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ちょっと年上の女の子  作者: らすく
第2章 修行
114/318

またしても・・・

 (あのひとは、何者なんだろうか・・・。)

 レイさんは、さっそうとテニスコートに入っていきました。

 その姿は、相も変わらず妖艶でありました。

 そんな彼女を見届けて、ボクはスクッと立ち上がったのでした。 

 (さあ、続けようか・・・。)

 僕は再び、ランニングを始めました。

 (・・・・・・・。)

 少しばかりの距離を、走り続けました。

 本当に、ちょっとの間だけでした。 

 (うーん・・・。)

 正直に言うと、ボクは納得がいかないのでした。

 え?

 何に納得いかないのかって・・・・?


 気が付くと、僕はそこにいました。

 自分の目の前には一面に、菱型の針金が広がっているのでした。

 一言でいうと、金網です、・・・フェンス・・・。

 そしてボクは、唾をゴクリと飲み込みました。

 自分自身でいうのもあれなのですが、変質者の気持ちがわかる感じがするのでした。

 いえ・・・勿論、自分は決して変質者ではありません。

 ただ・・・、気になっているのです・・・。

 (・・・・・・・。)

 僕の心は、沈黙していました。

 でも、自分の本能は動いていたのです。

 ただ、本能の赴くままに・・・。

 (おお・・・・。)

 ボクは、声の出ない感嘆を発したのでした。

 それはやはり・・・・、妖しくも美しい・・・。

 天女の舞とは、このような事を指すのでしょうか・・・。

 ・・・・・・いえ・・・、これは悪魔の誘惑でしょう・・・・。


 やはり彼女は、美しかったのです。

 (やはりレイさんは、綺麗だ・・・。)

 テニスルックでプレイするレイさんは、まるで何かを踊っているのではないか、と錯覚するくらいの優雅さを醸し出していたのでした。

 ボクは覗き見ている様な、後ろめたさを持ちながら、彼女に見とれていたのでした。

 しかし、突然・・・・

 「ひゃうっ!?」

 急に背中をポンッと叩かれた僕は、たまらず驚きの声をあげたのでした。

 「あんまり女の尻に、見惚れるなよ。」

 ボクが振り向くと、サングラスをかけた男性が、声をかけてきたのです。

 「はは、いや・・・。」

 それに対して、僕は否定も肯定もしない、曖昧な相槌を打ちました。

 (う・・・・、うん・・・・)

 よくよく考え直すと、確かに自分の視線は・・・・・。

 (そ、そんなつもりじゃ・・・・。)

 そんなボクは気を取り直して、コートの中のレイさんに再び視線を移し直したのでした。


 ================ パカッ パカッ ==================== 


 コートの中ではボールがラケット叩かれ、衝撃を受ける音が鳴り響いていました。

 この音が聞こえるということは、それなりの(※)ヒッティングパートナーがいるということです。


 ※ヒッティングパートナー・・・練習の相手。

 

 (お・・・・!)

 そこでボクは、少々意外性を感じていました。

 どうやら彼女のヒッティングの相手は、女性の様でした。

 何故それを意外と感じたのか・・・・。

 それは、そのレイさんの練習相手が、とても生きのいい打球を放っているからなのでした。

 (とても女性とは思えない、激しいショットだ・・・!)

 対してレイさんのストロークは、決してスピードは速いとは言えません。

 そしてレイさんは、手堅いプレイスタイルとお見受けしました。

 それでいて、球質の重そうなショットを放っています。

 彼女の高いレベルをみて、ボクは思いました。

 (やはり、レイさんは・・・。)

 

 「お・・!

 おお・・・!!」

 またまた、僕は感嘆の声をあげました。

 「やはり、気になるか?}

 サングラスの男性が、僕の考えていることを察した様でした。

 「え、ええ・・・・。」

 ボクは彼の言うとおり、気になっていたのでした。

 「やるかもしれねえな、あいつ。」

 「た、確かに・・・。」

 そうです・・・。

 気になっているのは、レイさんだけではないです。

 むしろ、もう一人の方・・・・。

 言い換えると、レイさんとラリーをしている相手の女性・・・。

 (凄いフットワークだ・・・。

 この強烈なショットに加え・・・。)

 レイさんのヒッティングをしている相手の人は、小柄な女性でした。

 レイさんよりもずっと小さい女性が、レイさんを攻め続けている様に見えるのでした。

 もっとも、その強烈なショットにうまく合わせているレイさんの技術もハイレベルなものなのですが・・・。

 (こ、この小柄な女性は、只者ではない・・・・!)

 そして彼女たちのテニスのレベルは・・・、明らかに僕よりも高い位置に存在しているのでした。

 (ん・・・・。)

 ふたたび、サングラスの男性はボクの肩をポンッと叩いたのでした。

 「ま、頑張りな・・・。」

 そう捨て台詞をはいて、そのサングラスの男性は去っていったのでした。

 手短のやり取りに、僕は言葉を返せませんでした。


 (折尾さんも、ここで調整していたのか・・・。)


 ============== !!!!!!!!!!!!!!!!!! =============


 そして、ボクは慌てて鼻を抑えました。

 (くうっ・・・・、またしても・・・。)

 僕のシャツに、赤が滴り落ちていた・・・。


 レイ・スプリンクル・・・、悪魔的な美しさを持つ女性・・・・・

 

 

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