紅葉さん、大丈夫?
僕はどうして良いのかわからないまま、控え室に紅葉さんをつれて入りました。
しかし、先ほどの四季さんは、いくら紅葉さんと親しい仲とはいえ正直やり過ぎだと思いました。
(ちょっと、あれでは紅葉さん可愛そうだなあ・・・・。)
控え室に入り、紅葉さんは椅子に座りました。
そして、紅葉さんは何も言わずにうつむいています。
「・・・・・・・・・・。」
いっこうにしゃべる気配はありません。
紅葉さんは、机に両腕を下敷きに顔を埋めて、とっつぷしの状態になっていました。
(紅葉さん、本当に大丈夫かなあ・・・・。)
勿論、紅葉さんの事はとても心配です。
でも、今の紅葉さんの様子をみて僕は思いました。
(こうゆうところをみると、やっぱり紅葉さんも女の子なんだなあ・・・。)
それから紅葉さんは、グスッグスッと言って背中を震わせていました。
(あれ・・・・。も、紅葉さん、泣いているのかあ・・・。)
僕は、紅葉さんに対してどうすればよいのか全く思いつきませんでした。
(それとも・・・・、そっとしてあげるのがよいのかなあ・・・・。)
すると、紅葉さんはスンスンッと言いだし、カラダを震わせていました。
(やっぱり、このまま紅葉さんをほっとけないなあ・・・。)
僕はいたたまれなくなって、紅葉さんの顔をそっとのぞき込みました。
そしたら・・・・・!!!
僕ののぞき込みに対して、紅葉さんはスウッと顔を上げてきました。
僕は、現れた紅葉さんの顔を見て非常に驚きました。
なぜなら・・・・・・!!!
なんと紅葉さんは、歯を出して三日月みたいなかたちの目と口で<ニイイッ>と、とても不敵な笑みを浮かべていました。
(ひいいっ・・・!!紅葉さん、紅葉さん、怖い・・・・・・。)
「巳波君・・・。」
ニイイッとした表情のまま、紅葉さんは僕の名を呼びました。
「はいっ!!」
僕は、何故かキビキビと返事ができました。
「今日のメインイベントのエキシビジョンマッチね・・・・・。」
実は、今日のイベントの最後には、ミックスダブルス(男女混合ペアのダブルス)があるのです。
おそらく、今回のゲストの四季折夫さん・冬木雪乃さんはメンバーに入っているでしょう。
「は、はあ・・・・・。」
紅葉さんが、元気(?)に回復したのはよいのですが・・・・。
ちょっと、紅葉さんがなにを言わんとしているのか、僕はよくわかりませんでした。
紅葉さんは、ニイイッのに二倍増しの表情で言い放ちました。
「ダブルスで、折夫をコテンパンにやっつけて大恥を掻かせてやるわよ・・・!」
そういって、紅葉さんは僕の肩をポンポンと軽く叩いてきました。
「はい??」
僕は、紅葉さんに言われてる意味がいまいち良く分かりませんでした。
「あの・・・。紅葉さんはエキシビジョンマッチにでるんですか?」
「そうよ!」
(やはり、紅葉さんはミックスダブルスのメンバーにはいっているのか・・・・。
紅葉さんの力量から考えて、当然だろうな・・・。)
「あの、パートナーは誰なんですか?」
(そもそも、紅葉さんは誰とダブルスを組むのだろうか!?)
「対戦相手は折夫と雪乃よ・・・・。」
(そうでしょうねえ・・・・・。ゲストのプロ選手だから。)
「ええ・・・・。」
四季折夫プロ・冬木雪乃プロ・秋原紅葉プロ。
この3人の中に入って、試合をする人は大変なプレッシャーだと思います。
「戦うのは・・・・。アタシと・・・・。」
紅葉さんは、スッと自分を指した。
(だ、誰なんだろう・・・・・?)
「ア・ナ・タ・・・!!」
紅葉さんは、僕をビシッと指さしました。
「ええええええー!!!!!!!」
(そんな、バカなあーーーーーーー!!!!!)
僕は紅葉さんを置いて、思わず控え室を飛び出し廊下に出てしまいました。
そして僕は、廊下に張り出されていたイベントのポスターを見て驚愕しました。
最後のメインイベントのエキシビジョンマッチの名前は・・・・。
四季・冬木組vs夏目・秋原組 のミックスダブルス。
「うおおお・・・・・・・。」
僕は膝を突き、両手を床に置いていました。




