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ちょっと年上の女の子  作者: らすく
第一章 旅立ち
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僕の頭が、整理つかない

 ・・・・。僕は、紅葉さんのアパートから家路につくことになりました。

 ・・・・・・・・。短い時間で、いろんな事がありすぎて、頭の整理がつきません。

 僕の頭の、処理能力を超えてしまっています。


 紅葉さんの、禁止薬物使用の心配は確かになくなりました。

でも・・・・・。でもです・・・・・。

 僕は、紅葉さん本人が心配になってきました。


 おそらく、紅葉さんの体では、プロテニス選手に復帰するのは難しいかも知れません。

本来は、紅葉さん激しい運動ができる体ではありません。

 しかし、紅葉さんの内臓をサポートする薬が手に入った。

 そして、紅葉さんにはテニスの才能があった。

 紅葉さんは、テニスの才能に恵まれすぎている故に、無理をしてでもプロテニスの選手になった。

 結果、紅葉さんは激しいテニスの試合を重ねているうちに、内臓に負担を強いてしまい痛めていったのだろう・・・・。


 ひょっとしたら、紅葉さんは特に才能のない平凡な女の子に生まれた方が、幸せだったんじゃないだろうか・・・・。

 無理をして、テニスを続けられるのは、若いときだけだろう・・・・・・。

 だとしたら、紅葉さんの将来って・・・・・・・。

 

 気がつくと、僕は帰路途中の公園のベンチに座っていた。

 (・・・・・・・・。僕はこのまま、アメリカにいっていいのだろうか?

 紅葉さんが心配で、仕方がない・・・。)

 僕は、しばらく思考停止してたたずんでいました。

 

 そして、僕の隣に人が座ってしました。

 久しぶりに、あの人が現れました。


 「巳波くん、元気ないね・・・・。大丈夫かな・・・・。」

 桜さんは、心配そうに僕の顔をのぞき込みました。

 僕は、振り向いて桜さんの姿を確認しました。


 桜さんは珍しく、カンカン帽をかぶっていました。

 まるで、どこかに買い物を行ってきた帰りみたいな服装でした。


 「ああ、今日はお買い者の帰りなの・・・・。北部デパートとかでね・・・・。」

 僕の推測は、本当に当たっていました。

 誰と、お買い物に行ってきたのだろう、という質問は野暮なのでやめておきます。


 「僕が言うのも何ですけど、桜さん帰りが遅いですね。」

 桜さんは、お買い物だけにしては、帰りが遅いと思いました。

 「巳波くんに会おうと思ったら、この時間になっちゃったのよ。」

 桜さんは、いつも突然と現れる。

 考えてみたら、桜さんは時間・場所を問わずに現れる。

 (僕の部屋に現れたり、夢の中にも出てくるもんな・・・・。)


 僕は、昨日今日のあった出来事を、全て桜さんに話しました。

 桜さんには、何もかも隠し立てしなくて話す事ができます。

 だって、僕がプロテニス選手を志すきっかけは、桜さんとの出会いだったから・・・。

 桜さんは、僕の話を粘り強く、うなずきながら聞いてくれました。


 「巳波君・・・・・・。」

 桜さんは、僕の体に穴が開くのではないか、という位の強い視線を送りました。

 「・・・・・はい?」

 僕は、なにを桜さんに何を言われるのか、グっと緊張しました。


 「悩んでも、何も変わらないよ・・・・。

 何かをしないと、何も変わらないよ・・・・。」

 桜さんは真顔で、とても思い言葉を、僕に与えてくれました。


 「自分がやりたいことを、躊躇する理由を、無理矢理に作っちゃ駄目だよ。

 巳波君は自分がプロになる勇気が揺らいでいるのを、紅葉さんのせいにしようとしているよ。」

 

 (・・・・・・・・!)

 確かに、桜さんの言うとおりです。

 僕が、今ここで悩んだところで、紅葉さんの病気が治るわけではありません。

 紅葉さんが、せっかく僕のことを応援してくれているのに、僕はその気持ちを裏切っていた・・・。


 「わかった・・・!僕は、僕のやるべき事をやめちゃいけない・・・・・!」

 僕は、自分の気持ちを再確認できました。


 (・・・・・・・・・・・・。)

 今回も、例によって桜さんは、いつの間にかいなくなっていました。

 僕は、若干しっかりとした足取りで帰宅しました。


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