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ちょっと年上の女の子  作者: らすく
第2章 修行
123/322

サングラスの中年男性

 僕たち三人は繁華街に着きました。

 「さーてと!!」

 相も変わらず元気なムーンなのでした。

 「まあ、様子見てみようか!」

 彼女は、一体何の様子を見るというのでしょうか。

 「さあ、入ろう!」

 なんと彼女は、右手で僕の腕を、左手でサニーの腕を弾いて入店したのでした。

 ムーンよりも、僕とサニーの体の方が大きいにも関わらずにです。

 その強い腕力に、僕は心の中で唖然としていたのでした。

 たしかに、ちょっと腕は太目なのですが・・・・。

 そして、誠に申し上げにくいのですが・・・。

 彼女のフトモモも、たくましい腕に負けずに、また見事なフトさなのでした・・・・。

 「ん!?」

 「うっ・・・・。」

 「なんか言った!?」

 「いや、なんにも・・・!」

 割とムーンは、勘の鋭い女性の様なのでした。

 そんな彼女に、自分が考え事をしていたことを気がつかれ、とても焦りを覚えたのでした。

 

 気を取り直して、店内を見回して見ました。

 どうやらここは、前回の外出にも訪れたバーなのでした。

 と、言うことは・・・。

 ここで、大方の展開は予想がついたのです。

 ムーンは、店内をキョロキョロと見回していました。

 それはまさに、僕の思い描いていた光景なのでした。

 「んんー!!」

 どうやら彼女は探している人物が、なかなか見つからないでいる様子でした。

 (あんなに大きな眼をしているのになあ・・・・。)

 「うーん!!」

 ムーンは、右手を額に沿わせて、まだ顔を左右に大きく振り続けていました。

 そんな彼女の姿を見て面白いから、もうちょっとだけこのまま見ていようかと思ったのです。

 そうしていたらなんと・・・・。

 

 いきなり彼女は、酔いつぶれている客の頭に、ポンと左手を置いたのでした。

 そして変わらずに、キョロキョロと周りを見回しているのでした。

 「な・・・、なな・・・・・・」

 僕は、思わず吹き出しそうになりました。

 「ムーン、いるよ。」

 「ん!?」

 僕の言葉で、彼女の動作がピタッと止まりました。

 「だから、そこにいるよ。」

 「どこに!?」

 ムーンは僕の顔を、まるで突き刺すような、いや、ブチ破りそうな大きな瞳を向けていました。

 「ムーンが触っているじゃないか。」

 「んんん!!!」

 彼女はキョロッと眼を、自身の手元に落としました。

 「うえーい」

 酔いつぶれていた男性が、ムーンの腰に手を置きました。

 「こりゃ!」

 彼女は、その酔っ払いの男性の頭をポカッと叩きました。

 「ういい」

 それに対して、男性は手足をバタバタさせて、よく分からない動きをしていました。

 「仕方がないなあ、おっさん!」

 そう言うなりムーンは、酔っ払いの男性の頭を撫で始めました。

 「なでなで!」

 「うえーい」

 「なでなでなで!」

 「う、えーい・・・・・・」

 酔っ払いの男性は、眠りについてしまいました。

 彼女には、なにか特別な能力でも有るのでしょうか。

 

 「このオッサンとは、今日はまともに話せそうにないなあ!」

 ムーンは両手を広げて、呆れているようなポーズを取っていました。

 それにしても、この酔っ払い・・・、オウバー・キャストさんは本当にプロテニス選手なんでしょうか。

 この姿を見ていると、正直そう思ってしまうのでした。

 「ま! 

 そこがこのオッサンの、良いところなんだけどね!!」

 そう言うとムーンは、満面の笑みを浮かべて万歳のポーズをしていました。 

 (な、なんなんだ・・・・!?

 この女、訳がわかんない・・・・!)

 彼女の根拠のないポジティブさに、僕は度々振り回されていました。

 そんな状況を切り裂くものが、突如として姿を現したのでした。


 (だ、誰なんだ・・・。)

 僕が気がついたその先には、サングラスをかけたスーツ姿の中年男性がいました。

 彼の顎には、髭が蓄えられていました。

 あと気がついたところは、その男性は東洋人の様でした。

 そして、先ほどから明らかに僕たちの方を、見ているようなのでした。

 でも、特に彼の方から、僕たちに話しかけてきそうな感じでもありませんでした。

 そうやって男性を見ていると、予期しなかった不思議な感情が芽生えてきたのです。

 何故か・・・、僕は彼に対して懐かしみを感じてきたのでした。

 (なんで・・・、ひょっとして僕は、この人の事を・・・。)

 「さ! 

 いくよ!!」

 そんな僕の思考を遮る様に、ムーンは僕の腕を引っ張り、外に連れ出そうとしました。

 僕は、そのとき悟りました。

 どうやらムーンは、僕をサングラスの中年男性から、遠ざけようとしていす様です。

 そして、もう一つ僕は悟っていました。


 ============== 僕は、このサングラスの中年男性を知っている =========

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