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ちょっと年上の女の子  作者: らすく
第2章 修行
112/318

強者(!?)集う・・・・!

 「ごちそうさま。」

 「今日も有り難うございました!」

 元気にウェイトレスのムーンが会計をしてくれました。

 僕は今日の朝食は、アカデミーのレストランで済ませたのでした。 

 と言うのは、本日の日程はいつもと違うからなのでした。

 「今日は、しっかりと見てくるのよ!」

 「うん、わかったよ。」

 僕は彼女に促されて、さっそうとレストランを出たのでした。

 

 今日はアカデミーに入校してから、初めての休校日でした。

 実は週末は、全体練習は無いのでした。

 とはいえ、このままダラダラ過ごすような人は、恐らくはいないでしょう・・・。

 皆ででレッスンを行わないとはいえ、自分自身で出来ることは沢山とあります。

 そこで僕はスタミナをつけるために、テニスコートの付近をランニングをしていたのでした。

 本当のことを言うと、このランニングには別の目的があったのです。

 そして自分の願いは、結果的に叶うこととなるのです。


 (お・・・・。)

 明らかにアカデミーの生徒ではないと思われるプレーヤーが、コート内でプレイしています。

 (おおー。

 やっぱりレベルが高いなあー。)

 もう今は、八月も下旬にさしかかろうとしています。

 もう少しで、全米オープンが開催されることになります。

 この事について、ムーンから教えられたのですが、このアカデミーの所在地は開催地であるニューヨークの郊外である事もあって、多数のプロテニスプレーヤーが調整に訪れているそうなのでした。

 だからこの休日を利用して、プロの選手のプレーを目にしたいと思っていたのです。

 (おや・・・・。)

 ここでボクは、テニスコートのフェンスの外側に目が動いたのでした。

 (あの子は、飛行機で隣の席にいた男の子じゃないか・・・。)

 これで僕は彼と、飛行機、レストランに続いて、三度遭遇しました。

 そして、帽子を深々と被った少年に、声をかけたいという気持ちが芽生えてきたのでした。

 しかし・・・。

 

 「意外に早い再会になったわね。」

 (あれ?桜さん?いや・・・。)

 ボクが振り向いたそこには、僕の従姉のプロテニス選手、冬木雪乃さんがいたのでした。

 「あ、雪乃さん・・・。

 こんなところで会うとは・・・。」

 異国の地で、母国の人に再会する事で、僕は安心感で保護されていました。

 「私は、今度の全米オープンの最終調整で、ここにきているのよ。 

 それに私は、ここのOGだからね。」

 (そ、そうだった・・・。

 彼女は高校を中退して、このアカデミーで修行してプロ選手になったんだった。)

 そう考えると、雪乃さんがここにいるのは、何ら不自然な訳ではないのでした。

 「それと、折夫は別のところで調整しているわ。」

 (お、折夫さんも来ているのか。

 確かに、あの人もトッププロだから、全米オープンには出場するんだよな・・・。)


 「あ、あの・・・。」

 ボクはとても聞きにくいことを、質問しようとしていました。

 「紅葉さんは・・・?」

 「紅葉は、大丈夫よ・・・。」

 雪乃さんは、ニコッと微笑を浮かべていました。

 そのことで、僕はホッとしたのでした。

 「楽しみにしてね・・・。

 それじゃあ・・・。」

 「え・・・・。」

 (た、楽しみって?)

 もう雪乃さんは、コートでプレーする時間がきたらしくて、早々と去っていってしまいました。

 その彼女の素っ気なさに、ちょっとだけボクは物足りなさを感じたのです。

 その中にあって、雪乃さんの捨て台詞が気になるのでした。


 ================ ポンッ =====================


 「わっ!!」

 不意に背後から肩を叩かれて、僕はビックリしてしまいました。

 「あっ!

 酔っ払い!!

 いや・・・・!」

 その人とは一昨日にも、バーでお会いしたばかりでした。

 「調子はどうだ?」

 初日にテニスクラブで一緒にプレーしたアルゼンチン出身のオウバー・キャストさん・・・。

 「ええ・・。

 まあまあです・・・。」

 ボクは当たり障りのない、返事をしました。

 「む・・・。

 そうか・・・。」

 (ん・・・・、なんか、この人酒臭いなあ・・・。)

 「ま、元気でな。」

 そう言うや否や、彼は僕に背を向けて、右手を挙げてテニスコートに入っていきました。

 そんなオウバーさんに、ボクは唖然としていたのでした。

 

 この酔っ払いの男性は、ひょっとして・・・・。

 そう考えながら、僕は近くのベンチに腰をかけたのです。

 (んん・・・・!)

 自分は何かオーラの様なものを感じ得ました。

 フッと横のベンチを見ると、ジャージ姿の美女が座っていました。

 (こ、このひとは・・・・。)


 今日はまだまだ、何か有りそうな予感です。

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