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ちょっと年上の女の子  作者: らすく
第一章 旅立ち
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テキパキと・・・

 病院での診察の結果、紅葉さんは普通の風邪でした。おそらく、疲れが疲労性のものであろうということでした。薬を飲んで寝ていれば、問題なく回復するとのことです。僕はホッと胸をなで下ろしました。

 紅葉さんをアパートに送り届けました。(考えてみたら、若い女性の部屋に入るなんて初めてだなあ・・・)僕は、紅葉さんに肩を貸しながら部屋に入りました。


 「おやっ・・・」僕は思わず声を出しました。

(紅葉さんのイメージと違うなあ・・・。)

目についたのは、ヌイグルミでした。カニとか、犬とかその他、とても可愛らしい感じのものでした。きっと子供の頃から、これらを大事にしているのではないかという感じがします。

(紅葉さんって、意外と女の子っぽい一面もあるんだなあ。)僕はある意味、紅葉さんに対して安心感を持ちました。


 紅葉さんを慎重にベットに寝かせて、薬を側に置きました。僕は長居をせずに帰ろうと考えました。

いくらなんでも、男女二人きりはまずいと思います。しかも紅葉さんは、体調不良でぐったりとしています。しかし診察の通り、風邪だから寝ていれば大事には至らないはずです。


 「巳波君、帰るの・・・?」紅葉さんは、薄目をあけながら呟くように言いました。

「はい、申し訳ないんですけど・・・・。僕は帰ろうかと思います。」僕はとても言いにくいけど、はっきりと言いました。

「巳波くんに、風邪をうつしてもいけないよね・・・。でも・・・」紅葉さんは、少しためらいがちに言いかけました。

(でも・・・。なんでしょうか。)僕は、若干不安を抱えていました。

「あたしをパジャマに着替えさせてくれないかな・・・。お願い・・・。」紅葉さんは、残り少ない声を振り絞るような様子で僕に訴えかけました。

「う・・・」僕は、紅葉さんのお願いに思わずたじろぎました。

確かに、汗をかいたテニスウェアを着用したままでは、余計に体調を悪化させるかも知れません。

しかし、若い女性をを着替えさせるなんて、僕にはハードルが余りにも高すぎます。

「それは、ちょっと紅葉さん、ごめんなさい・・・。」ぼくは、力なく断ろうとしました。


 その反面、そのまま紅葉さんの元を去るのは可愛そうになってきました。

その瞬間に、僕の心の中に(それは違うぞ!)という声が響きました。

(そうだ、僕が勝手にいやらしく考えているだけなんだ。紅葉さんは本当に僕に助けを求めている。)

「分かりました!!紅葉さん。」僕はテキパキと、紅葉さんを着替えさせてあげる決心をしました。

「あの、紅葉さんパジャマはどこにありますか?」

「あの衣装ケースの引き出し、一番下・・・・・」紅葉さんは、意識がもうろうとしている様子でした。

「了解しました!紅葉さん。」僕は早速に、衣装ケースの一番下の引き出しをあけました。しかし・・・。

「なっ・・・・。」僕は、絶句とともに体が硬直しました。それもそのはず・・・・。


 僕が開けた引き出しには、紅葉さんの下着が敷き詰められていました。

「ん・・・。一番下から、二番目の引き出しだよ・・・・」どうやら、紅葉さんに悪気はなさそうでした。僕がテキパキしようとしたことが、逆に仇になってしまったようです。

(うわああ!!今のは忘れる、忘れる!!)僕はブンブンと頭を振りながら、気を取り直そうとしました。


 僕は紅葉さんのテニスウェアを脱がしました。

そして、お湯で濡らしたタオルで紅葉さんの体を拭きました。

僕は何とか無事に(?)紅葉さんをパジャマに着替えさせることができました。


 「巳波くん、ありがとう・・・体まで拭いてくれて、ありがとう・・・」

本当に紅葉さんは、心から僕に感謝している事が伝わって来ました。

「じゃあ、僕は帰りますね。明日また来ますからね。」

(スヤスヤ)紅葉さんは、完全眠ってしました。隠さずに寝顔を見せるときの紅葉さんは、ちょっと可愛いな、と思いました。

僕は、まだ心配な感じもしましたが、帰ることにしました。と今日はまだ、これで話は終わりませんでした。

 

 僕は、帰りのコンビニでとある雑誌を手にとって動揺しました。

この雑誌の記事が、僕にとって大きな出来事に発展することになるのでした・・・・。


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