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ちょっと年上の女の子  作者: らすく
第一章 旅立ち
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僕の前に立ちふさがる不安・・・・

 いよいよ、メインイベントの紅葉さん・僕組と、折夫さん・雪乃さん組のミックスダブルスです。

 先ほどの的当てイベントの力量から判断するに、戦力はやはり折夫さん・雪乃さんの方が上なのでは、と思ってしまうのです。

 勿論、紅葉さんと組めるのは、とても心強いです。

 でも、それ故に僕が紅葉さんの脚を引っ張ってしまうのでは無いかと思うのです。

 それに、女子選手である紅葉さんに負担をかけるのは厳しいと思うのです。

 けっして女性を差別しているわけではないのですが、男子選手を女子選手はどうしても体力面で大きな差があると思うのです。

 紅葉さんが、いくらすばらしい選手だととしても、世界レベルの男子プロである折夫さんに対抗するのは難しいでしょう・・・・。

 おそらく男子選手の力の差・・・・・。

 つまり折夫さんと僕のレベルの違いは、どうしても埋められないものがあるとしか解釈できないのです。

 日向コーチは、本気でこの組み合わせで大丈夫だと思っているのでしょうか?

 桜さんは、なにをもって「僕には武器がある」、と言ったのでしょうか?

 紅葉さんは本当は、僕を足手まといと思っているのではないでしょうか?

 僕の中で不安と不安が渦を巻いて、混沌とした異形のモノとなって前に立ちふさがっているのでした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー不安だーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「そんなことはないよ・・・・・。」

 僕の背後から、呟く声がありました。


 「紅葉さん・・・・・。」

 「そんな事は、ないんだってば・・・・。」

 「え・・・・・・・・?」

 紅葉さんは、やはり僕の心が読めるのでしょうか。

 

 「だって巳波くん、さっきから一人言多いんだもん・・・。」

 紅葉さんは、クスクスと笑っていました。

 「でもさ・・・・。」

 紅葉さんは、軽くため息をついた。

 「巳波くんは、気を悪くするかもしれないけど、このエキシビジョンマッチは勝敗にこだわるのが主旨じゃないんだよ。」

 紅葉さんは、僕を諭すような言い方をしました。

 「みんなはアタシ達のレベルの高いプレイを見て、盛り上がる感じかなあ・・・・・。

 要するに見た目が派手なテニスを求めているんじゃないかな・・・。」

 紅葉さんは、軽く目をつむって落ち着いた感じでいました。

 普段の紅葉さんからしたら、ちょっとギャップがある故に本気が伝わって来るのでした。


 「そうなんですか・・・・。」

 悩んでいた僕は、少し別の意味でガッカリしました。

 僕が、考えていたことは無意味だったのでしょうか。


 「そうゆうわけでもないよ・・・・・。」

 紅葉さんは、返答してきました。

 (・・・・・・・・・!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)

 僕が頭で考えている事に対して、言葉を返してくる紅葉さんは、やはりエスパーなのでしょうか!?

 紅葉さんが、時折見せる超人類的な一面に僕は毎回戸惑ってしまいます。


 「アタシは、ちょっと感が良いだけなのよ・・・。」

 紅葉さんは、意味をはかりかねることを言い出しました。


 「でもね、本気の試合でないエキシビジョンマッチだとしても・・・・。」

 紅葉さんは、少しタメをつくっていました。

 「本気のテニスで、ギャラリーのみんなが盛り上がるように、できなくもないわよ。」

 紅葉さんは、言葉に力を込めているようでした。

 

 「巳波くん、勝ちたい?」

 「え・・・・?」

 「だから、今回のエキシビジョンマッチに勝ちたい??」

 紅葉さんの顔はズイッと、僕に急接近してきました。

 「か、勝ちたいです・・・・・。」

 勿論、できるものなら勝ちたいです。


 「そうなのね・・・・・。」

 紅葉さんは、軽く目を瞑ってウンウンとうなずいていました。

 そして、僕の目を見つめて・・・。

 「勝たせてあげるわ・・・・・。」

 うっすらと笑みを浮かべ、紅葉さんは僕に語りかけました。

 「でも、アタシ達の戦力では、まともにやりあっても勝ち目はないわね・・・。」

 紅葉さんは、僕が思っていたことを言いました。

 

 「だから・・・・!!」

 紅葉さんは両手で、僕の両肩を優しく掴みました。

 「作戦会議ね・・・・・・!」




 

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