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ちょっと年上の女の子  作者: らすく
第1章 旅立ち
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巌流島的、ババ抜き

 僕は紅葉さんの安否と噂の真偽の為に、アパートに行きました。一抹の不安(本当は十抹くらい)を抱えながら、アパートのドアをノックしました。現れるであろう紅葉さんを、ドキドキしながら待ちました。


 「はい、どなたでしょうか?」

「あの、夏目です。紅葉さん大丈夫でしょうか?」僕は恐る恐る、紅葉さんの安否を問いました。

バタン!!ドア勢いよく開きました。


 「イヤッホー!!大丈夫だよ!!」紅葉さんが、大きく両手を広げて現れました。

(ん、なんだかデジャヴが脳裏をよぎりました。)

「紅葉さん、もう風邪は大丈夫なんですか??」想像と違った、紅葉さんの様子に僕は若干たじろぎました。

「うふふっ、もう平気だよっ!!一晩寝たら、120%回復したよー。」紅葉さんは、腰に両方の拳を当ててアピールしていました。勢いの良い紅葉さんに、僕は不安な気持ちを忘れさせられそうでした。


 「みーなーみーくーん。」紅葉さんはニコニコしながら、僕の名を呼びました。

「あーそーぼーっ!!」なんだか、またデジャヴが僕の脳裏をよぎりました。

「紅葉さん、何して遊ぶんですか・・・?」僕の頭の中に、恐怖のワードが脳裏をよぎった。

(まさか、まさか・・・。これは正夢なのか・・・!)

「うーん、よし決めた!!」いきなり、紅葉さんは腹が決まった様でした。僕はゴクリと、唾を飲み込みました。


 「トランプしよ!!」紅葉さんは、至極健全な遊技を提案してきました。

(ほっ・・・。)僕は安堵感とともに、体の力が抜け落ちました。

「巳波くん、どうしたのー?」紅葉さんは、ちょっと心配そうに僕を見つめていました。


 「それでは、神経衰弱でもやりましょうか?」僕は今度は逆に、トランプのゲームを提案しました。

「覚えるの面倒くさいよー。そんなのするくらいなら、死んだ方がましだよー。」どんだけ、神経衰弱が嫌なんですか・・・。

「じゃあ、ポーカーではいかがですか?」トランプ麻雀ともいわれるポーカー。二人でもそれなりに楽しめるゲームです。

「マジで?遊びで駆け引きなんかするの?」いや、そういわれたら実も蓋もないのですが・・・・。

「うーん、それでは七並べ、は?」僕はちょっとイライラしながら、いいました。

「えー、相手のカードせき止めたり、とても性格悪いやつが強そうじゃないー。」紅葉さん、メチャメチャ偏見に満ちた意見を申しました。

「・・・・なにをしたいんですか?」僕は完全に、さじを投げました。


 「ババ抜き!!」紅葉さんは、さも最初から決めていたような物の言い方でした。

二人で、ババ抜きをプレイする・・・。読者の方々も、是非想像していただきたいと思います。

二人に配布させたカードですでに、数字のそろったのカードが多数あります。

そして、残ったカードもジョーカーを引く意外には必ずあたりを引くことになります。

(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。)僕は、絶句しました。


 「たった二人でババ抜きなんて、楽しんですか?紅葉さん・・・。」

「うん!どちらをのカードを引けばよいのか、とってもスリリングなゲームだよ!」

紅葉さんは、1ミリの迷いもなく答えた。

(紅葉さん、僕をからかっているのか?でも、そんなことないか。だって、目が本気だもん・・・。)

実際、紅葉さんは両手をグーにし、フルフルさせて目を輝かせていた。


 たった二人にババ抜きが始まりました。

(これをあえて名付けると、{巌流島的、ババ抜き}と言うべきなのかな・・・・)


※注釈・・・巌流島は、その昔、宮本武蔵と佐々木小次郎が決闘した舞台である。つまり、巳波は1対1のババ抜き、になるのでこのような命名をしたものと思われる。


 (ふむう、キャラ的に紅葉さんが武蔵で、僕が小次郎になるのであろうか・・・・。)

僕は勝手に、感慨深そうにフムフムとうなずきながらゲームに入りました。

「うわー!アタシがババあたりだー!」紅葉さんが絶叫する。

(大げさだなあ紅葉さん、やっぱり子供みたいなところあるなあ。)

それから、ババ抜きのカードの引き合いがスタートしました。

お互い引くカードがジョーカーでない限り、数字がそろうあたりばかりです。

僕が、紅葉さんのカードを引こうとしたら、紅葉さんはニヤリと笑いました。

(まさか、このカードはジョーカーなのか?)

僕が別のカードを引き直したら、紅葉さんはとてもガッカリとした表情をしました。

(紅葉さんは、どんだけ喜怒哀楽が激しいのだろう。)

紅葉さん表情のおかげで、僕はババを引かずに順調にカードを減らしていきました。


 そして、僕の順番です。

しかも僕が残り一枚、紅葉さんはジョーカーを含めて残り二枚でした。

僕がカード引こうとしたときに、紅葉さんの顔を見ました。

(紅葉さん、なんだか今にも泣きそうだなあ・・・・。)

僕はだんだんと紅葉さんが、不憫で可愛そうになってきました。

(しかたないなあ・・・・・。)

僕は、目をつぶって紅葉さんのカードを引きました。

「あー!巳波くんババ引いたー!!」僕は、初めてババを引いていました。


 そして、紅葉さんは僕に回ったババを引かずに上がりました。

「やったあ!勝てたあ!!」紅葉さんは満面の笑みです。

(紅葉さん、相変わらず無邪気だなあ。)

僕も心の中で、ホッと肩をなで下ろしていました。



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