんにとっての、テニスの大事なショットは何か?ですよ。」
確かに紅葉さんは、前回の事をうやむやにしようとしていました。
こうゆういい加減なところが、紅葉さんの特徴でした。
でも僕は、うやむやなのが見過ごせない性格なのでした。
「巳波くん、もういいじゃないのよ。そんなこと・・・。」
紅葉さんは、床にシナを作って座り込み、弱々しく僕に言いました。
紅葉さんは、この期に及んでもうやむやにするつもりなのでした。
「だめです。」
僕は、紅葉さんを見下ろして精神的に優位な状況に立っていました。
「え、ええー?」
紅葉さんは、眉をひそめて僕を見上げていました。
「ど、どうしてもダメなのー?」
紅葉さんは、若干涙目になっているように見えました。
その紅葉さんの姿は、なおさら僕の欲望の火に油を注ぐことになりました。
「いいから、言ってくださいよ。」
僕は容赦なく、追求を続けました。
「・・・・・・・。」
「ん!?」
はっきりと聞き取れない、紅葉さんの言葉に僕は相づちを打ちました、
「聞こえませんよ!紅葉さん!」
僕の心の中の鬼が、目を覚めしつつありました。
「・・・・レーよ・・・・。」
どうしても紅葉さんの声が、聞き取れない僕は、彼女の口元に耳を近づけました。
その時、紅葉さんの眼光が光りました。
「ボレーよおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン・・・・・・・・。
突然の紅葉さんの、大きな声に僕の鼓膜は張り裂けそうでした。
「ひいいっ・・・!!!」
僕は紅葉さんのとても大きな声に、尻餅をついていました。
「アハハッ!!!」
紅葉さんは、お腹を抱えて笑っていました。
「調子に乗り過ぎよ!!巳波くん!!」
僕は紅葉さんに、まんまと一杯食わされたのでした・・・。
・・・・・・次回こそ、作戦会議です・・・!!




