告白
容赦なく、その女性コーチとの休日は始まりました。
「カフェでもいきましょうか。」彼女に誘導されるままに、スタバ的なお店に入って行きました。
読者の推測は正しく、僕は女性とお茶など生来行ったことがありませんでした。従って、どんなタイミングで何を申せば良いのか勝手が分かりませんでした。
「女の子と遊びに行った事ないの?」いきなり、見抜かれました。
「まあ、確かにそうですね・・・・。」そう言わざるおえません。
「なんか君、先を見据えているように見えるんだよね。うん、割と早く次のステップに進んでいきそうな感じがするんだ。今のままでいたくないでしょう?」僕は、彼女がなにを指しているのかすぐに分かりました。
「はい、確かに今の自分は次の目標に向かっていますね。あの、僕が何を言っても笑わないで下さいね。」僕は防御壁を事前に張り巡られた。
「うふふ、笑ったりしないわよ。」そういって、彼女は微笑んでいた。
ううん、とても笑われそうです。でも、僕は彼女に言いました。
「じつは・・・・・。」僕は躊躇しました。
「なんだい、お姉さんに言ってごらんよ。」とても、彼女はフランクに変貌しました。
「実は、僕はプロテニス選手を目指しているんです。おこがましいかもしれませんが。」ついに告白してしまいました。しかし、彼女は微笑んでいますが、僕の告白は笑ったりしていませんでした。
「応援するよ、私。」女性コーチはにっこり微笑みました。意外な反応です。
「私は秋原紅葉、プロテニス選手です。えへへ・・・。」突然の、彼女のテへペロな自己紹介です。
「実は私怪我をしてて、今はプロテニスの活動休止してるんだ。でも回復したら、またプロの世界にもどるわよ。だから君も、頑張ってプロテニス選手になっても欲しいな・・・。」思いがけない励ましの言葉でした。僕は、とても深い感銘を受けました。
「僕は、夏目巳波はプロテニス選手に絶対なります!」僕は、突然の決意表明をしてしまいました。しかも、勢いで三話目にして読者の皆様に氏名を公表しました。
「うふふっ、是非プロテニス選手になってね。私も、一日も早く完全復活したいからね。」相乗効果を得たのか、紅葉さんはとてもご機嫌でした。今回のカフェタイムは、大変有意義なものでした。
僕は、その夜はとても上機嫌で眠りにつきました、えへへ。そして夢の中で、久々にあのちょっと年上の女の子に再会しました。
「どう?展望は開けそうかな?」彼女はいつも通りに、話しかけてきました。
「あの、前から聞きたかった事を質問してもいいですか?」以前から、知りたかったのです。
「ん?なんでしょうか?」
「お名前を教えて欲しいんです。僕は、巳波です。」ついに、追求しました。
「ああ、私は桜だよ」あっさり答えてくれました。すこし拍子抜けしましたが、また彼女との距離を縮められて満足しました。