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ちょっと年上の女の子  作者: らすく
第一章 旅立ち
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もみじちゃんと、一緒!

 今日もテニススクールの控え室で、僕は一人でたたずんでいました。

(うっ。)僕はうっかり居眠りをしていたようでした。

(あぶない、あぶない。まだ、次のレッスンがあるのに寝坊するところだった・・・)


 バタン!!勢いよくドアが開きました。僕はビックリして、眠気が覚めてしまいました。

「イヤッホー!!」とても大きな声で、紅葉さんが入室してきました。

しかも、大きく両腕を広げ、ピョンピョンと飛び跳ねてきました。

さらに、紅葉さんは頭にウサミミを装着しています。


 (・・・・・・!)僕は、あっけにとられ、ぽかーんと口を開けていました。

「みーなーみーちゃーん。」紅葉さんは、とても高い声で僕を呼びました。

「は?」僕は、どの様に反応したらよいのかわかりません。

「あーそーぼー。」紅葉さんは指をくわえながら、いいました。

「えっ・・・?なんだか今日の紅葉さん変ですよ。」僕は、至極常識的な返答をしたつもりでした。

「えーーー。」紅葉さんは、眉をひそめてとても嫌そうな表情をしました。

「今日の紅葉たん、昨日の紅葉たんって言われても困るようー。」紅葉さんは、まるでペンギンの様に、両腕をパタパタさせながら言いました。


 (紅葉さんは僕をからかっているのか?いや、そうではなさそうだ。だって紅葉さん、子犬のような眼で僕を見つめているんだもん・・・。)

 僕はすべてを理解しました。紅葉さんいや、ここはあえて、もみじちゃんと呼ばせてもらおう。

もみじちゃんは幼児後退しているのだ。こうなったら、適当に相づちを打つしかない・・・。


 「なにしてあそぶー?」もみじちゃんは満面の笑顔で、僕に問うてきました。

 「うーん。なんでもいいよ。」面倒くさくなり、僕はつい投げやりな態度を取ってしまいました。しかし、それは非常にまずいことでした。

 

 「んーーー。」もみじちゃんは両腕で頭の上に輪っかをつくって考えていました。

そして、両方の拳を腰に当てて、

その場でスキップを始めました。

しばらくして、そのスキップは止まりましたが、その時・・・・。


 「うん、じゃあ決めた!お医者さんごっこ、しよ!」

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 もみじちゃんが、ポロシャツを脱ぎ始めました。

「うわー!わー!」僕はあわてて、ももじちゃんの脱衣を阻止しようとしました。


 しばらくもみ合いになった後、ももじちゃんの動きが急にピタっと止まりました。

そして、もみじちゃんは僕の頭上に右腕を伸ばしてきました。僕はギョッとしました。

(なでなで)いきなり、ももじちゃんは僕の頭をなで始めてきました。

でも不思議と嫌な感じはしなかったです。

「いいこ。いいこ。」ももじちゃんはニコニコと無邪気な笑顔をしていた。

(ああ・・・。頭をなでられるのって、気持ちいい・・・。)

僕は、もみじちゃんに、至福の喜びを与えられました。そして、混沌とした眠りの世界に誘われました。


 「巳波くん、起きて、起きて。」目を覚ますと、紅葉さんが僕の頭をなでていました。

「次のレッスンが始まるよ。早く準備しようよ。」

「はい。」僕は疲れていて、居眠していたようでした。

しばらく、恥ずかしくて紅葉さんの顔をまともにみられませんでした。

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