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ちょっと年上の女の子  作者: らすく
第6章 甦る記憶
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~~~~~ 果たして彼女の実力は本物なのか!? ~~~~~

 ===== 霧の中、僕は歩く =====

 どちらに行けば良いのでしょうか。全く分かりません。

 先の先が見えないのです。それどころか目の前ですらおぼろげなのでした。

 まさにこれが五里霧中というやつなのでしょうか・・・。

 (はっ・・・。)

 ボクは気が付いたのです。明らかにこちらの方向に人の気配があるのでした。

 迷わず僕はその方向に向かって歩きました。その先には誰がいるのでしょうか。

 ~~~~~ 迷っても大丈夫よ ~~~~~

 優しい声がしました。聞き覚えがあります。

 ボクはさらに、その人の方向に近づきました。

 そして・・・。

 「うわあああ!!!」

 その先には厳ついサングラスのスーツ姿の中年男性が立っていたのでした。

 「だ、だ誰だ!!?」

 ===== ガバっ =====

 ボクはベッドから跳ね起きたのでした。


 「さーてと。」

 朝ごはんも終わらせ落ち着きを持ったボクは、気合を入れて着替えていました。もっとも別にオシャレをしている訳ではありませんが・・・。いつも通りにTシャツにジーンズなのです。要は気持ちの問題です。早速に僕はリュックを背負い、試合会場に向かうことにしたのでした。

 全米オープン程の大きな試合となると、1度に何試合もが平行して行われます。全てを網羅するのは不可能です。だから僕は二つの基準を持って、観戦を試みたのでした。男女シングルスの1回戦は3日間もかかります。

 ===== ガチャ =====

 その部屋を出るともうここは会場の中なのでした。目的のコート向かうべく、僕は歩き出したのでした。


 ===== ピタッ =====

 あることに気が付いて、脚を止めたのでした。

 ===== ガサガサ =====

 僕はリュックを物色しました。

 「これだ。」

 それは手帳でした。

 ===== ペラペラ =====

 「ふんふん。」

 これには実は事前に書き込まれたモノがあるのです。

 「たぶんこっちかな。」

 手帳を確認した僕は、慌てずに歩きだしました。

 「あっ!すいません。」

 「sorry。」

 うっかりと肩がすれ違う人に当たってしまいました。でも相手の人も悪いと思っていたらしく、僕はホッとしたのでした。

 久々の人混みに、僕は戸惑いを隠せませんでした。考えてみればこのニューヨークに来てから、この一年間ずっとテニスに打ち込んでいました。だから浮世離れした自分に気が付かされたのでした。

 だからと言ってこの大切な時間をおろそかにしてはいけません。

 ふたたび僕は脚を速めたのでした。

 

 ===== ワアアア =====

 周り中から観客の期待の声がします。

 再び手帳に目を通しました。

 「うん。ここだ。」

 実は僕は事前に試合の予定表をチェックし、少しでも見たい試合が見れるようにスケジュールを組んでいたのでした。何せ幾つものコートで同時に試合が進むのです。予めピックアップしておかないと、何を見たら良いのか分からなくなります。

 そして勿論これが、興味のある試合なのです。

 全米オープン女子シングルス本戦、一回戦第一試合です。

 ===== ワアアアアア! =====

 より歓声が大きくなりました。両選手の入場です。

 

 この試合は話題性があるのです。シード選手は優勝候補に挙げられる強豪です。

 しかし問題はそこではないのです。対戦相手の予選から勝ち上がってきた選手の方なのです。

 ・・・・そうこの選手が先日この僕が新聞で見つけた人なのです。予選から全ゲームを取り、ストレートで勝ち上がってきた選手・・・。話題となり新聞にチョットだけ出ていました。

 ~~~~~ 果たして彼女の実力は本物なのか!? ~~~~~

 そう思っているのは僕だけではないでしょう。きっとこのコートで観戦している皆さんも期待しているはず・・・。彼女の圧倒的強さを・・・・・。

 

 シード選手は身長170センチくらいでしょうか。細身で精悍な顔立ちなのです。地元アメリカの選手です。金髪の白人です。ちなみになかなかの美人です。周りの歓声に答える様に、笑顔で手を振っていました。そこには余り緊張感は無さそうです。むしろ余裕すら感じられます。シード選手ゆえに、初戦突破は必須といったところでしょうか。白地に青が散りばめられたシャツとスコートが、とても爽やかでお洒落なのでした。

 一方の予選から勝ち上がってきた選手は更に大きく、175センチを超えています。こちらも色白なのですが、シード選手と比較して若干ポッチャリ(失礼)な印象を受けます。シード選手とは対照的に若干緊張している様にも見えました。やはり彼女は、四大大会の本戦に出場するのは初めてなのでしょう。それとも自分の実力がこの試合も通用するのか、という不安があるのかも知れません。

 いずれにせよこの時点では、シードされているアメリカの選手は流石の貫禄なのでした。格の違いを観衆は感じている事でしょう。


 対戦相手同士でのサーブとラリー練習が終わった後、試合は始まりました。

 そしてその内容に僕は驚愕し、周りに観衆を含め評価は覆る事となるのでした。

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