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ちょっと年上の女の子  作者: らすく
第2章 修行
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名探偵 巳波

 とても気になります。

 あのサングラスをかけたスーツ姿の男性が誰なのかを・・・・。

 そしてムーンは、その男性の事を知っているのではないのでしょうか。

 さらに先ほどの黒い公衆電話での会話も、何か秘密の様なものを感じられるのでした。

 きっと彼女には、僕の知らない顔が有るのではないのかと思うのです。

 そして自分の内なるものから、ムーンの正体を知りたいという、欲望が生まれてきたのでした。

 (知りたい・・・・・。

 彼女が本当に、何を考えているのか・・・。)

 そのためには自分は何をすべきなのか・・・。

 気がつけば僕たちは、露天商店が並んでいる通に来ていました。

 いい具合に怪しい(?)感じの商店が、立ち並んでいました。

 (おお・・・・。)

 そこで自分は丁度、望んでいたものに巡り合えたのでした。

 それは・・・。


 「お兄さん、それ気に行ったかい?」

 「え、まあ・・・・。」

 「それ、なかなか売れないから、安くしとくよ。」

 (ラッキー!)

 ボクは心の中で、ガッツポーズを取りました。

 「なにを買ったの?」

 グイッとムーンが僕の顔を覗き込んできました。

 「まあ、いいからさ。」

 僕は、興味を持っていそうな彼女に対して、そっけない態度を取りました。

 でもそのことに対しては、なにもまずいとは思っていないのでした。

 だって少々ボクがそんな態度を取ったところで、そんなことを気にするような女性には見えないのでした、ムーンは・・・。

 「毎度あり。」

 「こちらこそ、ありがとう!」

 安価で欲しいものが、手に入ったので、僕はちょっと機嫌が良かったのでした。

 「ふうーん?

 それを使って何をするつもり?」

 ムーンは、変わらずに興味津々に大きな眼で、僕をまっすぐに見つめているのでした。

 「疑問を解消するのさ。」

 ボクはレンズ越しに、彼女の顔を覗いていました。


 「なにー?

 そんなに見られたら、なんだか照れるなあ!」 

 ムーンは右腕を頭の後ろに回して、舌をちょっとだけ出していました。

 「むむむー。」

 さらにボクは、レンズ越しに彼女の顔を凝視しました。

 「なんなのー!?

 言いたいことがあったらいいなよー!」

 しつこい僕の視線に、さすがのムーンも戸惑いを見せている様に伺えたのでした。

 「貴女は、何かを隠していますね。」

 ボクは、彼女の顔にビシッと指を向けました。

 「は、ははーん!

 だからそんなものを、買ったのね!!」

 ムーンは納得したと言わんばかりに、両拳を腰に当てて仁王立ちをしていました。

 彼女が指摘した通り、僕の姿は・・・。


 ベレー帽を被って、パイプを加えながら、ルーペで凝視をしている・・・・。

 これらの3点とも、先ほどの露天商で購入したものなのでした。

 人は制服通りの人間になる・・・・、そうゆう言葉を聞いたことがあります。

 そうです、ボクはここ最近の疑問を解決すべく、心にスイッチを入れるべく、このような出で立ちを選択したのでした。

 「ワタシを疑っているの!?

 ホームズさん!」

 ムーンは、余裕を持ったような笑顔で、ボクに相対していました。

 「うん。」

 自分は、その事を彼女に対して否定しませんでした。

 なぜなら、それが最善の策だと、直感で感じ得たからなのでした。

 「強引だなあ!

 名探偵さん!!」

 ムーンは眉をちょっとだけ動かしましたが、不思議と嫌がってはいない、と思えました。

 「サニーの事だよね!」

 彼女は、すぐ側でたたずんでいるサニーに視線を動かして、ボクに言いました。

 どちらが強引なのかは分かりかねるのですが、自分の思ったように問題の核心に近づいている手応えが感じられてきたのでした。


 「そうさ、どうしてサニーがあんなに感情を抑えるようになったのか・・・。

 結果的に、ダンディズムに目覚めることになったのか・・・。」

 僕は加えたパイプをカクカク動かしながら、ムーンに話を深めていこうとしていったのでした。

 実際、彼の素っ気ない態度は、自分としては人為を計りかねているのです。

一体全体、サニーは何を考えているのでしょうか・・・。 

 「彼は緊張しているの!!」

 「緊張?」

 どうやらムーンの口から、思いも寄らない言葉が出てきました。

 そして一気に、今回の出来事の核心に突入していったのでした。

 「サニーは、近々開かれるアカデミー内の試合に緊張しているの!!」

 「!!!!!!!!!!!」

 彼女のからの、とっさの台詞に、僕は恐らく驚愕の表情を浮かべていました。

 「な、なんだって!?」

 「なにー?

 そんなに、サニーが緊張しているのが心配なの!?」

 確かに自分が、サニーの事が心配だったのは、間違い有りません。

 だから彼の一見素っ気ない態度、時折ダンディーに、ハードボイルドに感じる雰囲気には得体の知れない推測を、僕は張り巡らせていました。

 その疑問が、今まさに一気に解けたので、その点については安心感を得ることが出来たのでした。

 しかし、それ想定以上の情報の開示が、ムーンから行われたのですから、自分としては非常に慌てている訳なのです。


 「まあ、確かにサニーの事は心配だったさ。

 でも、それは何のことなんだよ。」 

 「ん?

 何が!?」

 僕は、ちょっとだけイラッときたのでした。

 だから余裕綽々な様子でいるムーンが、とても意地悪な女性に見えたのです。

 (ム、ムーンめ・・・・、シラを切ったな・・・・。)

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