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ちょっと年上の女の子  作者: らすく
第一章 旅立ち
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なんで、僕なんですか!?

 なんで、なんで僕が3人のプロ選手の中に入って、ダブルスすることになったのでしょうか・・・・?

 はっきりいって、全く自身がありません。

 (どうしよう・・・・・。どうしよう・・・・。)

 僕は廊下で、悩んでいましたが、そんなの僕の中に答えなどあるはずがありません。


 (・・・・・・・・・。このテニススクールのヘッドコーチは日向さんだ。

 日向さんなら、このカードに組み合わせについて知っているはずだ・・・・。)

 僕は、日向コーチに、このエキシビジョンマッチについて聞いてみることにしました。


 コンコン!

 「はい。」

 「夏目です・・・・。」

 「なんの用だ?」

 「失礼します。」

 僕は日向コーチにの部屋に入りました。

 「おう、なんだよ。夏目。」

 日向コーチは、なんの隠し事もないと言った顔で僕を見ています。

 それでも、僕は日向コーチに問いただしました。

 「このイベントの最後のエキシビジョンマッチに、ついてなんですけど・・・。」

 「ああ、そのことでか。」

 相変わらす、日向さんは平然とした顔つきです。


 かまわずに、僕は日向さんに問いただしました。

 「なんで、この組み合わせなんですか?

 この組み合わせは、たぶん日向コーチが決めたんでしょう??」

 「ああ、そうだぞ。なかなか面白そうだろう。」

 「・・・・・・!!!

 いや、面白がってきめてもらっちゃあ、困りますよ!!」

 僕は若干、興奮気味に早口に言いました。

 「ははは・・・・・。」

 日向さんは、興奮している僕をたしなめんとするように笑っていました。

 「だってな、夏目・・・・。」

 日向さんは、ワンクッションおきました。

 (日向さんは、何を言わんとしているのだろうか?)

 僕は、文字通りゴクリと唾を飲み込みました。


 「だってな、どうなるのか考えたらワクワクするじゃねえか!!」

 日向コーチは、満面の笑いで言い放ちました。

 「やっぱり、面白がってるんじゃないですか!!」

 僕は、相手が強面の日向さんであることも忘れて、大声を出してしまいました。

 「相手は現役のプロ二人、四季さんと、冬木さん。

 紅葉さんだって、勿論プロですよ!!

 僕だけ・・・・、僕だけが、場違いじゃないですか!!」

 僕は、思っていることを包み隠さずに吐露しました。

 

 「はははっ!!」

 日向さんは笑い出しました。

 「夏目、すまん、すまん。でもな、話を聞いてくれよ。」

 日向さんは、やっと真面目に話してくれる感じになってきました。

 「夏目、。お前はよ、ダブルスに向いているんだよ。

 お前はそう思っていないかも知れないが、自分の力量にきずいていないんだよ。」

 「え・・・・・・。」

 思いもよらない高評価に、僕はどう反応していいのかわかりませんでした。

 「しかも、お前のパートナーの紅葉はボレーの名手だぜ。

 あいつがネット際にいるときは安心していいとおもうぜ。」

 たしかに、紅葉さんはのネット際のプレーは神業と言ってもいいぐらいのすごさです。

 たとえ、男子選手であったとしても、紅葉さんのネットプレーを崩すことは用意ではないでしょう。

 「俺は、でたらめにこの組み合わせにしたわけじゃないんだぜ。必ずいいエキシビジョンマッチになるとおもうぜ。」

 「そ、そうなんですかあ・・・。」

 日向さんの言葉をきいても、じつは僕は半信半疑でした。

 「もう一つ教えてやるよ。四季と、冬木はな、生粋のシングルスプレーヤーだぞ。

 後ろで打つストロークは二人とも絶品だが、ネット際でのショットは、ボレーはそれほどではないんだぜ。」

 「えっ・・・。」

 次から次へと続く日向さんの言葉に僕は動揺しました。

 「ダブルスに関しては、ボレーのウェイトが多くを占める。

 確かに、個々の実力では、四季・冬木組が、遙かに格上だ。

 だが、ボレーの力は、夏目・秋原ペアが唯一上回っている要素だ。

 それを、最大限に生かせばお前らに十分勝機はあるぞ。」

 (ほっ・・・・。)

 僕は、日向さんのおかげで正気を取り戻せました。

 しかし・・・・。


 僕は、日向さんのいる部屋から出ようとしたその時・・・・。

 「見物だなあ・・・・。」日向さんが小声で、そう呟いているのが聞こえました。

 僕は、とても不安で一杯になりました。


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