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ちょっと年上の女の子  作者: らすく
第一章 旅立ち
44/312

作戦会議の前に・・・・。

 今回こそ真面目に、紅葉さんと作戦会議です。

 「ようし!巳波くん。アタシがこれから述べる作戦で行くわね!!」

 紅葉さんは、張り切った声で僕に語りかけました。

 しかし・・・・。


 「あれ?巳波くん?」

 紅葉さんは、勢いを削がれたような感じで言いました。

 「返事はどうしたの!?」

 「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 僕は、その問いに答えませんでした。

 「一体どうしたのよ?巳波くん!!」

 紅葉さんは、ちょっと困りだしました。

 「それはこっちの台詞ですよ。紅葉さん・・・・。」

 僕は、紅葉さんが気がついていないのに少々いらだってきていました。

 「え、ええっ?」

 紅葉さんは僕が何を言わんとしているのか、全く当たりが無いと言った様子でした。

 その時、僕の心に、とあるスイッチが入りました。


 「紅葉さん。」

 僕は、ズイっと紅葉さんに近づきました。

 「ええっ??巳波くん!?」

 紅葉さんは、やはり戸惑っていました。

 「ごまかさないで、下さいよ。」

 僕は、紅葉さんが気がつくのに余り期待しないで、言い放ちました。

 「な、何のことをいっているのよ・・・。巳波くん・・・・。」

 紅葉さんは、とても狼狽気味でした。

 その様子に、紅葉さんを困らせていあげたいという、僕の願望はますます増加させられていきました。

 「本当に、わからないんですか?」

 僕は冷たく、紅葉さんに問い直しました。

 「わ、わからないわよお・・・・・。」

 紅葉さんの困った顔は、僕は大好きでした。

 そして、僕は一気にたたみかけることとしました。


 僕はフウっと、ため息をつきました。

 紅葉さんは、僕のその様子を見て、冷や汗を掻いているようでした。

 そして僕のこれから発する言葉に、限りない不安を抱いているといった感じの表情でした。

 「本当に・・・・・・。」

 そう僕が、いいかけると・・・・。

 紅葉さんは、まさにゴクリを唾を飲み込む雰囲気でした。

 「紅葉さんは、どうしようもない人ですね。」

 僕は、このときが最高のタイミングと確信して、冷たく言い放ちました。

 

 その瞬間・・・・・。

 紅葉さんは、ガクッと膝を床につけてしまいました。

 彼女のその表情は、衝撃を受けた見本の様でありました。

 「み、巳波くん・・・・。」

 紅葉さんの顔は、こわばりきっていました。

 「紅葉さん、嘘をついたじゃないですか。」

 僕は、ここぞとばかりに核心を取り出しました。

 「紅葉さんにとっての、テニスの大事なショットは何か?ですよ。」

 確かに紅葉さんは、前回の事をうやむやにしようとしていました。

 こうゆういい加減なところが、紅葉さんの特徴でした。

 でも僕は、うやむやなのが見過ごせない性格なのでした。


 「巳波くん、もういいじゃないのよ。そんなこと・・・。」

 紅葉さんは、床にシナを作って座り込み、弱々しく僕に言いました。

 紅葉さんは、この期に及んでもうやむやにするつもりなのでした。

 「だめです。」

 僕は、紅葉さんを見下ろして精神的に優位な状況に立っていました。

 「え、ええー?」

 紅葉さんは、眉をひそめて僕を見上げていました。

 「ど、どうしてもダメなのー?」

 紅葉さんは、若干涙目になっているように見えました。

 その紅葉さんの姿は、なおさら僕の欲望の火に油を注ぐことになりました。

 「いいから、言ってくださいよ。」

 僕は容赦なく、追求を続けました。

 

 「・・・・・・・。」

 「ん!?」

 はっきりと聞き取れない、紅葉さんの言葉に僕は相づちを打ちました、

 「聞こえませんよ!紅葉さん!」

 僕の心の中の鬼が、目を覚めしつつありました。

 「・・・・レーよ・・・・。」

 どうしても紅葉さんの声が、聞き取れない僕は、彼女の口元に耳を近づけました。

 その時、紅葉さんの眼光が光りました。

 

 「ボレーよおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン・・・・・・・・。

 突然の紅葉さんの、大きな声に僕の鼓膜は張り裂けそうでした。

 「ひいいっ・・・!!!」 

 僕は紅葉さんのとても大きな声に、尻餅をついていました。

 

 「アハハッ!!!」

 紅葉さんは、お腹を抱えて笑っていました。

 「調子に乗り過ぎよ!!巳波くん!!」

 僕は紅葉さんに、まんまと一杯食わされたのでした・・・。


 ・・・・・・次回こそ、作戦会議です・・・!!

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