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ちょっと年上の女の子  作者: らすく
第5章 変化
310/316

~~~~~ 話は一週間前に遡ります。 ~~~~~(5)

 「うん。なんとか。」

 そこで当たり障りのない相槌を打つ僕なのですが、心中は懐かしさで一杯です。彼の顔を見るだけで最近の悩みを緩和することができました。


 (はっ。)

 しかしそこで僕は我に返ったのです。

 どうしてサニーがここに来たのか。

 この屋内のテニスコートは一体誰が何のために作ったのか。

 それに未だに分からないのです。シオンさんの正体が・・・。

 しかし自発的にそれを知る術を、この僕は持ち合わせていないのでした。


 「調子は如何ですか。」

 「うん。絶好調。来週には試合が控えてるよ。」

 「じゃあ、今日は無理は出来ませんね。」

 何故かシオンさんは、少し残念そうな顔に見えたのでした。そんな彼女を見て、ちょっと僕は不思議な気分なのでした。

 「そんなことないよ!」

 そこでサニーは元気良く否定しました。

 「そうなんですか?」

 するとシオンさんは、何だかちょっと安心したような表情を浮かべていたのです。

 そしてサニーは僕の方を見やりました。


 「じゃあミナミ。準備してよ。」

 そう言いながらサニーは屈伸をするのです。その動きが何を意味するのか、自分にとっては明白なのでした。

 「分かった。ちょっと待って。」

 僕は着用していた私服を上着から脱ぎ始めました、が・・・。

 (はっ・・・!)

 勿論、直ぐに我に返ったのでした。

 そして僕は二人の顔を見回したのです。すると・・・。

 「こちらです。」

 「こっち!」

 同じ方向を2人は指差していました。

 どうやらテレパシーの様なものは、この3人で共有されている様子です。

 「すいません。着替えてきます。」

 バツの悪い僕は頭を掻きながら、その出入り口に向かったのでした。


 ===== ガチャ =====

 すると薄暗い廊下に出ました。

 (えーと。)

 たちまち僕は迷いました。

 「こちらですよ。」

 直ぐにシオンさんがついてきて、場所を教えてくれました。

 ===== カチッ =====

 入室すると同時に照明がつきました。どうやらここもセンサーが導入されていた様です。

 「では、ごゆっくり。」

 「は、はい。」

 そのシオンさんの気遣いが、何だか自分には恥ずかしく感じられました。


 ===== サー =====

 (はっ。)

 これは何の音なのでしょうか。

 緩やかな空気が流れを感じます。

 (これもセンサーか。)

 今までのこともあり、直ぐに僕は理解できたのでした。この更衣室は空調も管理されているのです。

 (・・・・・。)

 確かに最先端です。そのシオンさんの言葉に、嘘偽りはありませんでした。でも同時に別の考えが起こったのでした。

 (まさか・・・。)

 ここまで徹底的に空調が管理されているのです。その中にいる自分自体も管理されているのではないか、という疑問が沸いてきたのでした。

 僕は想像したのです。監視カメラで僕の着替えを眺めている、シオンさんとサニーの姿を・・・。


 さて冗談はさておき、僕はテニスウェアに着替えてテニスコートに戻ったのでした。

 「お待たせ。」

 「おう。来たな。じゃあ準備ができたら、やろうか。」

 「うん、分かったよ。サニー。」

 いつものストレッチをこなした僕は、速やかにコートに入りました。

 「さあ。」

 「うん。」

 ===== ポンポン =====

 軽い打球音が響きます。僕とサニーはお互いに(※)サービスラインの前でクロスの方向に立ち、ゆっくりとしたスイングで打ち合うのでした。これは恒例のウォーミングアップというべきものです。


 (※)サービスライン・・・テニスコートにおけるサービスラインとは、ネットより約6.40mの位置に横に引かれた線のことです。サービスラインとネット、そしてシングルスコートのサイドラインで囲まれた四角いエリアが、サーブを打つ際にボールを入れなければならない領域です。


 ===== サッサッ =====

 実際にその様なスイング音がしていたのかは、果たして定かではありません。でもそれだけ自分は緊張感をもってして、彼と向き合っていたのは確かなのです。その気持ちが彼にも伝わっていたのでしょうか鋭い、しかし正確な打球が返ってくるのです。

 流石はプロ。彼に対しては率直にそう思ったのです。

 そしてこの僕はまだアマチュア。

 冷静に考えると、この状況を有難い、と思わなければいけないのです。

 「今度はボレーをしようか。」

 そのサニーの声掛けに、益々の感謝を心に抱いた僕なのでした。 

 そして二人きりの貴重な練習の時間は経過していきました。


 「ふう。」

 「はあっ。」

 僕達2人とも息が上がっていました。

 その時間にしては1時間位でしょうか。それでも密度の濃いメニューをこなし、僕は大満足なのでした。

 もう細かい会話は必要ありません。僕とサニーはテニスボールを介して、再会の喜びを分かち合ったのですから。そしてその状況を彼女は察したのでしょう。

 「では今後の事について、お話し合いを致しましょうか。」

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